こんにちは、トラベルライターの伊佐知美です。
このページは、「海外のローカルマーケットで価格表示がなかった場合、どうすれば納得のいく適正価格で買い物ができるのか?」について、海外45カ国を旅した私の経験と交渉術をまとめたものです。
海外のローカルマーケットには定価がない?
日本で暮らしているとあまり実感を得られない話ですが、海外ではよく「商品の定価が書かれていない店」に出くわします。
つまり店主が、「お客さんを見て価格を自由に設定し、口頭で伝えて買い物交渉が始まる」というケース。
海外旅行をあまりしない友人にこの事実を話すと、「えっ冗談でしょ」と切り返されることが多いのですが、本当なんです……!(笑)
海外では当たり前の、頻繁に見られるシーンですね。
金額差はどれくらい?
金額差は、現地の人が買うと100円のものが、観光客は500円と言われるとか、1,000円と言われるとか、そのくらい。
たとえば、私は昔ベトナムで、あるカバンに一目惚れしたことがありました。
その際、私が英語で金額を尋ねた時は8,000円の価格提示。
けれど、後日ベトナム語が堪能な現地在住の友人と一緒にお店に行って、ベトナム語で話しかけたら、2,000円だと言われました。
そのほかにも、トルコで小さな絨毯を見ていたら、店主は「1枚30,000円だ」と。
でも、後日トルコでできた友人に「絨毯って、あんなに高いの……?」と聞いたら「盛大にふっかけられたね。モノにもよるけど、それは多分1枚3,000円もしないよ」と教えてもらいました(笑)。
このように、海外の定価表示のないローカルマーケットでは、現地の人が買い物をする際の約2倍〜10倍、またはそれ以上の価格を提示されることが日常茶飯事です。
まぁ、いわゆる「ぼったくり」の部類に入る場合もあるという話ですね。
(そもそも現地の人は、観光客が来るような店には来ないという論議もありますが、今回は置いておきます。)
じゃあどうすればいいの?
対策は1つだけ。ずばり「時間をかけて交渉する」です。「まとめて買う」も有効ですね。
その時に使う言語は、現地の言葉でなく、英語で十分です。
言語が堪能でなくても、店主は必ずメモ帳か電卓を持っているはずなので、筆談での交渉もできますよ!
旅慣れた今だからわかるのですが、「値段をふっかけてくる」のは、日本人が最初に提示した値段で買う人が多いという事実ももちろんありますが、半分くらいの人は「それで遊んでいる」んですよね。
だから無理をして提示された価格で買うことはないです。
気軽に値下げ交渉をしてみましょう!
交渉のポイントは、笑顔で楽しみ合うこと
交渉する際のポイントは、笑顔で楽しむこと。
値下げをすることが第一になってしまうと、現地の人も意地になってあんまり快く対応してくれません。
もし笑顔で軽やかに交渉できたら、きっと会計をする頃には仲良くなって、「一緒に写真を撮ろうぜ」とか「お前のSNSアカウントを教えろ」とか、そんな会話も生まれているはずです。現地の人との一つの交流だと思って、楽しみましょう!
私が実践している、具体的な価格交渉の順番
さて、そして以下が私が実践している交渉術です。
最大で、最初の提示価格の80%オフほどを目指せます。ではレッツゴー!
1. まず、その国の大体の物価・定価を掴む
とはいえ、交渉するにも、目指す価格がないと交渉しようがありません。
まず私は、価格表示のないローカルマーケットに行く前に、大体の物価を把握します。
訪れた街が都会であれば、たとえばスターバックスやケンタッキーなどチェーン店が入っているショッピングモールに行くのがおすすめです。
なければスーパーや薬局など、とにかく定価表示のある店を探して物価をチェックします。
「Kindle Unlimited」の定額サービスを使って、ガイドブックの『るるぶ』を電子書籍でダウンロードし、価格を参考にする方法もいいですよ。
2. 物価が把握できたら、実際にローカルマーケットに行ってみる
まずは行ってみないと始まりません。
「ローカルマーケット」を体感しに行きましょう。
3. ウィンドウショッピングを楽しむ
最初は買わずに、フラフラ歩きます。
「あ、これカワイイ!」と思ってもすぐには買わない。
値段だけ聞いて、他のお店はどんなかな〜と比較しつつ、ぶらり散歩を楽しみます。
4. 「これ!」と思える商品が見つかったら、店主にご挨拶
「こんにちは」と現地語でにっこり挨拶しましょう。これ大切。
たとえばモロッコだとフランス語が共通語なので、「ボンジュール」です。
5. 気に入った商品を手に取る
店に入って商品を手に取ろうとした瞬間、ほぼ100%の確率で話しかけられるので、待ちましょう。
この時に話しかけられる英語は、大体「What are you looking for?(何を探しているの?)」「You wanna to buy it?(それ欲しいの?)」などです。
6. 最初の提示価格を聞いてみる
中学生英語でおなじみの「How much is this?(これいくら?)」の登場です。
7. 「ええええ!」と驚く茶番をする
「そ・れ・は……高すぎるよ!!!」と「No……」の顔をして去ろうとします。
言う言葉は「It’s so expensive……(高いよ……)」で十分です。
8. 「いやいや待て待て」の返事を後ろ手に聞く
そうすると、大体の店主が「Hey!」と言ってきます。
「How much your price? Say your price!(いくらなら買うんだ?)」などの言葉も続くでしょう。そしたら交渉開始の合図です。
9. 提示価格の2割程度の値段からスタート
相手や買うモノ、状況や国によって当然価格変動率は変わります。
どの国でもここで言った「My price」より価格が下がることはまずあり得ないので、まずは提示価格の2〜3割の値段を言ってみましょう。
心が強ければ別に1割の値段でも構いません。
10. 「おいおいクレイジーかよ」と言われるのを待つ
そうすると、大体「クレイジーかよ」と言われます。
「Oh, Your kill me? It’s sooooo cheap!You’re crazy!(冗談だろ?安すぎるよ!クレイジーだな)」などの返事ですね。
11. 「じゃあ、帰る」
「じゃあ、買わないっ」とスキップくらいの勢いで楽しく帰るフリをしてみましょう。
12. 「おいおい、待てよ!」
別れ話をした後の恋人さながら、追いかけてきてくれるのでそれを待ちます(すでに茶番感が出ていますが本当によくある流れです)。
その時のセリフは大体「Hey, wait! Wait!!! Hey hey hey hey.」です。
13. 「Say your FINAL price.」で意見を変えない
「さっきのは冗談だってわかった。じゃあ、君の本当に希望している価格はなんだい?」とでも言わんばかりに、「Say your FINAL price.」と語りかけてきます。
そこで最初の意見を曲げないようにしましょう。初志貫徹です。
14. やっと本格交渉開始
電卓とメモを使って、価格交渉を本格的に始めます。
この辺まで来ると、「150ならいいけど80は無理だ」「何個買うんだ」「10個買うなら1個120でいい」など、そういった条件を店主が提示してきますよ。
値段は結構あっさり希望価格近くまで下がります。
この辺りで有効な英語は、「Please give me a discount.(ちょっと安くして)」「Could you make it a little bit cheaper?(同じ意味)」「 I will buy it for ○○(金額).(いくらなら買うんだけどな)」などでしょうか。
15. まとめ買いで最終価格の落とし所を見つける
さすがに1個しか買わないと、そんなに値段は下がりません。できたらまとめ買いを心がけましょう。
たとえば、マラケシュでの買い物の時は、最初の言い値では「モロッカンスリッパは、1足500ディルハム(約60,000円)」と言われたところ、この交渉を経て「10足買う」と言ったら、すんなりと「10足で900ディルハム(約10,000円)」まで値段が下がりました。
約50,000円値下がりしたことになるので、いや、結構……違いますよね!(笑)交渉によりかなり節約できました。
豆知識:チェキを持っていると、写真を撮ってプレゼントするだけで値下げしてくれたりします
時間をかけると、最初の提示価格から50〜80%オフで買えることが多い
ちょっぴり時間はかかりますが、どの国でも大体この流れでローカルマーケットで買い物をすることが多いです。
もちろん時間がない時や、最初から適正価格を言ってくれるお店ではこんなことはしません……。が、時間がある時はこのやり取りを楽しんでみることにしています。
結果として、お店の人とすごく仲良くなれたりします。
「値段のない買い物」なんて聞くと、慣れていないと面倒くさいし、少し怖い気がするものですが、相手も人間。話してみると楽しかったりします。
せっかくの海外旅行ですし、ショッピングも現地の人と触れ合える大切な機会。価格交渉、ぜひ実践してみてくださいね。
お得に買い物ができたら、余剰のお金でおいしいものでも食べましょう!
ではまた次回です。参考になればうれしいです!