北海道下川町の無料で泊まれるライダーハウス!「にぎわい広場」にある気動車に泊まってみた感想と予約方法やセキュリティについて

立花 実咲の画像

こんにちは。「灯台もと暮らし」編集部の立花です。

私が暮らす北海道下川町には、電車が走っていません。

昔はJR名寄本線という電車が走っていたのですが、1989年に廃線になってしまい、それ以降は最寄りの電車の駅といえば名寄駅しかないのです。

惜しまれながら廃線となってしまった名寄本線ですが、実は下川町内で当時使われていた車両を見ることができる場所があります。

それが、この「にぎわいの広場」。

バスターミナルの裏にある交流スペースで、もともと下川駅周辺エリアだった場所で、今では町民の祭りやイベントごとに欠かせない広場なんです。

ここには、かつて使われていた電車があり、なんと現在は宿泊施設として提供されているんですよね。

町民なので、わざわざ宿泊する必要はないのですが(何せ我が家はこの「にぎわいの広場」から徒歩3分)、中はどうなっているのか、電車に泊まるってどんな感じなのか知りたくて、一晩だけ泊まってみました。

JR名寄本線の気動車に無料で泊まってみた

下川町内の「にぎわいの広場」にある、気動車。赤い車体が目印です。

下川町気動車

実は、この電車の中に宿泊するのは無料!

宿泊したい人は、気動車の裏にあるバスターミナル1階の施設管理室に行って泊まりたい旨を伝えれば大丈夫です。

当日申し込みの場合、先客で満室だと諦めなければいけませんが、意外と当日駆け込んでも泊まれることが多いとか・・・。

不安な方は、事前に電話をして問い合わせすることをオススメします。

気動車の詳細

  • 電話:01655-4-3434(下川町バスターミナル合同センター)
  • 営業時間受付:月~金曜日 8:00~17:00
  • 営業期間:5月上旬~10月末まで

地元の方に伺った話だと、気動車はバイクに乗るライダーたちに人気スポットになっているようです。いわゆる「ライダーハウス」ですね。

わたしはバイクに乗れないので、彼らが言う「ライダーハウス」がどんなものなのかイマイチよく分かっていなかったのですが、知人のバイク乗りの方に聞いたところ「バイクを横に止めて雑魚寝できる場所」だそうです。

素泊まりで、体を休められる格安の宿泊施設かつバイクの駐車場を併設した場所、というイメージが近そうです。

気動車の中はどんな感じ?

8月上旬に管理人さんに鍵を外してもらい、いよいよ中へ入ってみました。

使用できる気動車は、全部で1両です。

気動車

気動車

「にぎわいの広場」から車両に向かって左手にある車両は火器使用禁止で、寝泊まりするためのスペースになっています。

乗客が乗るための座席はすべて取り除かれ、現在はフローリングが敷いてあります。

「電車って座席を取っ払ったらこんなに広いんだ」と想像以上の広々空間に驚きました。

また、車両の中央には畳が敷いてあり、団欒できるくらいのちゃぶ台と、年季の入った毛布が数枚、座布団もたくさん置いてありました。

気動車

そして、どちらの車両にも電源がところどころに設置されていました。

スマホを持って旅する上で、電源の有無は重要な問題です。

この寝台用の車両では、日本全国から集ったライダーたちが何人も、疲れを癒すため、ここで体を休めていったのでしょう。

車両の端っこに積み上げられていた毛布を使うのは、わたしはちょーっとはばかられたのですが、特に気にしない方にとって毛布は、夏でも肌寒い下川町の夜に必須のアイテムかと思います。

「にぎわいの広場」から車両に向かって右手にある、もう一つの車両は火器使用OK。

今回、使用する前に事前申請書を提出したのですが、宿泊用の車両に対して、もう一つの方には「焼肉」の文字を見つけ、これまたびっくりでした。

こちらの車両では、焼肉ができるんですね。

「焼肉」とかなり具体的に用途が書かれていたところから、かつて廃線になった車両の使い道を考えたであろう人の「焼肉やろうぜ!」という意気込みを感じました。

使用する車両は1車両ずつ選ぶことができるのですが、今回は2つとも予約をしました。

電車の中で焼肉をしてみた

せっかくなので、焼肉車両(今、勝手にわたしが名付けました)で、焼肉をやりたいと思います。

材料もお酒も、コンロも持ち込み。

夏はジンギスカンパーティーがあちこちで行われている北海道ですから、カセットコンロに対応したジンギスカン用プレートも格安でスーパーで買うことができます。

町内に住む同世代のメンバーに集まってもらい、ワイワイ焼肉スタート。

あっという間に焼肉の美味しい匂いが車両いっぱいになりました。

焼肉

広いので、どんなに酔っ払って転げ回っても大丈夫。ただ、水回りは寝台用の車両にしかなく、布巾なども持参する必要があります。

気動車

ちなみに、トイレはどちらの車両にもありません。

一度気動車を出て、「にぎわいの広場」の隅にあるトイレを使用することができます。

夏でも朝夜は20度を下回ることもある下川町。

暖房器具を完備していないため、気動車を利用できるのは5月から10月のたった5ヶ月なのです。

確かにこの日、わたしは8月にも関わらず焼肉をしながら長袖の羽織を着ていました。

気動車の中で明かす夜

焼肉を満喫している間に、気づけば日付が変わっていたため、そろそろおやすみすることにしました。

車両を移動して、持参した寝袋を敷いて横になります。

この日は明け方に雨が降っていたようで、雨音がかなり車内に響いていました。

そして、やっぱりちょっと寒かったです。

翌朝、なんとなく焼肉の匂いが残った車両を掃除して、宿泊用の車両も整頓して気動車を出ました。

気動車を出る際は、使用した車両を元どおりの状態に復元してから、鍵かけて帰りましょう。

使用上の注意

気動車の利用状況は、ネットでも出ていないため電話で問い合わせるしかありません。

ですが、ライダーたちは、ふらりと立ち寄って、ふらりと宿泊していくこともあり、こちらが使用しているのに、誰も使っていないと思って突然車両を開けようとする人も、中にはいるといいます。

普段は南京錠でしっかりと鍵がかかっており、わたしが使用させていただいた最中は「貸切」という張り紙をしておいてもらったため、誰かが中に入ってくるということはありませんでしたが、バイク音が気動車近くで停車したり発信したりする音は、確かにしました。

もしかしたら誰かが泊まろうと思って立ち寄ったのかもしれません。

内側からは鍵をかけることができないため、もし女性同士で気動車に宿泊してみたいという場合は、余計なトラブルを防ぐために、数字を合わせるだけの簡単な南京錠だけでも持っておくと安心かもしれません。

冒険感あふれる気動車での宿泊

気動車

泊まるのが無料ということもあり、知る人ぞ知るスポットになっている気動車。

泊まるときは、ある程度の防寒対策と鍵対策だけ気に留めておくことをオススメします。

下川町は国道が町内を走っていることもあり、バイク乗りはもちろん北海道の北のほうやオホーツク海へ出る旅人の通り道になっています。

もし時間に余裕があれば、焼肉をしに、寝泊まりをしに、気動車へ立ち寄ってみてくださいね。

この記事を書いた人

1991年生まれ、静岡県出身の編集者。これからの暮らしを考えるメディア「灯台もと暮らし」の執筆、編集を担当。いつか書道教室をひらくのが夢。