海外のゲストハウスの雰囲気と注意点まとめ

旅費の中で最も大きなウエイトを占めるものといえば、交通費と宿泊費です。

とくに海外旅行ともなると、その比重は増大します。

しかし、反対にいえば、ここには節約の余地がたくさん残されているのです。

LCCが増えてきたことで、交通費を抑える手段は多様化しました。

一方、海外で宿泊費を節約するための選択肢といえば今も昔もゲストハウスです。

ホステルやバックパッカーズホテルなど、地域によって呼び方は異なりますが、一般的にゲストハウスとは「安価で利用できる簡易宿泊施設」のことを指します。

オーストラリアのゲストハウス

多くの場合、ドミトリーと呼ばれる相部屋と個室があり、トイレやシャワーは共同。

宿泊者全員が利用できるキッチンや交流スペースがあることなどが特長として挙げられます。

最近では日本でも各地で個性豊かなゲストハウスが誕生していますが、海外では以前から親しまれている宿泊形態のひとつです。

今回は、オーストラリアのゲストハウスで働いていた経験をもとに、海外のゲストハウスの雰囲気や宿泊時の注意点などを紹介したいと思います。

参考:Booking.comで海外のゲストハウスを探す

事前に知っておけば恐くない!海外のゲストハウスの雰囲気と注意点とは?

海外のゲストハウスってどんな感じなの?

こんにちは、フリーライターの阿部光平(@Fu_HEY)です。

僕はオーストラリアへワーキングホリデーに行っていた際、アデレードという街のゲストハウスで働いていました。

ゲストハウスで働いている様子

なお、オーストラリアではゲストハウスのことをバックパッカーズホテルという呼び名が一般的です。

その後、世界一周の旅をしていた際も、宿泊する場合はゲストハウス一択。

各国のゲストハウスに泊まりながら、旅行をしてきました。

ゲストハウスの魅力は、何といっても「安さ」にあります。

国や地域にもよりますが、宿泊費はスタンダードなホテルの十分の一から半額ほど。

貧乏なバックパッカーには、本当にありがたい存在です。

ゲストハウスがあるからこそ、バックパッカーが成り立つといっても過言ではありません。

ゲストハウスによっては個室もありますが、価格を重視するならドミトリー(相部屋)がオススメです。

1室に複数の二段ベッドが設置されており、「1ベットいくら」という料金システムで宿泊することになります。

当然、プライベートな空間というわけにはいきませんが、オープンな空間だからこそ生まれる〝ゲストハウスならではの体験〟というのもあります。

安いだけじゃない「ゲストハウスならでは」の魅力とは?

ゲストハウスの魅力は単に「安い」だけではありません。

一般的なホテルと大きく異なるのは、「宿泊者同士の交流が生まれる」という点です。

ホテルで他の宿泊者とあいさつを交わすことはあっても、お互いの話をするまで関係性が深まることはまずありません。

ホテルはプライベートな時間を過ごす場所なので、当然といえば当然のことです。

それに対してゲストハウスでは、宿泊者同士の距離感が近く、共有スペースも多いので、自然と会話が生まれます。

ほとんどのゲストハウスにはキッチンがあるので、お互いの国の料理を作ってシェアしたり、希望者を募ってバーベキューをすることもありますし、はじめて会った人達が一晩で意気投合して翌日には一緒に観光へ繰り出すなんてことも珍しくありません。

こうした偶発的なコミュニケーションが生まれるのも、ゲストハウスならではの魅力のひとつです。

ゲストハウスで生まれる交流

「楽しそうだけど言葉が不安」という方には、「日本人宿」という選択肢もあります。

アメリカのニューヨークやタイのバンコク、エジプトのカイロなど、日本人旅行客に人気がある地域には、現地の日本人が経営し日本人旅行者の集まるゲストハウスがあります。

日本語が通じるので、情報交換もスムーズで言葉に不安があっても安心です。

また、古くからのゲストハウスには「情報ノート」というものが置かれていることがあります。

これは、宿泊者が身の回りで発見した〝生の情報〟を書き込んでいるノートのこと。

「◯◯行きのバスで強盗事件が発生した」「イスラエルの国境越えは、このルートがいい」「近所に安いタコスの屋台がある」など、決してガイドブックには載っていないような情報が満載です。

旅を安全かつディープに楽しむための最高のアドバイザーになってくれることでしょう!

ゲストハウスに楽しく滞在するための注意点

ここまでは、ゲストハウスの魅力について紹介してきましたが、宿泊の際には注意すべき点もあります。

まず、ゲストハウスでは一般的なホテルでは当たり前とされるようなサービスがありません。

具体的にいえば、タオルや歯ブラシなどのアメニティは用意されていませんし、ランドリーサービスなどもありません。

「自分のものは自分で準備する!」が基本です。

調理用具や食器は備え付けの場合が多いので、使用後はきれいに洗って、元の場所に戻しましょう。

「共同で使うもの」という意識が大切です。

衛生面では、南京虫やベッドバグなどの名称で呼ばれている「トコジラミ」に気をつけましょう。

トコジラミは、1cmに満たないほどの小さな吸血性の虫で、刺咬されると数週間に渡って激しい痒みが生じます。

日本ではあまり馴染みのない虫ですが、暗い場所を好む性質があり、海外のゲストハウスのベッドでは頻繁に遭遇します。

トコジラミ対策として、最も簡単なのはベッドの上に寝袋を敷いて寝ることです。

これで、ある程度の被害は防げます。

ただし、ベッドの上での寝袋使用を禁止しているゲストハウスもあるので、事前に確認するようにしましょう。

また、トコジラミが荷物に付着して、気づかないまま家へ持ち帰ってしまうこともあります。

あまり衛生的でないと思われるゲストハウスでは、荷物をまるごとビニール袋に入れておくなどの対策をしておくと安心です。

最後に、ゲストハウスでいちばん重要な注意点が「貴重品の管理」です。

ドミトリーでは、宿泊者達の荷物が無造作に置かれていることがあります。

ゲストハウスのベッド

その雑多な雰囲気に流されず貴重品の管理だけは徹底しましょう。

現金やパスポートなど、細かいものは手放さずに持っておくのが安心ですよ。

パソコンやカメラなど重くて持ち歩けないものについては、鍵がかけられるバックにしまい、チェーンロックでベッドの足にくくりつけておくなどの工夫が必要です。

盗難被害は自己責任になってしまいますし、何か問題が起こると他の宿泊者も気持ちよく滞在できません。

自分のためにも、同じ空間で過ごす宿泊者のためにも、貴重品の扱いは十分に注意してください。

いくら宿泊費を安くおさえても、貴重品を失ってしまったら元も子もないですからね。

旅を快適に楽しむためにも、「ゲストハウスは、他人と空間を共有する場所」という意識を忘れないようにしましょう!

参考:Booking.comで海外のゲストハウスを探す

ノマド的節約術の裏話

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この記事を書いた人

『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』代表、ライター。1981年、北海道函館市生まれ。大学で社会学を学び、卒業を機に、5大陸を巡る地球一周の旅に出発。帰国後、フリーライターとして旅行誌等で執筆活動を始める。現在は雑誌やウェブ媒体で、旅行ガイドやライブレポート、原発問題など様々なジャンルの取材・執筆を行っている。東京で子育てをする中で、移住について真剣に考えるようになり、仲間と共に地元函館のローカルメディア『IN&OUT -ハコダテとヒト- 』を立ち上げた。