多機能ToDo・GTDアプリ「OmniFocus3」の使い方をMac版を例に解説

仕事や趣味に時間を忘れて没頭し、時計を見てハッとしたことはありませんか?

大人になると子供の世話やアポイント、締め切りなど、忘れたらシャレにならないことが多々あります。

私は集中すると周りが全く見えなくなるタイプなので、子供ができてから育児とそれ以外の作業を両立することに苦手意識を持っていました。

どんなにがんばっても子供の送り迎えや食事を忘れ、家事も滞り家族も大困惑。

そんな状態を脱するために、いろいろな方法を模索していました。

そこで出合ったのがタスク管理アプリOmniFocus3で行うGTDという方法です。

まだ試行錯誤中ではありますが、今回は「ノマド的節約術」でGTDの考え方とMac版OmniFocus3の使い方を紹介していきますね。

多機能ToDo・GTDアプリ「OmniFocus3」の使い方

タスクが重なり頭がパンクしそうなときに活用できるGTD

例えば、3つの家族で旅行に行こうと計画をしたとしましょう。

▼その旅行の企画段階のタスクだけでざっとこれくらいになります。

OmniFocus3上のプロジェクト画面

日常生活や仕事に並行してこのタスクが加わり、確実に頭がパンクしますよね。

私なら常に「何か忘れてる気がする」という焦燥感にかられて、全て投げ出したくなりそうです。

でもそんなシチュエーションにこそ、OmniFocus3を使ったGTDが役に立つんです。

GTDとは?

GTDとは、2002年にデビッド・アレン(David Allen)氏が提唱した「紙やメモを用いたタスク管理方法」です。

この図のように「情報収集」→「処理」→「整理」→「見直し」→「実行」の手順を踏むことで効率よく行動でき、安心して目の前のことに集中できます。

GTDのワークフロー

デジタル端末でタスク管理を行いたいなら、OmniFocus3というアプリがおすすめです。

このOmniFocus3は複数端末で同期できますし、秘書のように「次はこれをやるといいよ」とリマインドしてくれます。

「ひとつひとつ書き出す(打ち込む)のが面倒くさい」と思いがちですが、GTDは大手企業、政府機関、教育機関などにも広く評価されている方法です。

それに、一度やってみるとその快適さにハマるかもしれません。

書籍で読みたい方は、こちらの本がおすすめですよ。

参考:はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

OmniFocus3とは?

OmniFocus3は「情報収集」→「処理」→「整理」→「見直し」→「実行」の手順を書き出し、適切なタイミングでリマインドしてくれるアプリです。

プロジェクト内のタスクと同時進行する「並列進行」、順番にこなしていく「直列進行」、つながりのない「単独進行」。

これらを3種類に分けて整理できるので、目の前のことに集中しやすくなります。

推定所要時間や、開始日と期限の設定ができるのも助かりますね。

以前製作したToDoリストを繰り返し使うこともできるので、使うほどタスク入力がラクになっていきます。

▼ダウンロードするとこのような画面が出て、2週間体験版が使用できますよ。

OmniFocusの購入画面

タスク管理アプリにしては高価かもしれませんが、お試しができるので、気軽に使えますね。

ちなみに、正規価格はスタンダード版が4,800円、プロ版は9,800円です。
アップグレード版は2,400円と4,800円。

一度買えば、次のバージョンが出たときにアップグレード価格が半額になることがあるので見逃さないようにしましょう。

OmniFocus3の使い方

「書いて完了したら消す」をひたすら繰り返すToDoアプリは他にもたくさんあります。

ですがどれも書いただけで満足してしまい、結局タスクが消化できないのが悩みでした。

OmniFocus3ならタスクを設定してから定期的に見直すタイミング、行動を開始するタイミングまでリマインドしてくれます。

Evernoteのファイルを共有したり、PDFファイルなども添付できます。

作業が一手間省けて便利ですよ。

1. 収集

まずOmniFocus3を開いたら、左から3つ目のクイックエントリボタンを押します。

そして頭の中にある「やること/やらなくてはいけないこと」「気になっているもの/こと」を全て書き出しましょう。

例えば、返信しないといけないメールや些細なメモ、やりかけの作業などプロジェクトの大小関わらず、全てインボックスに書き出していきます。

この時点では、期限や所要時間まで考えず空欄のままどんどん書き出していきましょう。

OmniFocus3のインボックス画面

2. 処理

タスクとして収集したものを、どう行動に起こすべきか具体的に分別していきます。

まず「次にとる行動は?」を、「それは1つ?」「2分以内でできる?」「自分でやるべき?」「特定の日時にやる?」と明確にしていきましょう。

2分以内にできることはすぐに消化し、それ以上かかるようならアクションリストに加えるか「人に依頼する」と決めます。

行動が必要でないタスクは資料としてまとめておくか、ゴミ箱に捨てましょう。

ここで重要なポイントは、今やる必要のないタスクを決めることです。

私たちはつい時間と体力の限界まで「タスクをこなさなければ」と抱え込んでしまいがちです。

でもその全てをやろうとすると本当にやりたいことが後回しになってしまったり、今進めている作業に集中できなくなってしまいます。

なので「今はやらないけど、時期が来たらやろう」「人に任せよう」「これはやらなくてもいいかもしれない」と、勇気を持って後回しにしたり切り捨てたり人に頼ることが必要なのです。

例えばこの写真の「報告メールを受け取る」というタスク。

自分のタイミングで動けないものは「連絡待ち」のタグやプロジェクトに入れて期限を決めておくと、安心して忘れておくことができますよ。

連絡待ちのタブが表示されているインボックスの画面

3. 整理

タスクを分けたら、「PCでの作業」「電話」「外出」などのタグをつくり、状況、場所別に整理していきます。

OmniFocus3から複数タグを指定できるようになりました。

串刺し検索ができるようになってタグが見つけやすくなっています。

タグが表示されたインボックスの画面

また、あらかじめタグページからタグをつくっておくこともできます。

iPhone版やiPad版のOmniFocus3では、タグに位置情報をつけて「近所」という切り口(パースペクティブ)からリマインドしてもらうことも可能です。

「この場所を通りかかるなら、このタスクができるよ!」と思い出させてくれるので、より効率的に動けるというわけです。

ひとつの行動に対し、いくつものタスクが詰まっているなら「プロジェクト」ファイルをつくって格納しましょう。

先ほども書きましたがプロジェクトには、以下の3種類に設定することができます。

  • 順不同にタスクをこなせる「並列進行」
  • アクションを積み重ねてプロジェクトを完遂させる「順列進行」
  • ひとつひとつ別のタスクを行う「単独進行」

特に「順列進行」は最初のアクション以外を非表示にできるため、集中力が損なわれません。

なお、プロジェクト枠はゼロから自由につくれますが、OmniFocus3でGTDを忠実に行いたいならこんな感じに分けるとよいでしょう。

  • NextAction(次にとる行動)
  • Project(プロジェクトリスト)
  • Calender(カレンダーに入れるリスト)
  • Someday(いつかやる/多分やる)
  • Reference(資料)
  • WaitFor(連絡待ちリスト)

プロジェクトは他にも「買物リスト」「仕事内容別リスト」「誕生パーティー」など、リストを増やしてもいいですね。

タスクの分類作業で「いつかやる/多分やる」リストのタスクが膨大な量になってもかまいません。

何よりも「一度に取り掛かることのできるタスクの量はどれくらいなのか」を把握して、プロジェクトリストをつくることが大切です。

▼私はだいぶ変則的ですが、今はこんな感じで使っています。
順列進行のプロジェクトは、フォルダにまとめて管理していますよ。

OmniFocus3のプロジェクト管理画面

OmniFocus3は、タスクを実行しやすいよう細やかな設定ができるのも助かりますね。

例えば「推定所要時間」の設定は、タスクを実際のスケジュールに組み込むときや俯瞰する際に役立ちます。

「次まで延期」を設定しておくと、指定の日時(開始日)が来るまでタスクを灰色で目立たないようにしておけるので邪魔になりません。

他にも「期限」を設定すると、任意のタイミングから「期限が近いタスク」として色を変えて表示してくれます。

さらに、「繰り返し間隔」の設定をしておけば同じタスクを毎回書く手間が省けますよ。

リマインダー(通知設定)はタスクにとりかかるタイミングや期限を設定できるので、「待ち合わせのための移動開始時間」や「会議のための準備開始時間」なども設定できます。

アラーム音も優しい音なので「ビクッ!」とすることがありません。

また、OmniFocus3はドラッグ&ドロップでメモ欄にファイルを添付したりEvernoteのファイルをを共有することもできますよ。

Evernoteは「共有用のリンクをコピー」を選んでタスクのメモ欄に貼ることも可能です。

「共有用のリンクをコピー」からEvernoteを貼りつけている画面

実際に、画面右下にあるメモ欄にファイルを貼ってみるとこんな感じになりました。

iPhoneアプリ版では「メモ」タブにスライドするだけでファイルにアクセスできます。

他にもPDFや連絡先も入れておけるので、ちょっとした仕事ならアプリ内で完結できてしまいますよ。

OmniFocus3のiPhoneアプリ版のプロジェクト画面

4. 見直し(レビュー)

タスクを収集して分別する作業を、常に最新に保つのが「定期レビュー」という機能です。

プロジェクトによって週に1〜2回定期的に見直し、優先順位を考え直します。

アナログでは時間がかかるこの作業も、デジタル上で行うことで俯瞰でき、よりスピーディーにできます。

OmniFocus3の定期レビュー画面

5. 実行

優先順位と状況に合わせて、適切なタイミングでタスクを実行していきます。

「今何をするのが一番効率的か」「今使える時間をフル活用するには」「今残っている体力に合わせるとどのタスクが適切か」など、「次にとる行動」リストから選んで実行しましょう。

このとき、できるだけ小さくタスクを分解しておくとより行動しやすくなりますよ。

最後にひとつ、OmniFocus3にはカレンダーの内容とタスクを同期させて表示する「予測」機能があります。

家族や予定が多いと、これがなかなかうれしい機能だったりするんです。

「今週は金曜日にタスクが15個重なってるけど、他の日に分散できないかな?」「郵便局の近くに行くのは木曜日だから、同じ日にこのタスクを動かしてもいいかも」

そんな風に調節していくことができます。
予定を見える化できると、より安心して行動できますよね。

OmniFocus3の予測画面

OmniFocusのデメリット

これまでOmniFocus3のさまざまな機能をおすすめしておきながら、実は残念な点もあります。

私がまだ使いこなせていないせいかもしれませんが、「今やる」というタスクと同時に「今できること」も表示されるため、優先順位が立てづらいのです。

そのため、こんな解決策を立てました。

  • 優先させるタスクにはフラグをつけて目立たせる
  • 新たに「今日中」のタグをつくる
  • 「15分」「30分」など時間のパースペクティブを設定する

他によい方法があったら採用したいですが、いずれにしてもタスク管理アプリは頻繁にリストを更新してこそ活用できるものです。

OmniFocus3はGTDに忠実で細かく行動を管理ができる多機能アプリですが、理系の人向けな気がします。

私は文系(しかもだいぶ抜けてるタイプ)のため、この細かさが重なると「管理のための管理」のようで「面倒くさい」と思えてしまうことも多いです。

ある程度のゆるさを持って続けられたらいいのですが、どうもうまい方法が見つからず「何度も挫折してはまた使う」を繰り返しています。

あと、時々感じることなのですが、OmniFocus3は複数端末の同期が遅いことがありますね。

独自のシステムを使っているため仕方がないのかもしれませんが、iPhoneで入力した内容がMacと同期されていないと困るのではないでしょうか。

そこまで頻繁ではないものの、安心して使うためにも改善してくれたらなあと思います。

さいごに:OmniFocus3を使ってみてのまとめ

タスク管理アプリは数あれど、ここまでGTDに沿った設定ができるのは、OmniFocus3だけだと思います。

ですがそれは諸刃の剣でもあって、面倒くさくなって離れてしまう人が多いのも事実です。

私はまだ使いこなせていないのが現状ですが、何も使っていなかった頃に比べるとだいぶマシになった気がします。

余計なものに気を取られない状態をつくることによって、目の前のことに集中できる。

育児や仕事に追われていても、「気がかりなこと」や「予定」を手帳やアプリに書き留めて一旦忘れておけたら、空いた隙間で新しいことができるんじゃないかと思います。

それでは、次回はOmniFocus3とはまた少し違うベクトルの「Things3」というタスク管理アプリを詳しく紹介しますね。

こちらも愛用者の多いいい魅力的なアプリです。

どちらも2週間体験版が使えるので、ぜひどちらのアプリが自分に合うか試してみてください。

ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

ライター、料理講師。 アレルギー持ちの8歳と1歳の母。 フリーランスとして20年以上、節約を意識しながら暮らしを楽しんでいます。 普段はベジタリアン料理と普通食、離乳食や制限食など、両立した料理の展開メニュー開発など多数提案。 インタビュー記事、料理レシピやレストラン紹介、コラム執筆、人物や料理撮影も担当しています。