こんにちは、2018年3月に第二子を出産した齋藤惠です。
出産費用って、実際のところ何にいくらかかるのかがイメージしづらいですよね。
私も出産前に専門誌で調べていたものの、出産してみるとけっこうギャップがあると思いました。
さらに、入院の有無や住んでいる地域によっても大きく違うのです!
このページでは、私が体験した出産にかかるお金事情をつつみかくさず全て公開したいと思います。
あくまでも一例ではありますが、これから出産される時の参考になればうれしいです。
なお、ここでは出産の時にかかる医療費を中心に書きました。
できるだけリアルな金額をご紹介するために、ベビー用品は含めなかったのでご注意くださいね。
実際のところいくらかかった?私の場合
最初に、2人の妊娠出産に共通する、私やわが家の事情を簡単にご紹介します。
- 国民年金は第3号被保険者
- 1人目は仙台、2人目は仙台と東京で妊婦生活を送る
- 2人とも実家(山形市)で里帰り出産
- 2人とも大学病院で出産
次に、1人目と2人目の違いをご紹介します。
1人目は、以下のような条件でした。
- 仙台市で妊娠発覚
- 臨月には里帰り
- 妊娠糖尿病になる
- 予定日10日前に出産
- 出産後4日間入院
2人目は、以下のような条件でした。
- 仙台市で妊娠発覚
- 妊娠8か月目に東京へ引っ越し
- 切迫早産になり急きょ里帰り、約1か月入院
- 予定日4日前にLDR室で出産
- 出産後7日間入院
具体的な出産費用ですが、1人目と2人目では大きな違いがあったので図で比較しながらご説明します。
以下の金額は、現金やカードで実際に支払った費用です。
ちなみに、支払前に引かれるタイプの助成(妊婦検診助成など)は適用後の金額を、一旦自己負担してから請求するタイプの助成(医療保険など)は適用前を想定しています。
費用項目 | 1人目(2016年4月生、男子) | 2人目(2018年3月生、女子) |
---|---|---|
妊娠中 | 10,000円 | 50,000円 |
妊娠トラブル | 40,000円(妊娠糖尿病) | 200,000円(切迫早産) |
分娩から退院まで | 100,000円(入院5日間) | 160,000円(入院7日間) |
退院以降 | 5,000円(母乳マッサージ) | 5,400円(診断書) |
トータル | 155,000円 | 415,400円 |
妊娠中は交通費がかかる
妊娠中に一番負担だったのは、何といっても交通費です。
特に私は里帰り出産を希望していたので、実家へ帰る時の新幹線や高速料金が自己負担なのは痛手でした。
医療費は仕方がないとしても、交通費はもったいなく感じてしまいます。
さらに、2人目の時では、里帰り前からタクシーで妊婦検診に通っていたので負担が大きかったです。
大きなお腹とヤンチャ盛りの1人目を抱えて、電車やバスで移動するのがどうしても大変だったので、タクシー利用は苦肉の策でした。
ただし実際に利用してみると、お金はかかるものの身体への負担は最小限ですし、精神的にすごく楽だったので、無理して公共交通機関で行かずにタクシーを選んで良かったと思っています。
最近では、妊婦とママ向けの専用サービスもあり、登録すればマタニティグッズがもらえたり、助産師から指導を受けているドライバーが運転してくれるなど、とても便利なのでおすすめですよ!
また、公共の交通機関を使った場合なら、後で確定申告すれば一部が取り戻せることもあります。
詳しくは、「医療費控除」のところで紹介しますね!
妊娠トラブルは予測不可能で厄介な出費
私は、1人目の時に妊娠糖尿病、2人目の時には切迫早産と診断されました。
どちらも予想外の診断と出費だったのでショックでしたね。
どんなに健康な女性でも、妊娠トラブルになる可能性があるのだと身を持って知りました。
特に2人目の時には1か月も入院をしたので、ベッドで安静にしながら「入院費用、いくらくらいかかるだろう?」と不安だったことを覚えています。
私の場合、妊娠糖尿病は入院せず通院治療だったので健康保険以外の補助はなし、切迫早産では高額療養費と医療保険を使うことができました。
それでも切迫早産の入院費用が10万円を超えてしまったので、年末には必ず確定申告をしようと思っています!
分娩~退院費用はケースによって差が大きい
1人目の時に、私は分娩から退院まで大体20万円くらいはかかるだろうと思っていましたが、いざ出産してみると入院予定日より前に陣痛が始まり、その日のうちに出産したので入院費用はかかりませんでした。
しかも、予定していたLDR室が満室で使えず、分娩室で出産したので何とも低コストなお産で終わりました。
※ LDR室(陣痛から出産回復まで過ごせる快適な部屋。別途料金がかかる)
一方、2人目の時には予定通りLDR室を使ったので、1人目の時よりやや高めです。
また、土日を挟んだので入院日数が増えました。
いつ陣痛が始まり、何日入院することになるかは、その時になってみないとわかりません。
予想ができない分、事前のお金と心の準備が大切になってくるのではないかと思います。
保険金請求には診断書が必要になるかも
どちらの場合も、出産後は医療保険から保険金を受け取ることができました。
しかし、ここでも違いが起こります。
1人目の時には、私だけが必要書類を書けば保険金請求ができたのに、2人目の時には入院費用が高額だったので医師の診断書が必要だったのです。
診断書を書いてもらうのにお金もかかりましたし、何より時間がかかりました。
退院後に改めて診断書をもらいに病院まで行き、診断書が届いたのは1か月後という遅さ。
実際に保険金が振り込まれるまで2か月もかかりました。
病院や保険会社のスピード感によって時間には大きな差が出ると思うので一概には言えないですが、少なくとも事前に知っていれば産後の入院中に診断書の申込みができたはずです。
2回目の出産だからといって、手続き方法を確認していないと余計な手間がかかることを反省した出来事でした。
どんな補助があるの?
ここでは、妊娠出産でもらえる補助について、一つ一つ見ていきましょう。
- 妊婦健診助成
- 出産育児一時金
- 高額療養費
- 医療費控除
- 国民年金の産前産後期間免除申請(2019年4月から)
妊婦健診助成
妊娠がわかったら、すぐに自治体へ妊娠届を出しましょう!
母子手帳と一緒に、妊婦健診で使える助成券がもらえます。
地域によって補助される金額が違いますが、大体1回分が3,000円~5,000円、助成回数は14回というのが目安です。
また、多くの自治体で妊婦歯科健診が無料になる助成券も一緒に付いてくるので、安定期に入ったらお腹が大きくなる前に対象の歯科へ行ってくださいね!
出産育児一時金
健康保険に入っている妊婦さんなら、誰でももらうことができます。
補助金額は、子ども1人につき42万円。
双子や三つ子なら人数分もらうことができますよ。
また、レアケースではありますが、勤め先や自治体によってはさらに付加給付金がもらえる場合もありますから、事前に確認して漏れがないようにしましょう。
手続きの方法は2パターン、出産前に申請する方法と、出産後に申請する方法があります。
ただ、現在は病院で出産前に申請するのが一般的で、私も妊婦検診の時に出産育児一時金の手続きをすすめられました。
出産前に申請すれば、退院後の請求時にはすでに補助分の42万円は引かれている状態なので、高額な現金を用意しなくて大丈夫です。
しかも、出産費用が42万円未満だった場合には、退院後に必要書類をそろえて手続きをすれば差額分がもらえるのでお得ですよ!
どうしても出産後に申請したいなら、退院時に病院で出産費用を全額支払ってから、自分や夫の勤め先の健康保険組合で手続きをすれば出産育児一時金がもらえます。
産後の申請は手間も時間もかかるのでおすすめではありませんが、クレジットカードのポイントを稼ぐには一つの手段としてありですよ。
参考:(年会費有料あり)ポイント還元率が高いクレカまとめ
参考:(年会費無料のみ)ポイント還元率が高いクレカまとめ
高額療養費
妊娠時に予想外のトラブルは付きものです。
私も診断の直前まで、妊娠糖尿病や切迫早産になるなんて思いませんでした。
そんな、まさかの時の高額な医療費をカバーしてくれるのが高額療養費です。
入院でも外来でも、医療費が高くなりそうだと思ったらすぐに勤務先か自治体で「限度額適用認定書」をもらってください。
この認定書を病院の窓口に提出すれば、高額療養費が受けられます。
あらかじめ限度額適用認定書がもらえなかった時には、一旦自己負担で払ってから申請すれば、数か月後に払い過ぎた分が戻ってきますよ。
ただし、自己負担額は所得によって35,400円~252,600円と大きく変わりますから、自分がいくらまでカバーされるのかを事前に確認した方が安心ですね。
自治体に問い合わせれば教えてくれるはずですよ。
医療費控除
妊娠出産にかかった医療費の領収証と明細書は絶対に捨てないで大切に保管してください。
後で確定申告をすることで、支払った費用の一部が戻ってきますよ!
医療費として認められる項目は、下のとおりです。
- 妊婦検診の自己負担分
- 分娩費用
- 入院費用
- 妊娠トラブルによる医療費の自己負担分(通院・入院どちらも可)
- 不妊治療のうち医師が必要と認めた場合の治療費
- 医師が必要と認めた購入品(水枕、ガーゼ、松葉づえ、補聴器など)
- 通院や陣痛時の交通費用
- 治療目的で買った市販の薬(セルフメディケーション税制の対象商品)
医療費控除を受けるには、家族全員の医療費が年間10万円を超えているか、1年の医療費が所得の5%を超えている所得金額200万円未満の家庭であることが条件です。
例年はそこまで医療費がかかっていない家庭でも、妊娠出産となると軽く超えてしまう場合がほとんどなので「出産した年は、必ず確定申告をする!」と覚えておきましょう。
所得の一番多い人がまとめて申告すると、より多く戻ってきますよ!
ただし、基本的にはお得な医療費控除ですが、いくつか注意してほしいポイントがあるのでまとめてみました。
- 意外と認められない費用も多い(妊娠検査薬、里帰りの交通費、入院用のパジャマ、予防接種の費用など)
- 領収証だけではなく、明細書も添付しなければいけない場合がある
セルフメディケーション税制も導入されて、より多くの項目が医療費控除の対象になったように思えますが、それでも意外な項目が対象外だったりします。
特に、入院や治療のために買ったものの線引きが難しいです。
また、同じ人間ドックを受けても、異常があれば医療費控除の対象ですが、異常なしなら対象外なので気をつけてくださいね!
余計な自己負担を防ぐためにも、妊娠がわかったら早めに医療費控除の対象項目を詳しく確認してみてください。
さらに、明細書の保管もお忘れなく!
領収書とペアにして、大事に取っておいてくださいね。
国民年金の産前産後期間免除申請
2019年4月から、国民年金の産前産後期間は申請することで免除できるようになります。
出産した月の前月から4ヶ月間が対象ですね。
例えば2019年5月に出産した場合は、2019年4月〜7月までが免除対象になります。
余計なお金を払わないためにも忘れずに申請しておいてくださいね。
対象になるのは「国民年金第1号被保険者」です。
自営業者(フリーランス)などがこれにあたりますね。
ワーママにはこんな助成も!
働くママには以下の補助も受けられる場合があるので、妊娠がわかったら早めに手続き方法などをチェックしておきましょう。
- 傷病手当金
- 出産手当金
- 育児休業給付金
- 失業給付受給期間の延長
傷病手当金
妊娠中に悪阻や思わぬ病気になって、泣く泣く休職を選択した場合にはぜひ、勤務先で傷病手当金を申請しましょう。
4日以上連続して仕事を休み、その間のお給料が支払われない時にもらうことができますよ。
期間は最長1年6か月、日給の3分の2がもらえるので、安心して治療などに専念できますね。
出産手当金
産休中にもらえる補助金です。
勤務先で健康保険に加入している人なら、パートやアルバイトでももらえるので、手続きを忘れないでくださいね!
もらえる金額は、傷病手当金と同じく日給の3分の2です。
ただし、出産手当金と傷病手当金の対象期間が被ったら、出産手当金が優先されることになります。
ちなみに、産休中に会社からお給料が一部もらえる場合は、差額分がもらえますよ。
育児休業給付金
産後の育休期間中に、最長1年6か月もらえる補助金です。
原則2か月ごとに支払われますが、手続きの関係上、初回は振込が遅れることが多いので、空白期間の生活費などをあらかじめ準備しておくと安心ですよ。
ただし、育児休業給付金は雇用保険に入っていないともらえません。
パートやアルバイトの人はもらえないことが多いので、事前に勤務先で確認しておきましょう。
失業給付受給期間の延長
妊娠出産を機に退職をする人にも、朗報があります。
再就職をめざす時にハローワークで申請する失業給付(失業手当)の受給期間を、最長4年に延ばすことができるのです。
パートやアルバイトでも、退職した勤務先で雇用保険に入っていた人なら認められる可能性が高いので、忘れずに申請してくださいね!
ただし、失業手当を受け取ってしまうと、配偶者の扶養から外れてしまうので気をつけてください。
結局、いくら用意すればいいの?
ここまで長々と私の体験談やもらえる補助についてご紹介しました。
では、結局、「現金でいくら準備しておけば安心なの?」というのが大きな疑問ですよね。
私個人の見立てになりますが、だいたい出産費用の手出しは20~50万の範囲でおさまると思います。
妊娠がわかったら、まずは確実に20万円は現金でいつでも払えるように準備して、出産までに残りの30万円を工面するというのが理想的な流れです。
その後、自己負担の一部を医療保険や確定申告で取り戻していきましょう!
里帰り出産の注意点は?
私の場合は、自分の身体と家族の都合で里帰り出産を選びましたが、正直、「里帰りさえなければ、大幅に出産費用を減らせたのにな」と少し悔しい思いをしました。
交通費、複数の病院にかかる診療費、助成手続の複雑化など、とにかく余計な手間とお金がかかってしまったからです。
節約の観点から見れば、里帰り出産はあまりおすすめではありません。
しかし、人によってはどうしても里帰りを選ばざるを得ないこともありますよね。
そこで里帰り出産をする時には、お金のことで困らないよう、事前に以下のポイントを気をつけてみてください。
- 早めに出産費用を準備しておく
- 予定より多めのお金を用意すると安心
- 妊娠中から産後までの手続きについて早めに調べておく
- 里帰り前に、夫とお金や手続きについて話し合っておく
特に、最後の項目が一番大事です!
妊婦であるママしかできない手続きもありますが、お金の工面や書類の提出など、パパにもできる作業ならできる限りおまかせしましょう。
余計な負担はどんどん減らした方が、ママにとってもお腹の赤ちゃんにとっても安心です。
しかし、里帰り出産となると、数か月もの間、夫と離れ離れになりますよね。
夫婦間でスムーズに連携ができないと、請求時にお金が足りない、手続きが遅れてしまうなどの恐れがありますから、妊娠がわかったらすぐに情報共有しましょう。
さいごに
妊娠中は、できるだけ安静に過ごすことが理想的です。
できることならお金のことで悩んだり、面倒な手続きでイライラしたりするのは嫌ですよね。
出産費用は直前まで予測することが難しいので、いざというときに焦らないために、早めの情報収集とお金準備がとても大切になります。
特に、自治体によってもらえる金額が変わる補助なら、なおさらです。
妊娠初期のうちから出産費用について考え、できるところからどんどん手続きを進めてくださいね!