毎年2月16日から3月15日の間に行う必要がある確定申告。
税務署や特設会場へ出向いて、必要なデータの入力や書類の印刷、そして提出をするのは結構な手間です。
自宅のパソコンからの入力もできますが、結局のところ出向いて提出するか、郵送の必要があります。
そこで便利なのは、自宅にいながらにしてデータの入力から申告までできてしまうe-Tax方式。
しかしながらe-Tax方式であっても、個人番号カード(マイナンバーカード)が必要であったり、専用のICカードリーダライタが必要なんです。
なんだかんだといって、すべての提出方式において「めんどうだなぁ」と思ってしまいますよね…。
でも、安心してください!
2019年(平成31年・令和元年)の確定申告から、なんとスマートフォン(スマホ)やタブレットから確定申告ができるようになるんです。
ただ、それには準備が必要で、最初はどうやっていいのかわからなくて不安に思いますよね。
このページでは、スマホで確定申告をするための準備について、制度や違いなどを紹介しています。
確定申告におけるe-Taxの種類

まずは、確定申告で利用できるe-Taxの種類について、紹介します。
一体どんな方法があるのか気になりますよね。
▼e-Taxは以下の2種類です。
- マイナンバーカード方式
- ID・パスワード方式
スマホやタブレットから確定申告ができる方法は、ID・パスワード方式。
▼ぞれぞれの特徴は以下のとおり。
マイナンバー方式 | ・マイナンバーカードおよびICカードリーダライタを利用する ・ICカードリーダライタの代わりに、マイナンバーカード対応のスマートフォンも利用できる |
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ID・パスワード方式 | ・税務署で発行されたID・パスワード方式の届出完了通知を利用する ・マイナンバーカードおよびICカードリーダライタは不要 |
なんといっても特徴は、今までe-Taxを利用する際に必要だった、専用のICカードリーダライタが不要なことです。
IDとパスワードを発行してしまえば、スマホやタブレットから簡単に確定申告が行えます。
確定申告のID・パスワード方式とは?
スマホやタブレットからの確定申告が、ID・パスワード方式だとわかったあとは、そもそもどういった方式なのか気になるところ。
ID・パスワード方式とは、税務署などで職員と対面による本人確認を行った後に発行する、IDとパスワードを利用したe-Taxを行う方式です。
税務署で手続きしたあとに、「ID・パスワード方式の届出完了通知」がもらえますよ。
ID・パスワード方式専用のページがあるわけではなく、従来の「確定申告等作成コーナー」を利用しましょう。
ID・パスワード方式を利用するための手順
ID・パスワード方式を利用したいと思った場合には、あらかじめ税務署で手続きをしておく必要があります。
その場合、どんな手順で進んでいくのか気になりますよね。
▼僕が体験した手順は以下のとおりです。
- 近くの税務署まで出向く
- 受付窓口で「ID・パスワード方式」の手続きに来たことを伝える
- ID・パスワード方式の手続きをするデスクに案内される
- 税務署職員に本人確認書類(運転免許証など)を見せる
- 税務署職員立ち合いのもと、ID・パスワード方式手続き専用のノートパソコンに、必要事項を入力する
- すべての入力が終わったあと、税務署職員に内容確認してもらう
- 「ID・パスワード方式の届出完了通知」を印刷してもらう
- 「ID・パスワード方式の届出完了通知」を受け取る
手続きの手順自体は、とてもシンプルな流れですよ。
入力内容に困った場合は、税務署職員に聞くとていねいに教えてくれます。
ID・パスワード方式の申し込みで入力した項目
ID・パスワード方式の申し込みをするときは、税務署職員が付きっ切りだったため、画面の撮影ができませんでした。
ただ、入力した項目は覚えています!
▼入力した項目は以下のとおりです。
- フリガナ
- 氏名
- 生年月日
- 自宅住所の郵便番号
- 自宅住所の番地
- マンション・アパート名
- 職業
- 屋号
- パスワード
たったこれだけで大丈夫です。
郵便番号を入力すると、番地の前まで自動で住所が反映されるので、手間がかかりませんでしたよ。
すべてが1画面ではなく、合計で3画面の構成でした。
次の画面に進むときは、税務署職員がノートパソコンにつながっているマウスを操作します。
質問にも、キチンとこたえてくれますよ。
たとえば、以下のような質問したとしましょう。
すると、親切に教えてくれましたよ。
自営業のかたですと、小売業だとか製造業など、わかりやすいものでいいですよ
僕は『文筆業(ライター)』としました。
特に、開業届けのときに記入したものと一致する必要はありません。
あとは入力した情報と、本人確認書類に載っている情報を確認してもらいます。
手続きにかかった所要時間
簡単そうに思えるID・パスワード方式の手続きですが、どのくらい所要時間がかかったのか気になりますよね。
▼僕の場合ですが、かかった時間は以下のとおりです。
時間 | 出来事 |
---|---|
午前9時3分 | 税務署到着 |
午前9時4分 | ID・パスワード方式の申込に来たことを伝える |
午前9時5分 | 税務署職員と一緒に専用ノートパソコンを使って、申込フォームに入力 |
午前9時15分 | 申込完了 |
とても簡単な申込フォームのため、所要時間は約10分でした。
また、朝早くから税務署に行ったことや、混雑時ではなかったことで早く手続きできたのかな、と思います。
パソコンのタイピングに慣れている場合も、より早く手続きを終わらせることができますね。
ID・パスワード方式の届出完了通知ってどんなもの?
手続きが完了すると、ID・パスワード方式の届出完了通知を印刷してもらい、手渡されます。
どんなものなのか気になるところ。
▼実物はこちら!
特別感があるものではなく、普通のA4用紙です…。
でもとても大切なものなので、厳重に保管しましょう。
ID・パスワード方式のメリットとデメリット
ID・パスワード方式で確定申告を行うとした場合、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
利用しようと考えたときには、とても気になりますよね。
▼メリットは以下のとおりです。
- スマホやタブレットで手軽に確定申告ができる
- パソコンがなくてもe-Tax申告ができる
- 個人番号カード(マイナンバーカード)がなくてもe-Tax申告ができる
- e-Taxで送信すれば、源泉徴収票など書面で提出が必要な添付書類も提出不要。(自宅で保管する必要あり)
▼デメリットは以下のとおり。
- ID・パスワード方式を利用するために、最初に税務署まで出向かなければならない
- スマホは画面が小さいので見づらい
- スマホのOSやブラウザのバージョンが古いと利用できない
- マイナンバーカードとICカードリーダライタが普及するまで、3年間の暫定措置
スマホのOSやブラウザは普段から更新を心掛けているのであれば、問題がありません。
スマホ等の推奨利用環境
スマホで確定申告ができるといっても、古いタイプのスマホやOSでは利用ができません。
ID・パスワード方式を利用しようと思った場合、スマホ等の環境も確認しておく必要がありますよ。
▼国税庁が発信しているスマートフォン等の利用環境は、以下の推奨環境を満たす必要があります。
OS | 10.3 11.4 12.0 |
---|---|
ブラウザ | Safari 10.0 Safari 11.0 Safari 12.0 |
PDF閲覧 | Safari PDF Viewer |
OS | 6.0 7.0 7.1 8.0 8.1 |
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ブラウザ | Google Chrome 70 |
PDF閲覧 | Adobe Acrobat Reader DC |
さいごに
確定申告の作業がラクになるのであれば、スマホからやってみたいですよね。
僕も今から手続きするのが、少しだけ楽しみです。
ID・パスワード方式は、申請するときに税務署へ行くのが手間ですが、たったそれだけで後の作業が効率よく進むのであれば、時間の節約にもつながりますよね。
▼ノマド的節約術では、通常の確定申告の流れについても紹介しているページがありますよ。