引っ越しをして住所が変わったら、それにともなってさまざまな手続きが必要になります。
そのひとつが、郵便物を旧住所から新住所へ転送するための「転居届(転送届)」の提出です。
転居届(転送届)を出しておくことで、郵便物が旧住所に配達されるのを防ぐことができますよ。
転居届を出す方法には、郵送・ポスト投函・ネットでの手続きの3通りがあります。
このページでは、それぞれの詳しいやり方や、転送サービスの開始時期・延長・解除方法について紹介しますね。
転居届(転送届)とは
転居届(転送届)は、郵便局が行っているサービス。
転居届(転送届)を提出することで、届け出日から1年間、旧住所から新住所へ郵便物を転送してもらえるというものです。
正式には「転居・転送サービス」といいますよ。
市役所に提出する「転出・転入届」とは違う
引っ越しの際は、市役所に「転出届」や「転入届」を提出すると思います。
名前が似ているので混同してしまいそうですが、転居届(転送届)は市役所ではなく、郵便局に提出するものなので注意してくださいね。
いつからいつまでに出せばいい?
転居届(転送届)の提出は、いつまでという決まりはありません。
引っ越し前でも、引っ越し後でも受け付けてもらえますよ。
ただし、手続きに3〜7営業日かかるため、転居届(転送届)を提出してから実際に新住所に配達されるまでに数日あいてしまうということは考えておいたほうがいいですね。
期間はいつまで?
転送サービスの期間は、転居届(転送届)に記入した「転送開始希望日」から1年間です。
たとえば、希望日を6月1日にした場合、翌年の5月31日まで転送されるということですね。
そのままにしておくとどうなる?
もし、転居届(転送届)を提出しなかった場合はどうなるのでしょうか?
当然、旧住所のポストに郵便物が溜まっていくことになります。
自分の元へ必要な郵便物が届かないのはもちろん、すぐに他の人が入居した場合は、個人情報が漏れてしまう恐れも。
提出は義務ではないとはいえ、引っ越しと同時に手続きを済ませておくのが安心ですね。
転居届の手続き方法は3通りある
転居届(転送届)の提出方法は、大きく分けて3通りあります。
- 郵便局の窓口で提出する(直接提出)
- 郵便ポストに投函する(郵送提出)
- 「e転居サービス」を使って提出する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
郵便局窓口での手続き方法
郵便局の窓口で用紙をもらい、記入して提出する方法です。
転居届(転送届)の手続きに必要なもの
窓口での手続きには、以下の2つが必要ですよ。
用紙
転居届(転送届)の用紙は、全国の郵便局の窓口にあります。
本人確認資料
窓口での手続きの場合は、免許証・健康保険証など、旧住所が確認できる本人確認資料が必要です。
ほかにも住民票やパスポートなど、官公庁が発行した住所の記載があるものであれば使えますよ。
転居届(転送届)の書き方
記入する内容は以下のとおり。
- 転居する人の氏名
- 転居前の住所(旧住所)
- 転居後の住所(新住所)
- 転送開始希望日
もし、家族のうちの1人だけが引っ越すという場合は以下のように書きましょう。
▼「転居者氏名」欄に転居する人の氏名を記入します。
「上記の転居者以外で引き続き旧住所にお住まいになる方の有無・人数」欄の「います」を塗りつぶし、引き続き旧住所に済む人数を記入すればOKですよ。
ポストに投函する手続方法
転居届(転送届)を記入したあと、ポストに投函して提出する方法です。
家族などに用紙をとってきてもらえば、あとはポストに投函するだけなので、時間がない人におすすめ。
ちなみに、切手は不要ですよ。
ただし、この方法では本人確認ができないため、以下の方法で転居の事実確認が行われる場合があります。
- 日本郵便株式会社社員による現地訪問
- 転居者が不在の場合、同居人等への転居者の居住の事実確認
- 旧住所あて確認書の送付
「e転居サービス」での手続き方法
転居届(転送届)をスマートフォンやパソコンから提出する方法です。
郵便局では「e転居サービス」というサービスを行っており、利用は無料ですよ(ただし、転居届受付確認センターへ電話する際の通話料金はかかります)。
わざわざ郵便局の窓口まで行かなくても、家にいながら手続きが完結できるのは助かりますね!
なお、手続きには携帯電話の番号が必要になります。
代理での手続きも可能
インターネットでの手続きの場合、代理での提出も可能です。
たとえば、子どもが引っ越しをした際、親がかわりに手続きをする、というようなケースですね。
この場合は「届け出人」に自分の氏名を、「転居する人」に子どもの名前を入力することになります。
「e転居サービス」を使った手続きの流れ
まずは「e転居サービス」のトップページを開きましょう。
▼利用規約を読み、「同意する」にチェックをしたあと「次へ進む」をクリックしてください。
▼届け出を行う人の名前とメールアドレスを入力します。
代理人が届け出を行う場合は、転居する人ではなく代理人の情報を入力しましょう。
▼確認して「次へ進む」をクリック。
▼入力したアドレスにメールが送られるため、確認しましょう。
▼送られてきたメールに記載された「受付URL」をクリック。
▼旧住所と新住所を入力します。
▼確認して「次へ進む」をクリック。
▼転居する人の情報を入力します。
結婚・離婚などで名字が変わる場合は、「旧姓」の欄にも入力を忘れずに。
▼下へスクロールすると、「転居する人以外で同じ住所に住む人の有無・人数」の入力欄があります。
転送開始希望日もここで選択してくださいね。
▼確認して「次へ進む」をクリック。
▼届け出をした人と、転居する人との続柄を選択します。
さらに携帯電話番号を入力しましょう。
このあと確認に使用するため、きちんとつながる番号にしてください。
▼画面表示にしたがって、転居届受付センターへ電話をかけます。
6ケタの確認番号は、画面の黄色い部分に表示されますよ。
自動音声のとおり入力するだけなので簡単です。
通話料が20秒につき10円かかりますが、手続きは1〜2分で済みます。
▼最終画面です。
入力が終わると自動音声が切れるので、そのあとに「申請登録」を押しましょう。
▼「転居の届け出を承りました」という画面が出れば、登録完了です。
▼さきほど入力したメールアドレスにも、受付完了のお知らせが届きますよ。
▼メールに記載された受付番号を使うと、受付状況の確認ができます。
郵便物の転送開始はいつから?
転送が開始されるのは、転居届(転送届)に記入した「転送開始希望日」からです。
ただし、たとえ提出日を「転送開始希望日」にしても、その日からすぐに新住所に届くというわけではありません。
転居届(転送届)の提出後、実際に新住所に郵便物が転送されるまでには、登録手続きに3〜7営業日かかるからです。
(※営業日とは、土日祝日をのぞいた平日のことをいいます)
そのため、引っ越し日に合わせて確実に手続きを終えたい場合は、「転送開始希望日」の7日前までに転居届(転送届)の提出を済ませると確実でしょう。
たとえば、6月1日から転送を開始してほしい場合、7日前の5月25日までに提出する、という流れですね。
期間が過ぎたあとはどうなる?延長はできる?
届け出から1年間が過ぎたあとは、郵便物はどうなるのでしょうか。
この場合、ふたたび旧住所に配達されるわけではなく、郵便物は差出人に戻されるようになります。
そのため、なるべく引越し後1年のあいだに、各種会員情報の住所変更を済ませておくのがおすすめですよ。
転送期間を延長するには
必要な場合は、転送期間の延長も可能です。
最初にした手続きと同じように、転居届(転送届)を提出しましょう。
これで、さらに1年間は転送が継続されますよ。
ただ気をつけたいのが、延長時の転送期間は最初に記入した「転送開始希望日」ではなく、転居届(転送届)の「届け出日」から1年間になるということ。
最初に提出した転居届(転送届)の「転送開始希望日」と「届け出日」には、7日以上の間があいているはずですね。
つまり、延長の際は「届け出日」の1年後の日にちを「転送開始希望日」にする必要があります。
ちょっとややこしいですよね…。
期間延長の届け出は、延長したい日の2ヶ月前から受け付けてもらえるため、心配なら早めの日にちで提出してもいいでしょう。
転送を解除する方法
「いったんは転居届(転送届)を提出したけれど、転送を止めたい」という場合もありますよね。
転送の解除や中止という手続きは、じつはとくにありません。
ただし、ふたたび旧住所へ配達してもらう方法はあります。
たとえば、実家から出て一人暮らしを始めたけれど、1年たたずにまた実家へ戻ったというケース。
この場合は、改めて転居届(転送届)を提出すれば大丈夫です。
郵便物は、新住所から旧住所へ転送されることになりますよ。
具体的な転送届の解除方法は以下のページが詳しいです。
転居届(転送届)の注意点
ここからは、特殊なケースについて見ていきましょう。
海外への転送は不可
海外へ引っ越しする場合でも、日本国外への転送は受け付けていません。
郵便物は、実家などを新住所として届けるようにしてください。
入院先への転送はOK
長期間入院する場合は、病院を転送先にすることができます。
転居届(転送届)の新住所を、病院に指定して提出しましょう。
さいごに
市役所に提出する義務がある「転入届」や「転出届」と違い、転居届(転送届)の手続きは忘れがちかもしれません。
しかし、転居届(転送届)の手続きを忘れていると、郵便物は旧住所に配達されることに…。
できるだけ、引越し後のそのほかの手続きと一緒に済ませてしまいましょう。
とくに「e転居サービス」なら、家から出ずに手続きが完了するので、忙しいときでも使いやすくおすすめです。
ぜひ、このページを参考にしてみてくださいね!