モロッコの宿「リヤド」に実際に宿泊した感想、費用とオススメな点【伊佐知美の世界一周とお金の話#8】

突然ですが、友だちが「今度の休暇はモロッコに行ってくるね」と言ったらどんな感想を抱きますか?

私が「次はモロッコへ行こう」と決めた時、友人らの感想は9割方「ふーん、よくわからないけど気をつけてね」「全然イメージできない!けど何か楽しそう」でした。

ただ、旅好き仲間に「モロッコへ行く」と伝えると、悶絶します。「いいなー!」「まじかー……」「絶対リヤドに泊まってきてね!」など。

さて、今回はこの「リヤド」、つまり宿の話をさせてください。結論から申し上げますと、モロッコ文化に親しめるリヤドは、本当に万人にオススメしたい場所でした。

リヤドとは?

モロッコの宿リヤド

リヤド( رياض )は、もともとアラビア語で「植物の生えた庭」を意味する言葉。英語のガーデンに近いようです。

モロッコ国内では「中庭をもつ伝統的な住居」のことを意味する言葉でもあり、日本語に訳すときは「旧邸宅」となったりします。

世界遺産になっているようなマラケシュ・フェズ・エッサウィラのような旧市街を持つ街では、ライフスタイルの変化など時代背景も相まって、こうした旧邸宅があまり使われなくなり、旅行者向けの宿泊施設として修復・再利用されるという流れが近年急速に強まったそう。

この記事で紹介するリヤドは、そうして旅行客向けに開放された旧邸宅をいわばリノベーションした宿のこと!

モロッコの宿リヤド

特徴は、美しい中庭を持っていること。もともと旧邸宅というくらいですから、豪華な作りになっていることが多いこと。

そして内装にモロッカン様式を採用しており、「ゼリージュ」とよばれるモロッコ独特のタイルワークがいたるところで見られるなど、異国情緒にあふれていること。食事もモロッカン式の食事を提供するリヤドが多いようです。

ただしもともと宿向けに作られた家ではないですし、家族経営であることも多く、高級ホテルのような接客がのぞめなかったり、立地が複雑でタクシーが横付けできるような大きな道に近接していなかったりといったことも大いにありえます。

もちろん高級リヤドであれば、こんな懸念点は一切ないと思いますが。

ちなみに値段もピンキリ。大手予約サイト「Booking.com」や「agoda」などで検索・予約できる施設もあれば、公式サイトから直接予約するのみ、といった小規模なリヤドまで様々です。

ということで、リヤドに宿泊したいなら事前の調査・手配が肝心!

以下に実際に私が宿泊したリヤドのリストとレビューを記載したいと思います。値段も載せているので、検討する際の参考にしてくださいね。

マラケシュで宿泊したAirbnbのリヤド

モロッコの宿リヤド

名前:SoCheapSoChic with pool
値段:3,261円(1泊朝食付き、別途料金にてカフェ注文可能)※時期や宿泊数によって変動
部屋:個室
予約方法:Airbnb
予約時期:宿泊する10日前

清潔さ:★★☆
安全性:★★☆
コスト面:★★☆
立地:★★★
シャワーの温度:★★★

モロッコっぽさが味わえる度:★★★
オススメ度:★★☆

私が宿泊した、一番最初の宿がこちらのマラケシュの「SoCheapSoChic with pool」でした。

日本を出国する前に、どうやってモロッコ国内の宿を探そうかな?と思案したのですが、私は基本的に海外の宿をAirbnbで探すクセがついているので、モロッコでもそうしました。

モロッコの宿リヤド
(画像引用:Airbnb)

結果的にホテルを選んだとしても、Airbnbだと大体の相場感がわかるので旅がしやすくなる気がするんですよね。

モロッコは比較的物価が安く、旅人にやさしい国だと前々から聞いていました。部屋を共有するドミトリーであれば700円ほどで宿泊できるようです。

ただ私、じつはあんまりドミトリーが得意でない。

というか記事を書いたり、日本とのスカイプミーティングなどの仕事を定期的にするので、できたら個室がいいなぁと考えている贅沢者なのです。

結果、少しモロッコの平均から外れた高めの値段で宿を予約しましたが、とてもよかったんじゃないかと思っています。

モロッコの宿リヤド

よかった点

立地がいい。マラケシュ観光の中心である「ジャマ・エル・フナ広場」から徒歩すぐ。日没後でも安心して広場から歩いて戻ってこられるくらいの距離感。

中庭が広く、屋上テラスもあるため朝食をゆったりと気分よく食べられます。さらには、スタッフが常駐しているのでセキュリティ的にも安心。

モロッコの宿リヤド

悪かった点

部屋の鍵が南京錠。スタッフが若干適当。じつは初日に、Airbnbで予約したリヤドが手違いでオーバーブッキングになってしまっているということで、同系列の別宿に移動させられて上記の部屋の部屋になったという経緯がありました。

規模は後者の方が大きかったので別に構わなかったんですが、こういったケースが気になる人は、ちょっぴり残念に思ってしまうかもしれません。

あと、モロッコ全体に言えることかと思いますが、シャワーのお湯の出や温度はよかったけれど、水はけがものすごく悪かったです。私はシャワーの排水口が詰まっていても、「まぁ、部屋が潤っていいか……」程度に捉える性格なので、問題ありませんでしたが(笑)。

ちなみに本当に最初の最初、日本で予約した宿はこちらでした。

モロッコの宿リヤド
(画像引用:Airbnb)

名前:Top location! Cool double room
値段:3,599円(1泊朝食付き、別途料金にてカフェ注文可能)※時期や宿泊数によって変動
部屋:個室
予約方法:Airbnb

泊まりたかった、マラケシュの日本人女性が営むリヤド

名前:Riad House13
値段:3,266円
部屋:個室
予約方法:公式ホームページ

こちらは宿泊はしていません。が、マラケシュ滞在がもう少し長ければこちらに拠点を移したかったなと思う宿です。

日本人女性が営むリヤドで、ジャマ・エル・フナ広場から歩いて10分ほどの立地の様子。

私がこの宿を見つけたきっかけは、ほかの旅人のブログ記事でした。とても内装のセンスがよいようで、しかも猫を飼っていらっしゃる。

砂漠観光などモロッコ国内のツアー催行もされているとのことなので、マラケシュを起点にモロッコ観光を楽しみたいと考えている方は、こちらのスタッフさんを頼って組み立ててもいいのでは、と思います。というか私はそうしようかと思っていました。

結局宿泊はせずにフェズに向かうことになってしまったのですが、もう一度マラケシュに行くことがあれば、ぜひこちらに泊まってみたいなと今でも思っています。

フェズで宿泊したAirbnbのリヤド

モロッコの宿リヤド
(画像引用:Airbnb

さて、ところ変わってフェズです。「フェズに行くことがあれば、もうぜひこちらの宿に泊まってください」と全員に薦めたいくらい居心地がよかった宿でした。

名前:Dar Elmathaf
値段:3,744円(1泊朝食なし《別料金で食事・カフェの注文可能。ミントティーはいつでも無料》)
部屋:個室
予約方法:Airbnb
予約時期:宿泊する3日前

清潔さ:★★★(洗濯機が使えます)
安全性:★★★
コスト面:★★☆
立地:★★★
シャワーの温度:★★★

モロッコっぽさが味わえる度:★★★
オススメ度:★★★

モロッコの宿リヤド
(画像引用:Airbnb

よかった点

とにかく文句の付けどころが私はなかったです。スタッフがやさしい、ミントティーがいつでも無料、洗濯機があってテラスがあって、夜景も楽しめるし部屋は清潔で広い。

そして何より立地がすごくいい!フェズの旧市街は道がとても狭く、基本的に車が入れない作りになっています。そのため、チェックインやチェックアウトの際は荷物を自分で持って歩く必要がある。

ということは、奥まった場所にある宿を予約してしまうと、結構移動がめんどくさいんですよね……。坂も多いですし。

フェズは別名「迷路の街」なので、自分がどこにいるのかたまに本当にわからなくなるんですよ。夜なんかはとくに。たとえGoogleMapを駆使したとしても迷います。

この宿は、旧市街の中心である「ブルーゲート」から徒歩2〜3分もかからない場所にあります。で、車もものすごく近くまで寄れるため、荷物の移動が簡単で迷う心配もありません。

家族経営なので、モロッコの人々の普通の暮らしや趣味嗜好に触れられるのも楽しい。

ママたちはほとんど英語が話せませんが、若いスタッフのナビルという男性は英語がペラペラな上、非常にフレンドリーな性格なので意思疎通が簡単。街案内やモロッコ文化、旧市街ではなく新市街の暮らしの様子も教えてくれます。

ちなみにイスラム圏のモロッコにもクラブや酒場はあって、若者たちはそこで遊ぶんだ、というようなことも教えてくれました。「一緒に行こう」と誘ってもらいましたが私は行けず。興味があったら行ってみるのもいいのでは。

モロッコの宿リヤド
(画像引用:Airbnb

悪かった点

あまり思いつかないですね……。あ、強いて言えば、朝食がついていなかったことでしょうか。宿で食べたい場合は500円ほど支払うと、美味しいモロッコご飯を作ってくれます。夕食も同様です。

あと、そういえばここはリヤドですが中庭がありません。あるのは吹き抜けの天井と、フェズの夜景がのぞめるテラス。中庭がない代わりに、雨が降っても影響がないので過ごしやすいし暖かいと思います。ここも、鍵は南京錠でした。

シェフシャウエンではゲストハウスを選びました

モロッコのゲストハウス

シェフシャウエンでは、リヤドを探したものの、直前だったこともありあまりよいリヤドを見つけられませんでした。

ということで、口コミや評価は少なかったのですが、なんだか気になったので以下のゲストハウスを予約することに。ゲストハウスといっても個室の部屋が3〜4つあるだけの小規模なものだったので、落ち着いて過ごせそうだなと。

名前:Usha Guest House(ウシャゲストハウス)
値段:4,094円(1泊朝食つき《ミントティーはいつでも無料》)
部屋:個室
予約方法:Booking.com
予約時期:宿泊する7日前

清潔さ:★★★(オープンしたばかり)
安全性:★★★
コスト面:★★★
立地:★★☆
シャワーの温度:★★☆

モロッコっぽさが味わえる度:☆☆☆
オススメ度:★★☆

モロッコのゲストハウス

よかった点

シェフシャウエンの観光の中心部から少し外れているので、静か。2016年9月オープンということで、とにかく新しくて清潔。屋上テラスがとてもきれいで、朝晩は景色を存分に楽しんでいました。近くに数軒カフェがあり、軒並みおいしいのもメリットかと。

オーナーはインド人の旦那さんと、フランス人の奥さん。ふたりとも旅が好きで、中でもシェフシャウエンに惚れ込んでしまったそう。先にシェフシャウエンで暮らしはじめた旦那さんに出会ったことで、奥さんは移住を決意したんだとか。

ふたりとも非常にやさしくて、「何か不足していることはない?」「朝ごはんは何時がいい?」「帰りのタクシーの手配は必要?」などいつも私のことを気にかけてくれていました。

モロッコのゲストハウス

悪かった点

よくも悪くもゲストハウスなので、モロッコっぽさはそんなに感じられない。ただ、壁が青いのでシェフシャウエンっぽさは大いにあります。

立地がそこまで良くない。観光地まで歩いて10分程度、フェズやタンジェとシェフシャウエンを結ぶバスターミナルまでは歩いたら30〜40分かかるため、宿まではタクシーを利用しましょう。450円くらいだったと思います。

モロッコ旅なら、ぜひ「リヤド」へ

最近、旅雑誌の特集でも紹介されるほど注目度の高いモロッコ。中でもリヤドは、必ずといっていいほど紹介される、モロッコ観光の大きな目玉になっています。

そういえば、せっかくモロッコまで行ったんだから、数泊くらいものすごく奮発して高級リヤドに泊まってもよかったな〜と今更ながら思ったりもしています。今度行ったらそうしよう。

リヤドは探しきれないほどたくさんの数があるようなので、ピンとくるリヤドを見つけたら、ぜひそこに宿泊してみてください。魅惑の国モロッコの旅、行くことを決めたら全力で楽しんできてくださいねー!

この記事がどなたかの参考になれば幸いです。では、また次回。

ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

1986年生まれ、新潟県出身のライター・編集者。これまでに仕事をしながら世界を2周、47都道府県55ヶ国200都市以上を巡る。これからの暮らしを考えるウェブメディア『灯台もと暮らし』創刊編集長、オンラインコミュニティ「#旅と写真と文章と」「#EnglishChallenge」オーナー。