こんにちは!
二度の離婚歴があり、現在はシングルマザーとして息子と2人で暮らしているライター、なつみとです。
子どもはわたしが育てているので養育費も支払ってもらっていますよ。
でも養育費って、絶対に支払ってもらえるとは限りませんし、それどころか、払わない人も珍しくないんですよね・・・。
いざ離婚するとなると、養育費の金額や期間、税金のことなど、気になることはたくさん出てくると思います。
このページでは、離婚後の養育費について、徹底的に解説していきますね!
基本:養育費は子どもを育てるためのお金
養育費とはその名の通り、子どもを育てるためのお金です。
離婚して子どもと別居することになったほうの親も、子どもの親であることには変わりないので、子育てにかかる費用を分担する義務があるというわけです。
つまり、養育費は元配偶者のために払うものではなく、あくまでも子どもに払うもの。
子どもには、養育費を払ってもらう権利があり、親には養育費を支払う義務があるということになります。
たとえば「妻の不貞行為が原因で離婚に至り、親権は妻がもつことになった」というケースであっても夫側は子どものために養育費を払わなければなりません。
養育費は何歳まで払うもの?
養育費は「未成熟子」に対して払うものですが、具体的に「何歳まで」と年齢が決まっているわけではありません。
20歳までというのが一般的ではありますが、子どもが大学に進学した場合は大学を卒業する22歳までになることもありますし、高卒で就職する場合は18歳までとなることもあります。
また、子どもが18歳以上など大きくなればアルバイトもできますし、双方の状況によっては養育費の減額が認められることもあるようですよ。
ちなみに、高齢出産で子どもが成人するまでに老後を迎えるというケースもありますが、定年退職して年金生活になったからと言って養育費の支払いが免除されるということはありません。
もちろん、収入が減って養育費が支払えない、という状況であれば減額が認められる可能性はあるので、相手に交渉してみても良いでしょう。
養育費の金額の目安は算定表を参考に
養育費の金額は、双方の合意があるならいくらでもかまいません。
もちろん、本人同士が納得しているのであればゼロでもいいのです。
とはいえ相場が気になるところですよね。
離婚調停などで養育費について決めるときは、以下の養育費算定表が使われます。
協議離婚であっても、こちらの算定表を参考に金額を決めるとスムーズに決められるのではないでしょうか?
参考:養育費・婚姻費用算定表
この算定表は、夫婦それぞれの年収や子どもの人数・年齢に応じて細かく分かれています。
該当する部分を探してみましょう。
まずは子どもの人数と年齢に応じた表を探します。
次に、夫婦それぞれの年収の場所を探します。
そして、それらが交差する場所の金額を見ます。
たとえば、子ども1人で年齢が0~14歳、養育費を支払う側が年収400万円、養育費を受け取る側が年収100万円の場合。
この場合、「2~4万円」の枠の上のほうで交差するので、4万円もしくは3万円程度ということになりますね。
養育費を確実に支払ってもらうには?強制執行や罰則について
「途中で養育費が止まる」「はじめから養育費を払おうとしない」などのトラブルもありますが、それでは困りますよね。
離婚して親権を持つとしたら、養育費は確実に払ってほしいもの。
そのため、養育費の支払いについては口約束だけでは絶対にダメ! とよく言われます。
きちんと公的な書類を作っておくのがポイントです。
協議離婚の場合は「公正証書」を作成しよう
調停離婚や裁判離婚になった場合はその結果が公的な証明となりますが、協議離婚の場合も、きちんと「離婚協議書」を作成し、それを公正証書にしておくのがオススメです。
離婚協議書とはある意味、誓約書のようなものですね。養育費のほか、面会交流や財産分与のことなどを、きちんと書面にしておくというものです。
※公正証書を作成するだけであれば弁護士や行政書士に依頼しなくても、自分たちだけでできます。
※手数料は、養育費や財産分与の金額に応じても変わりますが、数万円で済むケースが多いようです。
支払いが滞ったら強制執行ができる?
公的な証明があれば、万が一養育費の支払いが滞ったとしても、強制執行が可能となります。
強制執行とは裁判所を通して給与や財産の差し押さえをすること。
弁護士に依頼しなくても、自分でもできる手続きではあります。
ちなみに、口約束しかしていなかった場合でも後から養育費請求の申し立てはできますよ。
自動振込を設定してもらうのもオススメ
養育費は手渡しではなく振込にするのが一般的かと思いますが、毎月振り込みをするのって、忘れてしまうこともありますよね。
純粋に、すごく面倒ですし。
そこで、毎月同じ金額が振り込まれるように、自動振込の手続きをしてもらうのがオススメです。
ちなみにわたしの場合、元夫のメインバンクがゆうちょ銀行なので、ゆうちょの「自動送金」で養育費を受け取っています。
同じ銀行同士のほうが手数料はお得になりますよ。
養育費を支払わなくても罰則はない?
養育費を払いたくないという人もいるようですが、養育費の支払いに関しては法的に罰則があるというわけでもありません。
ただ、払いたくないからと言って逃げられるわけでもありません。
前述のとおり、養育費を支払わない場合は強制執行がありますし、たとえ口約束しかしていなかったとしても、後から養育費請求の申し立てはできます。
そして、養育費を滞納すると遅延損害金として年利5%の利息もかかりますし、ある意味、この遅延損害金が罰金みたいなものですよね・・・。
もちろん「無い袖は振れない」ので、無職で一切の財産が無いという状態であれば養育費は支払わなくていいですが、養育費を払いたくないから一切の財産も仕事も手放す・・・というのは現実的ではありません。
養育費に関する税金について
養育費を受け取ったら税金がかかるのか?
逆に、支払った側には控除があるのか?
といった疑問にお答えしますね。
まず養育費を受け取った側ですが、養育費は非課税なので、所得税・住民税などがかかることはありません。
もちろん贈与税もかかりません。
※養育費として認められる範囲を超えるほど多額になる場合は贈与税や相続税の対象になり課税される可能性もあります。
次に、養育費を支払う側ですが、控除が使えるとしたら、「扶養控除」になります。
ただ通常は、親権を持っている側の親が子どもの「扶養控除」を使っていることが多いと思いますし、扶養控除を二重に使うことはできません。
つまり、養育費を支払っていても扶養控除が使えるケースは少ないと言えそうです。
養育費を一括で支払ってもらうことはできる?
「途中で支払いが滞ったら嫌だから」「元配偶者との関りを減らしたいから」などの理由で、養育費を一括で払ってほしいという人もいると思います。
もちろん、お互いが納得しているのであれば養育費の一括払いは可能です。
ただ以下の点には注意してくださいね。
- 【受け取る側】贈与税・相続税がかかる可能性がある
- 【支払う側】扶養控除が使えなくなる可能性がある
まず、一度に多額の養育費を受け取ると、通常の養育費として認められず、贈与税や相続税の対象になって課税される可能性があります。
ただそれでも、将来養育費が止まってしまうリスクがなくなるというメリットはありますし、一括で払ってもらえるのであれば、払ってもらったほうがいいかなぁと感じます。
支払う側の税金の控除ですが、毎月支払うやり方であれば扶養控除の対象になるケースでも、一括払いにすると扶養控除は使えなくなるという点だけ注意が必要ですね。
住宅ローンの支払いは考慮される?
離婚して、元配偶者と子どもが家に住み、自分はその住宅ローンを払い続ける、という場合。
養育費の支払いも住宅ローンの支払いも・・・となると大変ですよね。
住宅ローンで養育費の支払いが相殺されたり、ある程度考慮されたりはするんでしょうか?
住宅ローンの支払いが続いている場合は、養育費の算定時にある程度考慮される可能性が高いです。
計算方法はとくに決まっていないのですが、以下の2種類の方法が一般的なようですよ。
- 年収から住宅ローン支払分を差し引いて計算する方法
- 養育費の金額から住居費を差し引く方法
ひとつめは、「年収から住宅ローン支払分を差し引いて計算する」方法。
たとえば年収500万円で、住宅ローンの支払いが年間100万円になる場合、養育費算定表の「年収400万円」の欄を基準にするというやり方です。
ふたつめは「養育費の金額から住居費を差し引く」方法。
受け取る側の年収に応じた妥当な住居費を算定し、その金額を養育費から差し引く、というやり方ですね。
ほかにも住宅ローンの一部を差し引くなど方法はあるようです。
個々のケースごとに合理的な計算方法が採用されると思いますので、判断に迷う場合は弁護士に相談してみるのがいいと思いますよ。
自分や相手の再婚、相手の再婚にともなう養子縁組があった場合は?
自分や相手が再婚した場合、養育費はどうなるのでしょうか?
義務者(支払う側)が再婚した場合
支払う側が再婚した場合でも、養育費の支払いは続きます。
いくら再婚しても、子どもの親であることは変わりませんからね。
ただ、再婚相手とのあいだに新たに子どもが生まれたりして家計の状況が変わった場合は、養育費の減額が認められる可能性があります。
個人的には、わたしは「受け取る側」の立場なので、「養育費を払うゆとりがなくなるは分かっていただろうに、なんで再婚して子どもまで作ってるの?」という気持ちになってしまいそうですが・・・。
権利者(受け取る側)が再婚した場合
受け取る側が再婚したからと言って、養育費が免除されるわけではありません。
免除や減額ができるのは、以下の条件を満たしている場合です。
- 再婚相手が子どもと養子縁組をしている
- 再婚相手に、子どもを養うだけの経済力がある
相手が再婚したからと言って、それだけでは再婚相手に子どもの扶養義務は発生しないわけですね。
再婚以外で、養育費の減額や増額が認められるのは?
養育費は離婚時に取り決めしておくものですが、その取り決めを一生守らなければならないわけではありません。
状況が変わった場合は、その状況に応じて減額したり、増額したりといった請求が可能です。
前述のとおり再婚や養子縁組によって減額・免除になることもありますし、それ以外だと、以下のようなケースが考えられます。
- 義務者(支払う側)の失業や収入の減少による養育費減額
- 子どもの進学状況に応じた増額
子どもが中学から私立の学校に進学して教育費が予想していた以上にかさむ、などの場合は、義務者に対して増額請求をすることができます。
とはいえ、もちろん「ない袖は振れない」ということは忘れないでくださいね。
支払い能力がないことには増額はあり得ませんし、法的に訴えたとしてもかえって養育費が減額になる可能性もあります。
たとえば算定表の基準よりも高額な養育費をもらっていたようなケースだと、法的に争うことで算定表の基準通りの金額にまで減額されるということも考えられますよ。
面会交流を拒否される場合は養育費の支払いも拒否できる?
離婚して子どもと離れて暮らすことになったとしても、面会交流はできます。
面会についても離婚時に取り決めをしておくのが一般的ですよね。
しかし場合によっては、面会を拒否されることもあります。
「子どもがあなたに会いたくないと言っている」などを言われ、面会が実現しないということもあるようです。
そうなるとこちらも養育費の支払いを拒否したくなりますが・・・基本的には、面会の有無と養育費の支払いは別ものです。
養育費は子どもの権利ですから、面会の有無に関わらず、養育費は支払わなくてはなりません。
面会させてもらえない場合は、養育費の支払いを拒否するのではなく、面会交流権についての強制執行という方法をとりましょう。
さいごに
養育費は子どものためのお金です。
わたし自身は元夫から養育費を受け取っていますが、大半の人が払っていないという事実には腹立たしさしかありません。
もちろん状況によっては払いたくないケースもあるでしょうが・・・正当な理由なく払わないというのはありえません・・・。
ちなみに、わたし個人の話をすると、元夫は子どもの実の親ではありません。
子連れ再婚して、その後離婚しているので。
元夫は、再婚時に子どもと養子縁組をして、離婚してからも養子の離縁はせず、そのままにしてほしいとのことでした。
一度目の離婚では養育費はすぐに支払われなくなり、わたしも収入が低かったので大変な思いをしました。
でも二度目の離婚では養育費をもらっているので経済的に助かるのはもちろんのこと、面会に関しても、心情的に快く子どもを送り出すことができています。
養育費については、法的にどうか、ということだけではなく、やはり人間同士の問題でもありますよね。
お互いが嫌な気持ちになることがない形で取り決めができるのが一番理想だな、と思います。
これから離婚に向けて動くのであれば、を使うのも1つの方法です。