神社とお寺の違いは何?目的や作法の違いについて徹底解説

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日本らしさを感じる場所としてまっさきに思いつくのが神社と寺です。

よく「神社仏閣」「社寺」「寺社」などといって、神社と寺がいっしょにまとめられることも多いですよね。

近年はパワースポットとして注目されることも多く、海外からの観光客からも人気です。

でも神社や寺ってどう違うのか、その違いはあいまいではないでしょうか。

見た目だけでなく、拝み方や作法の違いも気になります。

そこで、このページでは神社と寺の違いについて説明するとともに、神社と寺の拝み方や作法についても紹介しますね。

神社とお寺の違いは?目的や作法の違いについて解説

神社と寺は宗教が違う

神社は「神道」、寺は「仏教」

まず、神社と寺では宗教が違います
神社は「神道(しんとう)」という宗教、寺は「仏教(ぶっきょう)」という宗教の施設です。

また、神社は宮(みや)、寺は寺院(じいん)や仏閣(ぶっかく)ともいいますよ。
神社と寺は、それぞれ特徴的な施設を有しています。

神社には、象徴するものとして鳥居狛犬(こまいぬ)があり、神様を祭っていますよ。

▼広島県の宮島にある厳島神社の大鳥居は有名ですよね。

宮島 厳島神社 鳥居

▼狛犬も多くの神社にあります。

和歌山 熊野本宮大社 狛犬
熊野本宮大社(和歌県田辺市)の狛犬

狛犬がない神社や、狛犬の代わりに別の動物になっている神社も。

狛犬の代わりの動物は、全国各地にある稲荷神社のキツネが知られています。

一方で寺には、象徴するものとして梵鐘(ぼんしょう)や仏像があって、(ほとけ)様を祭っているんですよ。

▼梵鐘が吊るされている建物を鐘楼(しょうろう)といいます。

倉敷 観龍寺 鐘楼
観龍寺(岡山県倉敷市)の鐘楼

▼ほかに寺では五重塔や三重塔などの塔があることも。

福山 明王院 五重塔
明王院(広島県福山市)の五重塔。右端に鐘楼。

また、神社には神職(しんしょく)、巫女(みこ)、神主(かんぬし)、宮司(ぐうじ)といった人が勤めています。

寺には、僧侶(そうりょ)や坊主(ぼうず)、住職(じゅうしょく)、(あま)という人がいますよ。

神社と寺には、おもに以下のような違いがありますよ。

神社とお寺の違い
神社
宗教神道仏教
祭る対象神様仏様
象徴的なもの鳥居・狛犬(こまいぬ)・鏡など梵鐘(ぼんしょう)・仏像・塔など
勤める人神職・巫女・神主・宮司など僧侶・坊主・住職・尼など
教典なし経典(お経)
開祖なし釈迦(しゃか)
おもな拝み方二礼 二拍手 一礼など合掌など

なお、教典についてですが、教典とは宗教の教えを書いた権威のある書物のことです。

神社では祝詞(のりと)というものを読みますが、これは教典ではありません。

寺では経典(お経)が読まれますが、お経は仏教の開祖・釈迦の教えの言葉を書いたもので、仏教の教典になりますよ。

江戸時代以前に神道と仏教は混じり合っていた

神社は神道、寺は仏教という別の宗教だと紹介しました。

じつは江戸時代以前、神道と仏教という2つの宗教は互いに混じり合っていて、その境目は曖昧だったんですよ。

神道と仏教が混じり合っていることを神仏習合(しんぶつ しゅうごう)・神仏混淆(しんぶつ こんこう)といいます。

もともと日本には古くから神道がありました

飛鳥時代だった6世紀に百済(くだら)の国から仏教が伝来したといわれています。

弁才天の像
仏教とともに伝来した神様 弁才天

その後、神道と仏教は混在していきました。

神社と寺がセットで建てられることも多くなります。

なお、神社に付属するお寺を「神宮寺(じんぐうじ)」や「神護寺(じんごじ)」などと呼びました。

お坊さんが神社の神様の前でお経を読み上げることもあったんですよ。

明治時代になって神道と仏教が完全に分かれた

江戸時代になって日本固有の文化を研究する国学(こくがく)が盛んになると、神社と仏教を明確に分けるべきだという声が多くなっていきます。

そして明治時代になると、日本政府によって神仏分離令(しんぶつぶんりれい)が出されて、神道と仏教は完全な別の宗教として明確に分けられました。

なお、現在でも神仏習合時代の名残で、寺によっては境内に小さな神社があったり、鳥居が残ったりしているところもあります。

また、神社に鐘が残っているところもありますよ。

現在も神仏習合の形態を維持している神社・寺も少数ですが存在しています。

▼たとえば、岡山市の最上稲荷(さいじょういなり)・妙教寺(みょうきょうじ)はいまも神仏習合です。

岡山 最上稲荷 妙教寺

ほかにも、萩市にある円政寺(えんせいじ)なども現存する神仏習合の寺として知られていますよ。

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神社と寺の見分け方

神社と寺、それぞれ象徴するものの有無で見分ける方法が簡単ですよ。

鳥居・狛犬があれば神社鐘があれば寺です。

しかし昔の名残で、一部には鳥居のある寺や鐘のある神社もあります。

ほかには名称で見分ける方法も分かりやすいですよ。

▼神社の場合、多くは「○○神社」「○○(しゃ)」「○○(みや、ぐう)」「○○神宮(じんぐう)」「○○大社(たいしゃ)」という名前です。

新宮 熊野速玉大社 社号標

一方で寺は、「○○(じ、てら)」という名前。

▼また、寺には「○○(さん、ざん)」という別名が付けられています。

総社 備中国分寺 寺号標

この別名は山号(さんごう)といって寺だけに付けられるもので、神社にはありません。

山号があるのは、もともと寺は山の中にあったので、そのときの名残です。

千葉県成田市・新勝寺(しんしょうじ)の「成田山(なりたさん)」、和歌山県高野町・金剛峯寺(こんごうぶじ)の「高野山(こうやさん)」、滋賀県大津市・延暦寺(えんりゃくじ)の「比叡山(ひえいざん)」、東京都・浅草寺(せんそうじ)の「金龍山(きんりゅうざん)」などが有名ですね。

なお、山号がない寺もあります。

▼さらに、「○○(いん)」という院号(いんごう)が付いている寺もありますよ。

福山 明王院 寺号標

神社・神道は自然崇拝と祖霊信仰のためのもの

神道と仏教は宗教が違うので、それぞれの宗教の目的や作法も違います。

神道は日本で生まれた、古来からある宗教です。

しかし神道がいつ頃生まれて、神社はいつからあるのかは分かっていません。

もともと神道は自然を神様に見立てて祭ったものでした。

そのため神道にはたくさんの神様がいて「八百万(やおよろず)の神」と呼ばれています。

太陽の神様である天照大神(あまてらす おおみかみ)、山の神様である大山祇神(おおやまづみのかみ)、食べ物の神様である豊受大神(とようけのおおみかみ)などが有名です。

神道の神様は、海外の精霊や妖精に近い存在かもしれませんね。

倉敷 阿智神社 磐座

ほかに神道には祖霊信仰(それいしんこう)という性格があります。

祖霊信仰はなくなった人を神様として祭ることです。

今ある自分は祖先のおかげだから感謝しようという意味なんですよ。

自分のご先祖様を祭るほかに、活躍した人を祭ります。

活躍した人を祭るのは、その功績を称えるためです。

また、非業の死を遂げた人を、祟りを恐れて怒りを静めるために祭ることも。

菅原道真も最初は祟りを防ぐために祭られました。

神様として祭られている偉人としては、神武天皇(じんむ てんのう)や神功皇后(じんぐう こうごう)など昔の天皇・皇族、学問の神様の菅原道真(すがわらのみちざね)、江戸幕府を開いた徳川家康(とくがわ いえやす)などが有名です。

神社での拝み方

ここからは神社の拝み方を説明しますね。

神社の入口となる参道口(さんどうぐち)で鳥居に向かって一礼したあと、参道の中央を避けて通ります。

手水舎(ちょうずや)という手と口を清めるところで、手・口を水で清めます(手水)。

柄杓で水をくんで、左手・右手・口・左手・柄杓の柄という順で清めていきましょう。

手水鉢
手水舎

手水のあとは神様を祭っている本殿(ほんでん)の前側にある拝殿(はいでん)とう建物の前で拝みますよ。

まずは拝殿に一礼したあと、賽銭箱に賽銭を入れ、天井からぶら下がっている鈴を鳴らします。

鈴を鳴らしたら、拝殿に向かって2回の礼2回の拍手(柏手)、1回の礼をしてください(二礼 二拍手 一礼)。

神社の参拝方法 - 二礼

終わったら、拝殿から離れるときに立ち止まって、拝殿に向かって一礼しましょう。

帰るときも参道の中央は通らないでくださいね。

参道口を出たら、ふりむいて参道口に向かって一礼します。

寺・仏教はもともと精神修行のためのもの

つづいて寺・仏教について書きますよ。

仏教は現在のインド北部出身の釈迦(しゃか)が開いた宗教です。

釈迦は本名をガウタマ・シッダールタ(ゴータマ・シッダッタ)といい、現在のネパールのルンビニというところで生まれています。

仏教はインドで生まれ、中国・朝鮮半島を経由して日本に伝来しました。

日本だけでなくアジアを中心に世界各国で信仰されていて、キリスト教・イスラム教とともに世界三大宗教のひとつです。

そして、仏教の目的は精神修行です。

釈迦の教えを通じて、人生の苦を乗り越えることを目指します。

また、寺では仏様を祭りますよ。
仏様にはいろんな種類があります。

▼「不動明王(ふどう みょうおう)」などが有名です。

不動明王の像
不動明王

ほかにも、悟りを開いた釈迦を表した「釈迦如来(しゃか にょらい)」なども知られています。

日本の仏教は独自の形に変化して先祖供養に

日本では人が亡くなると多くの場合、仏式(仏教式)で葬儀が行われます。

法事も仏式です。
仏教の目的は精神修行なのに、葬式や法事を寺が行うのは不思議ですよね。

仏教が葬式・法事をするようになった理由は、神仏習合です。
神道では、古くから祖霊信仰の目的があると書きました。

あとから入ってきた仏教は、日本に古くからある祖霊信仰の影響を受けたのです。

日本の仏教には多くの宗派に分かれている

現在、日本では仏教は様々な宗派に分かれています。

そのため作法などが異なる場合があるので、葬式・法事などのときには、事前に宗派を確認して作法を調べましょう。

たくさんある日本仏教の宗派のうち、主要な13の宗派を「十三宗派(じゅうさんしゅうは)」といいます。

十三宗派の主要なものは以下の通りです。

  • 真言宗(しんごんしゅう)
  • 天台宗(てんだいしゅう)
  • 浄土宗(じょうどしゅう)
  • 浄土真宗(じょうどしんしゅう)
  • 日蓮宗(にちれんしゅう)
  • 臨済宗(りんざいしゅう)
  • 曹洞宗(そうとうしゅう)

また一部の宗派は、さらに「派」に分かれています。

派も含めて「十三宗 五十六派(じゅうさんしゅう ごじゅうろっぱ)」とも呼びますよ。

寺での拝み方

拝み方も寺と神社はちがいますよ。

参道口での一礼と手・口を水で清める(手水)点は、寺に参るときも同じです。

手水の方法も神社と同様ですよ。

ただし、参道を通るとき神社では参道の中央を通りませんが、寺では中央を通って構いません

つづいてお堂の前で拝みますが、賽銭箱に賽銭を入れるのも寺と神社共通です。

倉敷 観龍寺 本堂

寺によっては神社の鈴のように、鰐口(わにぐち)というものが天井にぶら下がっています。

鰐口があるときは、鰐口をならしてください。

そして、いよいよ仏様を拝みますが、拝み方も神社とお寺は異なります。

お寺で拝むときは、静かに合掌しながら、ゆっくり一礼します。

神社のように柏手を打たないようにしましょうね。

神社と寺で使う言葉の違い

神社と寺では同じようなものを指す言葉でも、違った言葉を使うことがあります。

神社と寺のおもな言葉の違いは以下の通り。

神社とお寺の主な言葉の違い
神社
建物社殿(しゃでん)
社(やしろ)
伽藍(がらん)
堂(どう)
随神門(ずいしんもん)山門(さんもん)
三門(さんもん)
祭る神・仏祭神(さいじん)本尊(ほんぞん)
事務所社務所(しゃむしょ)寺務所(じむしょ)
金額・価格初穂料(はつほりょう)
玉串料(たまぐしりょう)
祈祷料(きとうりょう)
納経料(のうきょうりょう)
御布施(おふせ)

逆に、神社と寺で共通して使われる用語もあります。

神社と寺のおもな共通の用語は以下の通りです。

意外と神社・寺の共通の用語もあるんですよ。

だから神社と寺が分かりにくくなるのかもしれませんね。

また、神社も寺も宗教施設ですので、「買う」「売る」「支払う」「金額・価格」などの商売用語を避ける点も共通です。

さいごに

神社と寺の違いについて説明しました。

神社と寺は混同しがちですが、長いあいだ神仏習合の風習があったのですから、混同するのは自然なことかもしれませんね。

明治時代の神仏分離は、あくまで神社や寺などの運営側のことです。

信仰している国民まで神仏分離したわけではないので、今でも文化や考え方に神仏習合が残っているんですよ。

とはいえ、神社や寺にお参りするときには、神道や仏教それぞれの作法がありますので、神社と寺の確認をしっかりとして正しくお参りしましょうね。

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この記事を書いた人

岡山県出身、広島県在住のライター。現在、仕事と育児に奮闘中。元 鉄道会社の社員なので、交通系の記事が得意。ほかに地域文化やグルメ、写真などに強い。吉備エリア(岡山県・広島県東部)の情報を発信するサイト「きびナビ」を運営中。

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