こんにちは。2016年4月から世界一周しながら仕事をしている、『灯台もと暮らし』編集長の伊佐知美です。
現在滞在しているのは、アフリカ大陸でもっともヨーロッパに近いといわれるモロッコ。ずっと訪れたかった国なので、毎日感動しっぱなしです。
感動の理由詳細についてはこちらの記事を参照ください。
参考:女性にぜひ訪れてほしい!モロッコの魅力10個と表裏一体の注意点20個【伊佐知美の世界一周とお金の話 #6】
この記事では、旅をする上で知っておきたいモロッコの基礎情報と、日本からモロッコへの行き方、見どころの多いモロッコ国内のめぐり方について紹介します。
モロッコの基礎情報
モロッコの場所はここ
モロッコはアフリカ大陸の北西に位置する国。面積は日本の1.2倍ほどで、総人口は3200万人ほど。首都はラバトですが、人口が多いのは順にマラケシュ、フェズ、サレです。
人気の王道ルートはカサブランカからの反時計回り
日本からの直行便はどの航空会社も運行していないため、ヨーロッパまたは中東を必ず経由することになります。多くの人の玄関口となるのは、政治の中心・カサブランカ。
そこから喧騒のマラケシュ、砂漠地帯のワルザザード・メルズーガ、古都であり街自体が迷路のフェズ、世界に名高い「青い街」シェフシャウエン、経済の中心ラバトと反時計回りにモロッコをぐるりとめぐるのが王道ルートといわれています。
マラケシュから日帰りまたは1泊2日ほどで、「海沿いの芸術の街」エッサウィラに立ち寄るという方も多いようです。
また北のタンジェは、ジブラルタル海峡を挟んですぐにスペイン。船が出ているので、飛行機に乗らずともヨーロッパに移動することができます。このルートは長期旅行者に人気です。
このように、あれもこれもと欲が出てくるのがモロッコ。見どころの多い国なのです。
時差はマイナス9時間
たとえば日本が夕刻18時の時、モロッコは朝9時。
また、毎年実施期間は異なりますが、サマータイムが導入されます。そのときの時差はマイナス8時間です。
モロッコの通過はディルハム
あまり聞き慣れない名前ですが、モロッコの通貨単位はディルハム(DH)。2017年3月現在、DH1=約12円です。
物価はちょっぴり安め
物価はヨーロッパよりも安めですが、アジアほど「安い!」と叫びたくなるほどではありません。
たとえば水は500ミリリットルのペットボトルが1本DH5〜DH10ほど。ランチはモロッコ料理のタジン鍋がDH40〜DH70、ディナーも同様です。
日本と大体同じくらい、と考えるとよいかと思います。
イスラム文化圏です
当然ですが、ここは日本とはまったく違うイスラム文化圏。アラブ人、ベルベル人が人口の95%を占め、日本人は歩いているだけでとても目立ちます。
飲酒や喫煙はNG。女性は体の線が出る服装や、肩、足、胸元の露出の激しい服装はもちろん避けましょう。
とはいえ、モロッコはヨーロッパに近いということもあり、イスラム文化圏の中では比較的旅行者にやさしい土地。
観光客向けのレストランやバーではお酒が売っていますし、街中にタバコ屋さんがあったり、観光客の女性がたとえば生足を出していても、地元の人はそこまであからさまな目線は送りません。
けれど郷に入れば郷に従え。マナーは守って旅をした方が、結果的に楽しめると私は思います。
公用語はフランス語とアラビア語
空港や駅、観光地や宿では問題なく英語が通じます。が、地方で出会う現地の人とは、英語でまったくコミュニケーションできませんでした……。
想像以上にフランス語が普及している様子。もっと勉強していけばよかったなと後悔しつつ、「メルシー(ありがとう)」「サヴァ?(ごきげんいかが?)」などの基礎的なフランス語だけで過ごしていました。
ちなみにアラビア語でよく使ったのは「シュクラン(ありがとう)」。民族衣装の「ジュラバ」を着て街を歩いていると、「ファティマ(モロッコスタイルだね!)」とよく声をかけられました。
とにかく英語は必須、できたらフランス語、基礎的なアラビア語を覚えていくと、より快適な旅ができる場所だなと思いました。
Wi-Fiは遅めなので注意
訪れて驚いたことのひとつなのですが、モロッコはWi-Fiが遅い!
どれくらい遅いかというと、メールに2MBの写真を添付するのに、1分弱かかるくらい。
ツイッターに写真を1枚アップするのにも、30秒ほどかかる……というと、なんとなく想像がつきますでしょうか。
私は仕事で日本とスカイプミーティングを行う機会が多いのですが、モロッコでは動画通話はできませんでした。音声通話なら、ギリギリ可能、といったレベルです。肌感としては、アジアのミャンマーやラオスと同等。
空港はWi-Fi完備ですが、やはり遅くて使い物にならない。観光客向けのレストランやカフェ以外では、街中でWi-Fiが飛んでいることはあまりありません。
電子書籍版のガイドブックをダウンロードしたり、お気に入りの音楽をダウンロードしたりといった、大きなデータのやりとりが発生する作業は日本出発前に済ませておいたほうが無難です。
宿予約はネットで
とはいえ、宿や国内移動のチケット予約などはネット予約が可能。たとえば「Booking.com」など、日本語で使える予約サイトから宿の確保ができるので、こちらも事前に済ませておくとスムーズです。
現金を用意せよ
クレジットカードの使用は可能です。が、あまり使えるお店は多くない印象。
支払い時に「クレジットカード使えますか?」と聞いても、「キャッシュオンリー」という返答ばかり、ということはザラでした。
ATMや両替所は街中にたくさんあるので、現金は多めに持ち歩くのをオススメします。
私は10日間で、DH3,000(約34,000円)を現地で使いました。
ベストシーズンは3〜5月、9〜10月
モロッコのベストシーズンは春と秋。たたしマラケシュなどの中部や、ワルザザード、メルズーガといった砂漠地帯、北部のフェズや標高が高めのシャウエンでは、同じモロッコといえども気候がかなり違います。
私が訪れたのは3月中旬〜下旬頃で、日中は薄いワンピース1枚で過ごせますが、朝晩はかなり冷え込むといった感じ。薄めのパーカーとユニクロのウルトラライトダウンはつねに携帯。
体調を崩してしまうとせっかくの旅が楽しみきれませんし、国際病院に行くことにでもなったら、それこそ出費がかさみます。
現地で入手した「ジュラバ」という羽織りものは温かくてかわいくてオススメなので、それを寒さ対策用に購入してもいいかもしれません。
モロッコへの行き方
上記でも述べましたが、日本⇔モロッコへの直行便は運行していません。
航空券予約の際は、「Skyscnanner(スカイスキャナー)」というサイトをよく利用しますが、日付を適当に入力して、試しに検索してみました。
UAEのドバイ経由で、往復で78,000円。フライト時間は合計17時間ほど。高いと思うか安いと思うかは人それぞれだと思いますが、私はめちゃくちゃ安いと思います。
そのほかは、同じくUAEのアブダビ経由、フランスやドイツ経由などのルートが主流のようです。日本⇔パリ便は最安で50,000円代ほどで、パリ⇔モロッコ・カサブランカであれば、10,000円弱程度で格安航空券が予約できる場合があるので、もしかしたらそれが一番安くすむのかもしれません。
どのみち乗り換えは必須。
実際に私が予約したのは、こちらの写真の上部の航空券。
アブダビに友人が住んでいるので、トランジットで22時間の滞在を確保。アブダビ空港から街中まではタクシーで30分ほどなので、ほぼ丸一日アブダビを観光して、友人と食事をして、ギリギリに空港に戻ってモロッコ・カサブランカに飛びました。
こんな感じで、トランジットも楽しめる旅程を組めるのが、モロッコ旅行のよいところの1つですね。
国内移動は国営鉄道「ONCF」と国営バス「CTM」が便利
国営鉄道「ONCF」
モロッコというと発展途上国のイメージがあるかもしれませんが、意外にも国内の電車網は整っており、すごく移動がしやすい国になっています。
国内を走っているのはモロッコ国営鉄道の「ONCF」。
私が実際に乗ったのは、カサブランカ空港からカサブランカ(所要時間35分)、カサブランカからマラケシュ(3時間)、マラケシュからフェズ(7時間)の3路線。
乗り方は簡単で、日本と大差ありません。
乗り場を探して、チケットを購入し、時刻になったら改札を通ってホームに行くだけ。
チケットは券売機または有人改札で購入できます。ただし、なぜか現金決済のみ。正確にいうと、券売機にクレジットカードの挿入口はあり、決済自体はできるようなのですが、「日本のクレジットカードはNGだ」といわれて、有人改札でも券売機でも突っぱねられてしまいました。
チケットはこんな感じのものが出てきます。
一等席と二等席がありますが、ちょっとシートの座り心地がよくなる程度なので、二等席で十分だと思います。
ちなみに事前のウェブ予約は不要です。公式サイトはこちら。
国営バス「CTM」
大都市間以外の移動は、国営バスの「CTM」が便利。
私はフェズからシャウエンまでこの「CTM」に乗りました。所要時間は約4時間。同路線で民営バスの運行もある場合が多いようですが、清潔感や安全性、時刻の正確性を考えると、格段に「CTM」がオススメ。なかなかスリルのある山道を行きますしね。
フェズからシャウエンのような人気路線は、予約しておかないと座席が埋まってしまうことが多いとのこと。
公式サイトからウェブ予約できるようになっているのですが、何度トライしても、やっぱりクレジットカードの認証エラーで決済不可に……。おまけに、英語サイトがあると表示されているのに、フランス語からなかなか切り替わらない!
決済不可、というのもグーグル翻訳しながら必死で解読しなければいけないので、体力と時間の消耗がすごかったです(笑)。
私は諦めて、バスターミナルを直接訪れて、窓口のお兄さんにチケット購入・予約をお願いしました。
購入してしまえば、こちらも「ONCF」と同じく、乗り場を探して、時刻になったら乗り場近くに行くだけ。基本的には日本と同じです。
ただし、どちらも時刻通りに発車するとは限りませんし、直前の乗り場変更、行き先変更なども大いにありえるので、とにかく念には念を入れた確認と、時間の余裕はしっかりと!
公式サイトはこちら。
異国情緒あふれるモロッコへ、ぜひ!
モロッコは、日本から最短でも17時間ほどかかる遠い国。だからこそ、そこでしか体験できない特別な何かが待っています。
気になる方は、本当にぜひ足を運んでみてほしいです。この記事がどなたかの役に立つことを願って。
ではまた次回!