北海道で車は必要?車持ちVS車なし、どちらがお得なのか検証してわかったこととは

こんにちは。「灯台もと暮らし」編集部の立花です。

地方で暮らす上で、移動手段は重要です。

中でも車の運転免許証は必須アイテムだと思い、わたしも北海道下川町へ移住する直前に取りました。

が、肝心の車を持っていません。

そのため、どこかへ移動するときはバスや自転車を使うか徒歩、もしくは友人の車に乗せてもらうという移動手段で数ヶ月間、生活してきました。

運転

いろいろな方の助けがあり、幸いにも現時点では特に不便を感じていないのですが、やっぱり周りに甘えてばかりなのは申し訳ないなと思っています。

そして、「車があったら道内を自由にぐるぐる回りたいなあ」とも思います。

でも、車を買ったら維持費・管理費でも結構な出費になるはず。

車があるのとないの、どっちが便利なの!?お得なの!?と思ったので、計算してみました。

車があるのとないの、どちらがお得?

車を持つ若者が減っている、などという記事も出回っていますが、そもそも実際丸々一台を買って使うとなると、どれくらいお金がかかるものなんでしょう?

どんな車を買う?

まず、購入する車をどれにするかが重要です。

大きいのか小さいのか外車なのか国産車なのか新車なのか中古車なのか・・・などなど様々な条件で価格が変わります。

わたしの場合は免許取り立てということもあり、いつ、どこをぶつけたり壊したりするか分からないので中古車から選ぼうと思います。

そして、いつでもどこでも大体荷物が多く、かつ自然溢れる下川でのアウトドアを楽しみたいので、なるべくアウトドア用品を積みこめるくらいのスペースがある車種がいいんですよね。

と、今すぐに車を買う予定はないけれど、買うことを想定して考えていると楽しくなってきました。

現在、わたしが所属している部署の公用車はスズキのスイフト。運転し慣れており、一番イメージしやすいのでスイフトを購入したと仮定して考えてみます。

車のグレードは?

わたしが住む北海道下川町は、雪も降るしマイナス30度になるしで決して生易しい環境ではありません。

しかも初心者マークで運転慣れしていないため「車は2駆より運転しやすい4駆の方がいいよ」といろいろな方からアドバイスを受けました。

スイフトと一言に言っても、いろいろな型があるので、まずは譲れない条件を洗い出してみました。

  • 4駆であること
  • なるべく安い!
  • 荷台が広め
  • ナビがついている

わたしは方向音痴な上に北海道は地縁がないため、カーナビは必須。

条件を網羅する車を探してみたところ、総支払額90万円(税込)のスイフト(1.2 XG 4WD)が見つかりました。

今回はこれを購入するという想定で、試算をしたいと思います。

駐車場はある?

北海道なので、場所は広大。道路も雪が積もること前提で作られているため、とても広いです。

車を止めても駐車場代がかからない賃貸住宅もあります。

少なくとも、わたしが暮らしている場所は駐車場代がかかりません。

というわけで、駐車場代を理由に車を買うのを諦める、ということはなさそうです。

ガソリン代は?

2017年11月現在、北海道のレギュラーガソリンは大体1リットル130円です。

スイフトの容量は37リットルになるため、満タンに入れると4,810円かかります。そして、1リットルで23キロ燃焼する性能です。

例えば、わたしが暮らす下川町から旭川空港まで約100キロですので、ガソリンを5リットルほど使用します。

ガソリン満タンの状態で、だいたい700キロほど走ることができるという計算です。700キロは、下川と旭川空港を3往復くらいできる距離ということになります。

逆に言えば、700キロも走らなければ1ヶ月の出費は4,366円以下になるんですね。

保険は?

自動車保険は、法律で加入が義務付けられた強制保険任意保険の2種があります。

強制保険は「自賠責保険」、任意保険は民間企業が作っている保険のことを指します。

少し調べただけでも膨大な情報量が出てきてしまって目が回りそうになりましたが、なんとかひとつずつ見ていきたいと思います。

自賠責保険とは

自動車損害賠償責任保険の略称が「自賠責保険」と言います。

これは人ではなく車に対してかけられる保険で、運転中に誰かと事故にあい、ケガをさせたり死亡させたりした場合の対人賠償事故を補償するものです。

そのため、所有者が保険料を支払う必要があります。

中古車の場合は所有権を取得(車検に出す)することで、次の持ち主が被保険者になります。

自賠責保険に関しては一律で価格が決まっており、車検のたびに加入し直す必要があるんですね。

わたしが買うと想定した90万円のスイフトは、車検が残っていないタイプのものでしたので自家用乗用車の普通車分:25,830円を一年に一度、支払う必要があります。

任意保険とは

次に、任意保険ですが、こちらは任意ですので入っても入らなくてもどちらでもいい保険です。

ですが、自賠責でまかないきれない部分を補填できるため、車に乗っている人の多くは加入しているそう。

ただ、あまりにもたくさんの保険会社がサービスや割引、キャンペーンなどが多いため三者三様で価格がかなり変わってきてしまいます・・・。

さすがに全パターンを網羅するわけにもいかないので、必要最低限の任意保険を調べてみることにしました。

まずは、以前このブログで紹介されていた、「保険スクエアbang! 自動車保険」を使って試しにどれくらいの価格になるのか試算したいと思います。

運転手であるわたしは26歳。そして走行距離が年間4,000〜7,000キロという想定で、検索してみます。

  • 年払保険料:66,680円
  • 月払保険料:初回(月払保険料×3ヶ月分):18,000円、2回目~10回目(月払保険料):6,000円、払込保険料総額(月払保険料×12ヶ月分):72,000円
  • 対人賠償:無制限
  • 対物賠償:無制限
  • 人身傷害:3,000万円
  • 搭乗者傷害:1,000万円

4つの会社で見積もり結果が出ましたが、こちらの三井ダイレクト損保の自動車保険が一番安かったです。

一度に年払保険料66,680円を払っても良いのですが、決して安い出費ではありません。

そういった点において、三井ダイレクト損保は月払で分割できるのがありがたいポイントでした。

ただし保険料を10~12回に分割して払込むと、年間合計の保険料は年払の保険料に対して、8%増になるため72,000円と約5,000円高くなります。

一度に払うか分割払いにするかは、保険料を申し込む際のお財布の状況によりますが、なるべく支出を抑えたいので「頑張って66,680円を一括で支払う」と想定したいと思います。

ちなみに、月々の支払いの見積もりで一番高かったのはネット専用自動車保険チューリッヒの92,550円でした。

税金は?

車を持つと付いてくる税金も、かなりいろいろあります。

車を購入した時の税金は、こちらの4つです。

  • 自動車取得税
  • 自動車重量税
  • 自動車税
  • 消費税

所有している間にかかるのは自動車税のみで、2年に一度の車検の際は自動車重量税がかかります。

・・・ここでもやっぱり頭がこんがらがりそうなので、ひとつずつ見ていくことにします。

自動車取得税

自動車取得税とは、自動車の取得に対して課税されるものです。

この税金は、自家用自動車の取得額の3%が額面になります。

そのためわたしが見つけた中古のスイフトは90万円ですから、その3%=27,000円が自動車取得税ということになります。

自動車重量税

スイフトの1.2 XG 4WDという車種では、自動車重量税は16,400円かかります。

自動車重量税は、車を購入する際と、2年に一度の車検の際に支払う必要がある税金です。

自動車税

スイフトは自家用総排気量が1リットル超1.5リットル以下ですが、その場合、自動車税は1年で34,500円になります(2017年11月現在。北海道の場合)。

ただし、エコカー減税の対象車でもあるため、約25,500が減税され、納付額は約9,000円に抑えることができるのです。

車種によってはこれだけ減税できるのですから、車を選ぶ時点で、購入後に継続して払っていく金額も大きく変わっていくのですね。

車検は?

今回、いろいろな方に「車を持っていて大変な支出って何ですか?」と聞いたときに、多くの人が答えたのが「車検」。

新車の場合は、3年乗ってから初の車検を受けますが中古車の場合は2年ごとに受ける必要があります。

そして車によっては、車検が済んでいる車とまだ次の車検まで期限が残っている車と2種類あるんですね。

どちらなのかは購入の際、フロントガラスについているシールを確認してみてください。

今回の試算の対象になっているスイフトは、平成29年7月で車検の期限が切れてしまうため、2019年6月中に車検を受ける必要があります。

なんでもそうですが、車も乗れば乗るほど、徐々に修理する場所が増えていきます。

その上、車検の見積もりを取ってもらうと、修理する必要がある箇所・ない箇所の判断が会社によってまちまちで、料金も大きく変わってくるのです。

中古車を購入したことのある方に話を伺うと、そうした修理だけでも中古車の場合だとだいたい10万円くらい毎回かかるそう。

これにプラスして、自動車重量税が加算されるため、だいたい12万円くらい支払う必要があると思われます。

その他の経費は?

車を持つと、車内の必要経費にもお金がかかります。

タイヤ交換にオイル交換、あと車内で音楽を聞きたいとなると、そのための設置カバーを購入する必要も出てきます。

自分好みにカスタマイズすればするほど、年間2万くらいかかるのではないでしょうか。

車を持たない場合は?

さて、それでは車を持たない場合の1年の出費を考えてみたいと思います。

わたしが暮らす北海道下川町には電車が通っていません。

そのため、遠出をするならば隣町の名寄市までバスで出る必要があります。

北海道下川町

バスは片道470円(路線によっては460円)。往復で920〜940円かかります。

今のところ、買い物は町内やウェブ上ですることが多く、名寄まで行く用事は滅多にありません。

行くことがあったとしても、名寄へ行く友人が「乗っていく?」と声をかけてくれることがあり、その時に車に同乗させてもらうのがほとんどなのです(本当にありがたいことなのですが、あんまりそういったことが続くと罪悪感すら覚えます・・・)。

名寄からさらに遠方、例えば旭川や札幌へ行くとなると、電車を使う必要があります。

旭川までは鈍行で1,640円、札幌までは6,120円かかります。

ただし、電車ではなくバスならば、こんな感じの運賃になります。

  • 名寄→旭川:1,300円
  • 名寄→札幌:3,030円(往復なら5,750円)

バスの方が乗り換えなしで行けるため接続時間を考える必要がなく、しかもお安い!

札幌や旭川には、出張などで飛び回ることはあっても実費を払ってプライベートで札幌や旭川に行くことは、今のところほぼ皆無です。

ですが、一応遠出をする可能性もありますので、月に1度札幌へ行くと考えて年間の交通費の試算をしたいと思います。

名寄号

車を持っている場合と持たない場合の1年間の出費を試算してみた結果

あらかたの試算ができそうなので、車を持っている場合と持っていない場合の1年間の出費を計算してみたいと思います。

自動車を購入した年と、何年か使っている年とで初期費用の有無によって出費が変わってくるため、今回は継続的に乗っている場合の1年の出費を考えたいと思います。

車を持っている場合にかかる1年の費用は、こちら!

  • 25,830円(強制保険)
  • 66,680円(任意保険)
  • 52,392円(ガソリン代)
  • 9,000円(自動車税)
  • 20,000円(その他経費)

    合計で173,920円です。月々の出費は約14,500円くらいということになります。

    車検がある年は、もっと1年の出費+10万円くらい出ていくと考えた方が良いでしょう。

    次に、車を持たない場合の1年の費用はこちら。

    • 45,120円(下川町→名寄駅の往復バス代。1ヶ月に4回利用すると考える場合)
    • 69,000円(名寄→札幌の往復バス代、1ヶ月に1回利用すると考える場合)

      合計で、114,120円になりました。月々の出費として計算すると、9,510円です。

      今回の試算では、車を持たないほうが支出は抑えられる、という結果になりました。

      ライフスタイルに合わせて大きく変動する車のお金

      今回、試算してみて分かったのは、車を持つことによる出費はかなり属人的だということです。

      税金など固定で決まっている金額はあれど、任意保険の内容は毎年いくらでもお得なプランが出てきますし、ライフスタイルや年齢に応じて価格もかなり変動します。

      どんな車を買うかで維持費やガソリン代も変わりますし、減税の対象になるかならないかでもお得度合いが全く違うのです。

      正直、あまりにもいろいろなパターンがありすぎて、車を買うかどうか分からないわたしですら、かなり悩んでしまいました。

      結果的に車を持たない方が年間支出が抑えられることは改めて確認できましたが、車の便利さは言わずもがなです。

      まずはこの一年、車なしで過ごしてみて、どれくらい生活に影響があるのかを、わたし自身も考えてみたいと思います。

      ノマド的節約術の裏話

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      この記事を書いた人

      1991年生まれ、静岡県出身の編集者。これからの暮らしを考えるメディア「灯台もと暮らし」の執筆、編集を担当。いつか書道教室をひらくのが夢。