普段何気なく利用している電話ですが、「これはどういうことだろう?」と思うようなことがあります。
たとえば問合せをしようと思ったとき、多くの場合『0120』から始まるフリーダイヤルを目にする事がありますよね。
でも、問合せ先の電話番号が『0800』から始まっているのを見たことがありませんか?
この番号って無料なの?それとも有料?
080から始まる携帯電話とも似ているし、いったいどんな電話番号なのでしょうか。
このページでは、そんな『0800』番号についてどんな意味があるのか、0120フリーダイヤルとの違いなどについて紹介します。
0800から始まる電話番号とは?市外局番ではありません
0800から始まる電話番号とは、0120と同じくフリーダイヤル(フリーコール)の電話番号です。
『0800』のように『0××0』から始まる番号は、特殊なサービスであることをわかりやすくするために、電話会社共通の番号して用いられています。
代表的でよく見かける番号は、『0120』のフリーダイヤルですよね。
でも一見、同じ数字である『080』から始まっているので携帯電話の番号に見えてしまいます。
携帯電話と間違えてしまう原因としては、携帯電話と同じく11ケタだからでしょうか。
ちなみに、同じフリーダイヤルの0120番号では10ケタです。
たとえば、『0800-123-××××』がフリーダイヤルだった場合、何かしらの手違いで『080-0123-××××』と表記されると、携帯電話みたいに見えますよね!
携帯電話に着信があった場合は『0800123××××』と表示される場合があるので、「携帯電話からの迷惑電話かも?」と不安になってしまう場合もありそうですね。
なお、0800から電話番号が始まっていますが、この『0800番号』が市外局番になるわけではありませんよ。
080携帯番号と間違えそうな前提があった0800番号
携帯電話番号が『090』に集約された平成11年(1999年)、将来に番号が足りなくなることを考えて『080』の検討に入ったのでしょう。
平成11年3月19日の『「携帯電話の電話番号数の拡大に向けた電気通信番号に係る制度等の在り方」答申(案)への意見及びこれに対する考え方』によると、通信キャリア間で話し合いがあったようです。
0800(着信課金番号)が携帯電話番号と混同されることが一層懸念されるという意見があることは認識しているが、当該誤認は本来0800と他の080-Cの混同の問題であり、0800を着信課金番号として採用する際から指摘されたことである。
その問題に対しては十分な周知を行うことで対処できるとされてきたことであり、今後一層の周知活動が必要と思われる。
NTTドコモ
引用元:「携帯電話の電話番号数の拡大に向けた電気通信番号に係る制度等の在り方」答申(案)への意見及びこれに対する考え方』
何やら小難しく書いていますが、ようは『080番号の携帯電話と0800番号のフリーダイヤルを間違えないように周知しようね』ということですね。
でも、あまり周知されていないのか、まだまだ間違えやすいですよね…。
0800フリーダイヤルは「フリーダイヤル・インテリジェントサービス」と呼ばれる
『0120』と『0800』のフリーダイヤルサービスを提供しているのは、NTTコミュニケーションズです。
0800フリーダイヤルは、『フリーダイヤル・インテリジェントサービス』と呼ばれています。
特徴として、『0800+7ケタ』とは別に『0120+6ケタ』の番号も使用できます。
▼フリーダイヤル・インテリジェントサービスの、ざっくりとしたメリットは以下のとおり。
- IVR(音声自動応答)を利用したコールの振り分けができる
- 話し中などで電話がつながらなかった電話に対して、他拠点への迂回やガイダンス案内が可能
- 発信者のメッセージを録音・蓄積できる
- トラフィックデータ(通信回線の利用状況)を把握できる
トラフィックデータ(通信回線の利用状況)については、僕は電力会社のコールセンターに勤めていた経験があるので、ピンときました。
今、この瞬間『電話が何件かかってきているか』や『保留で待っている電話は何件か』がコールセンターの電光掲示板に表示されます。
企業側にとっては、たしかにメリットですよね。
なお詳しい説明などについては、NTTコミュニケーションズの『フリーダイヤル総合パンフレット』を見てくださいね。
0800のフリーダイヤルと0120フリーダイヤルとの違い
0800から始まるフリーダイヤル・インテリジェントサービスの大きな特徴は、音声応答などを組み合わせることで、目的に応じた着信先へダイレクトに接続できることです。
たとえば企業に、以下の問合せ先があったとしますね。
- 問い合わせ先
- 注文受付
1つの受付番号で、発信者に『問い合わせ先』か『注文受付』かを選んでもらい、目的に合わせた着信先へつなぐことができます。
一方フリーダイヤルでは、1つの番号で両方を受け付けるか、2つのフリーダイヤル番号を設けて別々に受け付けることになりますよ。
0800フリーダイヤルは無料だけど、企業側はどれくらい負担になっている?
フリーダイヤルに電話するときには、「やった!通話料金がかからない!」とうれしくなりますよね。
でも、その通話料は企業側が支払っています。
いったい、いくらになっているか気になりませんか?
3分間通話した場合の料金を簡単にまとめてみました。
距離区分 | 昼間 | 夜間 | 深夜・早朝 |
---|---|---|---|
区域内 | 8.5円 | 8.5円 | 8.5円 |
隣接20kmまで | 20円 | 20円 | 20円 |
~60kmまで | 30円 | 30円 | 20円 |
60km超 | 40円 | 30円 | 20円 |
距離区分 | 昼間 | 夜間 | 深夜・早朝 |
---|---|---|---|
全国一律 | 130円 | 230円 | 180円 |
このように、細かく決められています。
企業としては、同じ県内の一般電話から問い合わせをしてもらうのが、一番助かるようですね。
参考:NTTコミュニケーションズ『フリーダイヤル:一般回線』
0800フリーダイヤルと0570ナビダイヤルとの違い
0800や0120から始まるフリーダイヤルは、企業側が電話料金を負担することによって、電話をかけた側は無料で利用できるサービスです。
一方で0570から始まるナビダイヤルは、フリーダイヤルとは逆で電話をかけた側に電話料金がかかるサービスとなります。
企業側が一部負担し、電話をかけた側の通話料金負担を軽くするオプションサービスもありますよ。
0800番号へ電話できる回線の種類
0800番号へ電話できる回線(端末)は以下のとおりです。
- NTTコミュニケーションズのひかりライン回線および0AJ-IP電話、050IP電話
- NTT東日本・NTT西日本の電話回線(加入電話)とISDN回線、ひかり電話(0AJ-IP電話)
- 携帯・自動車電話(NTTドコモグループ、auグループ、ソフトバンクグループ)、PHS
- 一部他社直収電話
- 一部他社0AJ-IP電話
- 一部他社050-IP電話
- NTT東日本・NTT西日本の公衆電話
- 衛星携帯電話
とくに電話の種類は意識せず、0800番号へ電話しても問題はないですね。
よく見る一般的な0800番号
大手携帯キャリアの問合せ先として、0800番号のフリーダイヤルが使われているみたいですね。
携帯キャリア | 問合先名称 | 電話番号 |
---|---|---|
docomo | ドコモ料金センター | 0800-000-1800 |
SoftBank | ソフトバンクカスタマーサポート | 0800-919-0157 |
ちなみにauはKDDIのサービス『0077』、Y!mobileはナビダイヤルの『0570』の電話番号もありました。
そしてもちろん、0120フリーダイヤルの番号もありましたよ。
さいごに
0800から始まる電話番号は、0120から始まる電話番号と同じく、フリーダイヤル(フリーコール)の番号であることがわかりました。
0800番号からの着信があり、心当たりがない場合は電話に出ないかもしれません。
でもあとで検索などをして、発信元を調べるのも手ですね。
たとえば、着信のあった番号が『ドコモ料金センター』であった場合、携帯電話料金のことについて何かお知らせがあったのかもしれません。
無視したり、着信拒否をしたりするのは得策ではありませんよね。
携帯電話料金を滞納してしまうと、家の審査やクレジットカードの審査にも影響してくる可能性があるため、その場合は早めに状況を確認しましょう。
おまけ:通話料金を節約したい方へ
ノマド的節約術では、電話料金節約について紹介しているページもあります。
ぜひ読んでみてくださいね。
また、電話番号の意味についてもそれぞれの番号ごとに紹介していますよ。