京都市生まれ・京都市育ち・京都市在住のライターなつみとです。
京都市は世界的な観光都市で、1年中観光客が訪れます。
ただ、観光客の方を見ていると「そのきっぷはこのバスでは使えないんだけど……」「あのきっぷを買えばいいのに……!」とアドバイスしたくなることも。
でも見ず知らずの人に声をかけるのも勇気がいることなので、何も言えないことの方が多く、そのことにもどかしさを感じています。
そこでこのページでは、京都市民であるわたしが観光客の方に教えたい、京都観光で買っておくべきお得なきっぷを紹介することにします!
便利さ重視なら交通系ICカードでOK
京都市内で利用できる公共交通機関は、すべて交通系ICカードに対応しています。
もちろん以下の交通系ICカード、すべて対応していますよ。
- ICOCA
- PiTaPa
- Kitaca
- PASMO
- Suica
- manaca
- TOICA
- はやかけん
- nimoca
- SUGOCA
交通系ICカードは使えば使うほどお金がかかってしまいますが、きっぷを買ったり1日乗車券の対象エリアを確認したりする手間もないのでかなり便利です。
とは言え、1日観光するだけでも場合によっては数千円の交通費がかかってしまいます。
せっかく京都に来たなら、交通費にお金を使うよりも、神社やお寺の拝観料やおみやげにお金を使うほうがいいですよね。
以下からは、京都観光にかかる交通費を抑える方法を紹介していきますよ~!
安さ重視なら1日乗車券や観光用1日乗車券がおすすめ
交通費を節約して京都観光をしたい方におすすめなのが、「市バス・京都バス一日乗車券カード」と、「市営地下鉄1dayフリーチケット」です。
また、少し料金は上がるものの「京都観光一日(二日)乗車券」というものもあります。
順に紹介しますね。
市バス・京都バス一日券は600円で乗り放題!
【料金】
大人:600円
小人:300円
これ1枚で、京都市内を走るバス、ほとんどに乗れちゃいます!
京都市内を走るバスのほとんどは、市バス・京都バスのいずれかです。
これが京都市バスです。緑色をしています。
これが京都バス。茶色っぽい色をしています。
ただし、企業広告がプリントされたラッピングバスもあるので、車体の色だけで判断せず行き先や系統番号をよく見てくださいね。
バスだけでもほとんどの観光地に行けるので、格安で京都観光をしたいなら買わない手はありません。
ただし、デメリットもあります。
まず、対象エリアが限られているということ。嵐山より西や鞍馬方面、大原方面に行く際には追加料金が必要です。
追加料金はバス内前方の案内板に表示されるのでよく見ておいてくださいね。
ちなみに、京都市内のバスは後払い方式で、おつりは出ないので事前に両替しておきましょう。
もう1つのデメリットが、交通渋滞です。
四条通周辺・岡崎周辺・嵐山周辺はかなり混み合います。秋の観光シーズンだと「歩いた方が早かった」というぐらい……。
上記のエリアに行く場合はタクシーも使い物にならないので、地下鉄での移動をおすすめしますよ。
市営地下鉄1日券は600円で地下鉄に乗り放題!
料金
大人:600円
小人:300円
京都市内には「烏丸線」「東西線」の2本の市営地下鉄が走っています。
地下鉄なら渋滞の心配もありませんし、「地下鉄で近くまで行ってからバスやタクシーで移動」という方法もおすすめです。
通勤ラッシュはありますが、東京に比べればかなりマシです。
これは東西線のホーム。
1つ注意しておきたいのは、有効区間です。
烏丸線の竹田方面は、途中から近鉄線に変わるものもあります。
東西線の六地蔵方面は、途中から京阪線に変わるものもあります。
近鉄線や京阪線まで利用した場合は追加料金がかかるので確認しておきましょう。
「地下鉄・バス一日(二日)券」ならほぼ追加料金なしで観光できる
画像はスクリーンショットです。
京都観光一日(二日)乗車券-京都市交通局
料金(一日乗車券)
大人:900円
小人:450円
料金(二日乗車券)
大人:1,700円
小人:850円
市バス・京都バス・市営地下鉄、さらには京阪バスまですべて乗り放題になるのが「地下鉄・バス一日(二日)券」です。
通常の「市バス・京都バス一日券」よりも対象エリアが広いのが特徴。ただし、鞍馬方面はエリア外です。
京都市内のメジャーな観光地だけでなく少しマニアックなところ(郊外)もまわりたいならこちらの方がオススメですよ。
また、優待特典付きのガイドマップもついてきて、お寺の拝観料などがほんの少しだけお得になります。
特定のエリアを攻めるときに使いたいお得なきっぷ
ここからは、京都市内でも、特定のエリアを重点的にまわりたい方のための、オススメきっぷを紹介していきますね。
嵐山エリア
【おもな観光地】
- 嵐山モンキーパークいわたやま
- 天龍寺
- 常寂光寺
- ジオラマ京都JAPAN
- 車折神社
- 東映太秦映画村
【嵐山エリアでおすすめのきっぷ】
- 嵐電1日フリーきっぷ(大人500円/こども250円)……京福電鉄の嵐電が1日乗り放題
- 嵐電・嵯峨野フリーきっぷ(大人700円/こども350円)……嵐電と市営地下鉄が1日乗り放題
ただし、行き先によってはすべて徒歩圏になる可能性もあるので、地図を見ながらお得なきっぷを購入するかどうか決めるようにしましょうね。
岡崎エリア
【おもな観光地】
- 京都市動物園
- 京都市美術館
- 京都国立近代美術館
- 琵琶湖疎水記念館
- 平安神宮
- 南禅寺
- 禅林寺(永観堂)
- 哲学の道
- 法然院
- 銀閣寺(慈照寺)
【岡崎エリアでおすすめのきっぷ】
- 市営地下鉄1dayフリーチケット
- 市バス・京都バス一日乗車券
岡崎エリアでも、上記一覧のうち「哲学の道」以下は少し離れた場所にあります。
京都市動物園~永観堂のエリアは徒歩圏内にある上、バスでは渋滞します。
地下鉄で「東山」もしくは「蹴上」まで行って、あとは歩いてまわるのがおすすめです。
哲学の道、法然院、銀閣寺などに行く場合は、電車がないのでバスで行くことになりますよ。
こちらは京都市動物園などのエリアと比べると渋滞はほぼありません。
祇園・東山エリア
【おもな観光地】
- 知恩院
- 八坂神社
- 円山公園
- よしもと祇園花月
- 青蓮院
- 建仁寺
- えびす神社
- 六波羅蜜時
- 清水寺
- 地主神社
【祇園・東山エリアでおすすめのきっぷ】
観光客が多いわりに道路が狭く、とても混雑するエリアです……。
バスやタクシーで移動する場合は渋滞を覚悟してください。
地下鉄の場合は「東山」で降りるのが一番。そこから南へ下っていけば、知恩院・八坂神社などを経て清水寺まで行けます。
普通に歩いて30分程度、ゆっくり観光しながらだと1時間半程度の道のりになるはずですよ。
また、八坂神社や知恩院なら京阪の「祇園四条」、清水寺方面なら「清水五条」で降りるという方法もあります。
ただし、京阪にはそこまでお得度の高いきっぷがないので、交通系ICカードで支払うのがおすすめ。
烏丸御池・四条河原町
【おもな観光地】
- 京都御所
- 本能寺
- 京都国際マンガミュージアム
- 京都文化博物館
- 六角堂
- 誓願寺
【烏丸御池・四条河原町でおすすめのきっぷ】
- 市営地下鉄1dayフリーチケット
- 市バス・京都バス一日乗車券カード
京都市の繁華街エリアです。
そのため人も車も多いですが、バスでもそこまで渋滞はしません。バスの本数も多いですしね。
京都市役所前駅から四条(阪急烏丸)駅まででも徒歩20分程度ですので、基本的には歩いてまわるのがおすすめですよ。
四条河原町(阪急河原町)から四条烏丸(阪急烏丸)までを結ぶ四条通だけは交通渋滞が激しいので、タクシーで迂回するか、徒歩を選んだ方が無難です。
北野天満宮・二条城エリア
【おもな観光地】
- 北野天満宮
- 二条城
- 平野神社
- 千本釈迦堂(大報恩寺)
- 針抜地蔵(石像時)
- 西陣織会館
- 晴明神社
- 法輪寺
【北野天満宮・二条城エリアでおすすめのきっぷ】
- 市営地下鉄1dayフリーチケット
- 市バス・京都バス一日乗車券カード
- 嵐電1日フリーきっぷ
ざっくりとくくってしまいましたが、北野天満宮と二条城は少し離れた場所にあります。
まず北野天満宮。こちらは市バスがおすすめです。
嵐山方面から来る場合は嵐電のフリーきっぷが便利です。
二条城周辺に行く場合は、市営地下鉄に「二条城前」という駅があるのでそこで降りるのが一番便利ですよ。
洛北・北区エリア
【おもな観光地】
- 下賀茂神社(賀茂御祖神社)
- 大徳寺
- 今宮神社
- 上賀茂神社(賀茂別雷神社)
- 金閣寺(鹿苑寺)
- 光悦寺
- 源光庵
- 常照寺
【洛北・北区エリアでおすすめのきっぷ】
京都市の中では比較的郊外で、住宅の多いエリアです。交通渋滞はほとんどありません。
市バスが一番便利で、地下鉄だと少し不便な場所ですね。
金閣寺のような人気スポットだとバスの本数は多いですが、少しマニアックなところに行こうとするとバスの本数も少なめなので、事前に時刻表をチェックしておきましょう。
また、市バスの場合はポケロケという市バスの接近情報がわかるサービスがあるのでぜひ利用しましょう。
京都市のバス時刻表は都市伝説という噂もあるほど(笑)、時間通りにきません……。
ポケロケを使えば、バスが遅れていても近くのコンビニなどで時間がつぶせます!
洛北・左京区エリア
洛北・左京区エリアは、比較的市街地にあるエリアと、【鞍馬・貴船エリア】【大原エリア】に分かれています。
【左京区市街地エリアのおもな観光地】
- 狸山不動院
- 金福寺
- 詩仙堂
- 圓光寺
- 恵文社
- 曼殊院
- 鷺森神社
- 赤山禅院
- 修学院離宮
- 松ヶ崎大黒点
- 蓮華寺
- 三宅八幡
【左京区市街地でおすすめのきっぷ】
上記観光地に行く場合、ほとんどが市バスの「5系統」もしくは「北8系統」で行けます。停留所からは少し歩きますが……。
5系統は本数も多いのでおすすめです。
叡山電車(叡電)も走っていますが、左京区市街地エリアに行くだけなら叡電の1日乗車券よりも、通常のきっぷもしくは交通系ICカードを使う方が安いです。
蛇足ですが、観光地のわりにお店はかなり少ないので、コンビニを見つけたら飲み物を買っておく・トイレに行っておく、というのがおすすめです。
【鞍馬・貴船エリアのおもな観光地】
- 鞍馬寺
- くらま温泉
- 貴船神社
- 由岐神社
【鞍馬・貴船エリアでおすすめのきっぷ】
- 叡電1日乗車券『えぇきっぷ』(大人1,000円/こども500円)……1日乗り放題
- 鞍馬・貴船散策チケット(大人1,800円)……出町柳からの往復+愛山費・入浴券
左京区市街地エリアも含め観光するなら、叡電1日乗車券が便利でお得です。
鞍馬・貴船へは京都バスでも行けますが、「市バス・京都バス一日乗車券カード」ではエリア対象外となるため追加料金が必要となります。
鞍馬寺やくらま温泉に行く場合は、愛山費(300円)や露天風呂入浴料(1,000円)が含まれる鞍馬・貴船散策チケットがおすすめですよ。
【大原エリアのおもな観光地】
- 三千院
- 寂光院
【大原エリアでおすすめのきっぷ】
大原エリアに行くだけなら、特別なきっぷを買わなくてもいいと思います。
市バス・京都バス一日乗車券カードの対象エリア外なので追加料金が必要になります。
同じ日に市内観光もするなら、市バス・京都バス一日乗車券カードを持っておくといいでしょう。
また、大原からは少し離れた「八瀬」というエリアにも行く場合は、「大原・八瀬1dayチケット」があると便利かもしれません。
大人1,500円もするのでそこまでお得ではありませんが、出町柳駅から大原までの区間が乗り放題になるので、左京区の市街地エリアも行きたいという人にはおすすめです。
逆に言えば、そうでない人には割高なのでおすすめしません。
まとめ:基本的にはバスと地下鉄だけで観光できる
京都市内にはたくさんのバスや電車が走っていますが、ほとんどの観光地は市バス・京都バス・市営地下鉄だけで行けます。
注意したいのは、人気観光エリアでの交通渋滞。
乗り換え案内アプリで表示される所要時間は、あてにならないことが多いので注意してくださいね……!
地下鉄で行けるところならなるべく地下鉄を使うのがおすすめですよ。
市営地下鉄1dayフリーチケットと市バス・京都バス一日乗車券カードを両方買っても合計1,100円ですし、交通費を抑えて観光したい人は必ず持っておきましょう!