京都市在住のライター、なつみとです。
京都と言えば関西の定番観光地。
では、関西の観光地と言えば、ほかにどんなところがあるでしょう?
大阪、神戸、奈良・・・近畿地方にはたくさんの観光地がありますが、その中でも「もっと評価されてもいいのでは!!」と思わずにいられない場所があります。
それは、紀伊半島南部。紀南エリアとか熊野地方と呼ばれるところです。
「熊野古道」で有名なエリアですね。
新幹線も通っていなければ空港も無く「陸の孤島」と揶揄されることも多いのですが、だからと言って行かないのはもったいない。
実はわたしも先日初めて行ったのですが、もっとみんな行くべき!!と強く思いました。
というわけで、このページでは紀伊半島南部への行き方や楽しみ方について紹介します!
行き方は三重ルートと和歌山ルートの2種類
紀南エリアの中でも、今回向かったのは三重県熊野市と和歌山県新宮市です。
電車で行く場合、三重県側から入るルートと、和歌山県側から入るルートがあります。
わたしは京都在住ですが、ほかの地方の方にもイメージしやすいよう、今回は大阪からの行き方を紹介しますね。
三重県側からのルートは片道4時間、7,000円程度
三重県側から行く方法はおもに2パターンあります。
1つ目は、新幹線で名古屋まで生き、そこからJR特急に乗るルート。
- 新大阪~名古屋(新幹線):6,680円
- 名古屋~熊野市:3,930円
所要時間:約4時間・料金:10,610円
※JR特急「南紀」に乗った場合は、自由席で+2,520円、指定席なら+3,050円
もう1つは、近鉄特急とJR特急を組み合わせたルート。
- 難波~名張(近鉄特急「アーバンライナー」):2,940円
- 名張~松阪(近鉄五十鈴川行き):1,760円
- 松阪~熊野市(JR特急「南紀」):2,310円
所要時間:約4時間・料金:7,010円
大阪からの場合だと、新幹線を使わないルートのほうが安い上に所要時間も変わりません。
名古屋や関東地方からだと、名古屋を経由するほうがいいでしょう。
次に、和歌山ルートを紹介します。
和歌山ルートは所要時間4時間、5,500円
和歌山ルートの場合は、選択肢は1つ、JR特急「くろしお」で新宮駅まで行きます。
所要時間:4時間・料金:5,400円
くろしおの通常料金は7,350円ですが、「くろしお指定席きっぷ」を使うと5,400円になります!
自由席でも6,820円なので、「くろしお指定席きっぷ」を使ったほうが断然お得ですね。
大阪から紀南エリアに行くなら、この和歌山ルートで行くのがオススメです。
ちなみに、和歌山ルートで熊野市まで行く場合は、新宮から熊野市駅まで所要時間は30分程度、料金は420円です。
くろしおの車内。最前列の座席にはコンセントがあります。
「くろしお指定席きっぷ」について
くろしお指定席きっぷについて解説しておきますね。
新大阪から新宮までが5,400円ととてもお得なんですが、2名以上でないと購入できません。
今回、わたしは友人ライターと2人で行ったのでちょうどよかったです。
購入は乗車日の前日までなので注意しましょう。
JRの駅でも購入できますが、e5489を使えばネット予約ができますよ。受け取りは、e5489に対応した券売機もしくは窓口にて。
「くろしお指定席きっぷ」を購入すると特典として、レンタカーのサービスチケットもついてきます。
レンタカー代は24時間で3,200円だそうです。
ただし「キャンペーン」なので、今後なくなる可能性はあります。
2017年度に関しては、販売期間中ずっとキャンペーンがあるようです。
※くろしお指定席きっぷの販売期間は9月30日まで
【紀南エリアの観光スポット】熊野古道の大門坂・那智の滝・鬼ヶ城など
紀南エリアは、もともと熊野古道があることで有名な場所です。でも、そのイメージしかない人にとっては、「ほかに見る場所はあるの?」と疑問が出てくるのではないでしょうか。
実はわたしがそうだったのです。紀南エリアの方、ごめんなさい・・・。
今回は知り合いに会うために行ったのですが、行ってみたらとってもいい場所!!
すっかり大好きな場所になってしまったので、1泊2日のうちにわたしが行った場所を紹介させてください。
熊野古道、大門坂にて平安衣装体験
新宮駅に到着してまず向かったのが大門坂。熊野古道のルートの1つで、那智の滝が見られます。
▼「新宮藩の関所跡」だったり・・・
▼南方熊楠が3年間滞在したという、大阪屋旅館跡。
でも、わたしのお目当てはここ。大門坂茶屋さんです。
ここでは、「平安衣装体験」ができるのです!
京都に住んでいるわたしは日ごろから観光客の方が「舞妓体験」をされている姿もよく見ますが、自分がこういった扮装をしたことはありません。
ちょうど入れ替わりにほかのお客さんもいましたが、平日は人も少なく、アラサー女子3人で張り切って体験いたしました。
▼衣装は女性用だけでなく、男性用や子供用もあります。
衣装を選んだら、奥のスペースで着替えさせてもらいます。
※背後に写っているのは友人です。知らない人と一緒に着替えるわけではないのでご安心ください^^
着付けをしてくださったスタッフのおばさまは、「これはこういう意味があってね・・・」と、衣装の1つ1つについて丁寧に解説してくださいます。
そうして完成したのがこちらです。
どうですか。これぞパワースポット!と言わんばかりのきれいな景色にきれいな空気。
しかも大門坂茶屋さんを少し上がったところなので、暑い日でも汗だくになって歩く必要はありません。
京都だと、どんなに素敵な場所でも常に観光客がいるため、こんな雰囲気たっぷりの写真は撮れないんですよね。
こちらでも観光客の方はちらほら来られますが、少し待てばまた誰もいなくなるため、3人でかわるがわる撮影を続けました。
また、大門坂茶屋のおばさまも手が空いたら写真を撮りに来てくださいます。撮り慣れておられるので、素敵な写真が撮ってもらえますよ!
ちなみに、この撮影スポットをさらに奥に入っていくと那智の滝に到着します。徒歩40分ほどだそう。今回は行きませんでしたが。
平安衣装体験とたっぷり撮影タイムを満喫して、料金は1人2,000円。
那智の滝まで散策できるプランだと1人3,000円です。
自然に囲まれたパワースポットで平安貴族に想いを馳せ、すっかり癒されました。
住所:和歌山県那智勝浦町那智山392-4
最寄駅::那智駅から車で約10分
付近に広い駐車場もあります。
世界遺産「鬼ヶ城」で信じられないほどの絶景に出会う
翌日訪れたのは、世界遺産にもなっている「鬼ヶ城(おにがじょう)」。三重県熊野市にある観光スポットです。
駐車場を出ると、そこは海!
わたしが住む京都市には海が無いので、海を見るだけでテンションが上がります。
「きれい~!」と言いながら歩いていくと、整備された道がどんどん「ぼこぼこ」になっていきます。
なんとこの鬼ヶ城、波で削られてできた場所なんです。
見上げると、大きな岩(だったもの)が屋根のようにせり出しています。
長い年月をかけて、少しずつ削られていったのでしょうね。
「道がぼこぼこ」と書きましたが、歩くところはある程度整備されているため、スニーカーなら何の問題もなく歩けます。
年配の方や小さなお子さんもいらっしゃったので、家族で楽しめると思います。
※お子さんがいる場合は、飛び出すと危ないので手をつないであげてください。
鬼ヶ城から見える水平線も、最高の眺めでした。
撮影した写真すべて紹介したいところですが、あとは実際に見に行かれてください。
ベタすぎるかもしれませんが、「わたしの悩みなんてちっぽけなものだな」と思えることでしょう。(わたしは思いました)
鬼ヶ城には、お土産屋さんやレストランが入った「鬼ヶ城センター」もあります。
JRの駅にはあまりお土産はなかったので、お土産を買うとしたらここがオススメです。
住所:三重県熊野市木本町1835-7
最寄駅:「熊野市駅」から車で約7分
鬼ヶ城のほかにも、ぜひ見ていただきたいのが「獅子岩(ししいわ)」。
▼奥に見える岩を見てください。
▼獅子の形に見えますよね。
紀南エリアは台風や豪雨被害もありますが、一方でこんな美しい景色もたくさんあるのです。
また、夏には熊野大花火大会が開催されることでも有名です。
毎年8月17日に開催される熊野大花火大会は多くの人で混雑するそうなので、行かれる場合は春頃から計画し、宿泊先や往復のきっぷの手配などもすべて早めに済ませておきましょう。
臨時駐車場などの情報は熊野市観光協会公式サイトで確認できますよ。
新宮駅周辺でも楽しめる場所はある!
和歌山ルートを選んだ場合は帰りも新宮駅から出発しますが、時間が余ったので少し散策してみました。
そこで見つけたのが「徐福公園」です。
「徐福」とは人の名前で、秦の始皇帝の命を受けて不老不死の霊薬を求め、今の紀南エリアにたどり着いたのだとか。
わたしは歴史にはうといのでよくわからないのですが、新宮駅周辺の日本の街並みの中で異彩を放っていたので立ち寄ってみた次第です。
公園というだけあって敷地には池があったりベンチがあったり。雰囲気的には神社っぽいです。
そこでわたしの目を引いたのはこれでした。
「レンタルチャイナドレス500円」!
知っていれば早めにここに来たのに・・・。
チャイナドレスを着て遊ぶ時間は残っていなかったため、「次来たときに忘れないように」と写真だけ撮り、徐福公園を後にしました。
画像にもあるとおり、レンタサイクルもあるので、散策のために借りるのも良さそうですね。
新宮駅周辺にはほかにも、みかんの直売所やランチが取れる定食屋さん、おしゃれなカフェなどいろいろありました。
時間が余ったとしても楽しめる場所は十分すぎるぐらい あります。
現地での移動は車がオススメ
紀南エリアにはJRもバスも通っていますが、便がいいとは言えません。「駅からタクシーを呼べばいいや」と思ってもタクシーも全然走っていません。
タクシー会社はあるので電話すれば配車してもらえるとは思いますが。
今回わたしは熊野に住む知り合いが車で案内してくれたので助かりましたが、運転免許を持っていない人は免許のある人と一緒に行くことをオススメします。
ちなみに、JRグループの「駅レンタカー」は借りた営業所以外のところで返却する「乗り捨て」も対応しています。
続いては、旅グルメのお話です。
紀南エリアのグルメ
海が近いところだと、やっぱり新鮮な魚介を食べたい!
安心してください。新鮮でおいしい魚介が食べられます。
しかもリーズナブル。大人4人でさんざん飲んで食べて、12,000円ぐらいだったかなと思います。
さんざん食べたのに、帰りにはさらに地元のスーパー「オークワ」に立ち寄り、鮮魚コーナーでお刺身を買いました。
夜だったので半額シールの貼られたおつとめ品を買いましたが、京都で買うそれとはまったく違います。半額でも、京都で食べるお刺身よりおいしい!
美味しいものには美味しいお酒もほしいですね。
和歌山だと梅が有名ですから、さまざまな梅酒が作られています。
試飲させていただきましたが、本当に1つ1つ全然味が違い、感動しました。
日本酒もありますよ。
ソフトドリンクだと、こんなものもありました。
「にいひめドリンク」です。
新姫(にいひめ)とは柑橘類の一種で、熊野地方でしかとれないのだとか。
すだちやかぼすに似た果物ですが、苦みが強めなのが特徴です。
にいひめドリンクは、お子さんにはちょっと苦すぎるかもしれません。わたしは好きな味で、一気に飲み干してしまいました。
そうそう、熊野に来たならぜひ味わってほしいのが「めはり寿司」。高菜で包まれたおにぎりです。
熊野地方と吉野地方(奈良県南部)に伝わる郷土料理。わたしは初めて知りました。
初めて食べたのに懐かしい味がする・・・旅の終わり、疲れた体にぴったりなお昼ご飯でした。
ちなみに、「おでん定食」を注文すると出てきたのは名古屋風の、味噌がかかったおでんでした。
お味噌の乗ったおでんを食べたのも初めてだったので最初は変な感じがしましたが、徐々に慣れてきて、おいしくいただきましたよ。
めはり寿司は食べきれなかったのでお店の人に包んでもらい、帰りの電車で食べました。
紀南エリアでの宿泊先について
紀南エリアには、ホテルや旅館といった宿泊施設もいろいろあります。都市部に比べると数は少ないですが、予約が取りにくいとか、そもそも宿を探しにくい、ということはありませんでした。
わたしが宿泊したのはビジネスホテルで、素泊まり1泊5,000円程度。
Wi-Fiもあり、快適に過ごせましたよ。
ただ、前述したとおり、熊野大花火大会の時期は注意が必要です。かなり混み合うそうなので、早めに予約しておくようにしましょう。
さいごに:疲れている人こそ紀南エリアに行ってみるべき
同じ近畿地方のはずなのに一度も行ったことのなかった紀南エリア。今回、本当に行ってよかったと思いました。
たしかに京都や大阪からは遠く感じますが、行ってみれば最高にいい場所でした。
特に、都会での生活に疲れた・・・という人にはぴったり。
くろしお指定席きっぷなら交通費は新大阪からで往復10,800円ですし、現地で使うお金も宿泊費と食事代で最低1万円あれば大丈夫だと思います。
わたしが実際に使った金額は交通宿泊費と食事代などすべて含めて3万円弱でした。
「電車で4時間」というのが大変ではありますが、食事をとったり友達とおしゃべりしたりしていたら案外あっという間です。
仮眠をとったりPC仕事をしてもいいですしね。
ぜひ、実際に行ってみください。わたしは絶対にまた行きます!