法人が個人に対して退職金を積み立てることができる制度である、中小企業退職金共済(中退共)に申込することにしました。
昭和34年に国の中小企業対策の一環で制定された「中小企業退職金共済法」に基いた制度になります。
もちろん狙いは節税です。
個人としても退職金を受け取った時に退職所得扱いになるので、税法上のメリットがありますよ。
今回、人生で初めて中退共に申し込んでみましたので、その時の流れをメモ代わりに振り返っておきます。
ホームページから資料請求する
まずは、中退共のホームページから資料請求をしてください。ホームページの入力フォームから普通に資料を取り寄せることができますよ。
資料請求のページを開きましょう。開いた先にある「申込書等ご希望の事業主様」を押してください。
次の画面へ進むと、入力フォームのセキュリティについての説明が表示されます。確認した上で、資料請求 のページへ進みましょう。
必要な書類を選んで請求してください。私は新規加入用申込書を請求しました。
もし、追加で従業員を加入させる場合にも対応していますので、ご安心ください。
次に、資料の郵送先を入力します。最低限、必須項目を埋めて確認ボタンを押しましょう。
確認画面で、問題ないことをチェックして「送信」ボタンを押してください。
これで資料請求が完了です。
数日後に資料が無事に届きましたよ!
書類に記入する
書類が届いたら開封して、契約申込書の必要事項に記入しましょう。
加入させる従業員のところには、個人名を入力してください。10分ほど記入にかかりますが、そのあとに得られる節税の効果が大きいので、ひと頑張りです!
横半分には口座振替依頼書があります。引き落としてもらう銀行口座を入力しましょう。
ネット銀行・ゆうちょ銀行では申込できない
中退共の掛金は、毎月口座振替になるのですが、その引き落とし先の口座にネット銀行やゆうちょ銀行を選ぶことができません。
これが案外不便なんですよね・・・。
私の場合、普段はネット銀行をメインに使っていますので、わざわざ中退共のために信用金庫の口座を作ったぐらいですから。
参考:法人の口座維持手数料が無料!兵庫信用金庫に口座開設した話と知られざるATM手数料の優遇について
一応は法人として活動しているので、店舗を持つ銀行にも口座を持っておいてもいいかもしれませんね。
給与を支払っている証拠が必要
私は、地元にある信用金庫から中退共の申込をしました。
担当の方もそんなに慣れていないのか、手続きに時間が掛かりましたが、その時に言われたのが、共済に加入する人に対して給与を払っている証拠が必要ということ。
最初に持っていった時は、申込用紙と印鑑ぐらいしか持って行ってなかったので、証明するものがありませんでした。
翌日に個人の確定申告書の控えを持って行って、それのコピーをとってもらい、提出してきました。
ひとまずは受理されたので、ホッとしています。
その後、代表と役員は加入できないという連絡がありました。知らなかった・・・。
参考:中退共は代表と役員は加入できない。間違えて提出した時の取消方法
中退共は掛金を月5,000〜30,000円の間で選べます
中退共に加入する時に、掛金を自分で決めることができます。掛金は月額5,000〜30,000円の範囲内で。
以下の16種類から選べるようになっています。
- 5,000円
- 6,000円
- 7,000円
- 8,000円
- 9,000円
- 10,000円
- 12,000円
- 14,000円
- 16,000円
- 18,000円
- 20,000円
- 22,000円
- 24,000円
- 26,000円
- 28,000円
- 30,000円
掛金は全額自分で負担する仕組みです。従業員に負担させることはできませんので、注意してください。
また、増額や減額も従業員が同意した場合や厚生労働大臣が認めた場合も対応できますよ。
中退共のメリット:節税と従業員にやさしい
中退共のメリットは、掛金が全額経費になることです。法人で節税対策を考えている方におすすめの方法になります!
経営者的には、節税が大きなメリットになりますが、従業員としてもメリットがあるんですよね。
退職金の積立なので、従業員が退職する時に勤めた年数や掛金に応じて退職金がもらえます。
個人としても退職金は退職所得扱いになるので、退職金に掛かる税金も普通に稼ぐよりも少なくなりますね。
2年以上勤めると、掛金と同じ金額の退職金がもらえます。
勤務年数が長くなれば長くなるほど、利回りの分だけ複利が効いてきますので、もらえる金額が大きくなりますよ。
私自身、今のところは続けれる限りは法人での経営を続けていくつもりなので、自分自身の退職金を多くもらうために、頑張らないといけないと思いました!
中退共のデメリット:掛金は今すぐ使えるお金にならない
とはいえ、退職した時にようやく個人に入ってくるので、今すぐに使えるお金ではありません。
個人用の年金として考えるなら、すごく便利な仕組みです。
ですが、中退共に加入するなら、ある程度経営状況に余裕がないと入る意味があまりないように思いますね。
掛金は今すぐ使えるお金ではないので、余ってて投資するところもない場合に、ようやく中退共を検討する、そんなぐらいがちょうどいいのかな〜と思います。
中退共は基本的に守りのための仕組みなので、事業をどんどん拡大していきたいと思うなら、まずはそちらに注力して、それでも余裕があるなら入るようにしましょう。
さいごに
私は、それらのことをふまえた上で加入することにしました。
基本的に私は節約家なので、守りから固めていくタイプです。こういうのでしっかり基盤を作っておくのは個人的に重要と思っています。
老後のことは全く考えられないし、そのために積み立ててるわけではないですが、退職した時にもらったお金をまた有意義に使いたいものですね。
今もなるべく、自分が貯めこむのではなく、誰かが喜んでもらえるような使い方をするように心掛けていますが、歳をとってもその考え方であり続けたいと思います。
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