FXでよく聞く「ボリンジャーバンド」とは?見方や設定方法を解説

廣瀬 亜由美の画像

FX初心者の場合、どのテクニカル指標を使っていいのか迷うのではないでしょうか。

テクニカル指標には実にさまざまな種類があって、これらを使い分けることによっていろいろな角度から値動きが予測できます。

しかし、テクニカル指標は正しく見ることができなければ利用する意味がありませんから、見栄を張らずに自分がちゃんと理解できる指標を選ぶのがおすすめですよ。

そこでこのページでは、初心者でも比較的簡単に理解ができるボリンジャーバンドについて紹介していきますね。

ボリンジャーバンドは値動きの反転のタイミングを教えてくれる指標ですので、ぜひ参考にしてみてください。

ボリンジャーバンドは統計学を応用したテクニカル指標

Bollinger band_ Screen

ボリンジャーバンドとは、アメリカのボリンジャー氏という人が考案したテクニカル指標で、4~6本の線で表示させるのが一般的です。

ボリンジャーバンドで表示されるラインは主に「移動平均線」「標準偏差」で構成されていて、過去20日間の移動平均線に対して値動きが大きかったか、小さかったかというのを表しています。

つまり、移動平均線が中心となり、その上下に表示されている線が値動きの幅ということ。

この指標は1980年ころから使われており、価格変動の大半はこの帯(バンド)の中におさまるといった統計学が応用されているのです。

もちろん100%おさまるわけではありませんが、ロウソク足は高い確率でバンド内を推移するため、初心者でも使いやすいテクニカル指標として人気があります。

表示されるラインの名前は2種類

ボリンジャーバンドでは中心に移動平均線、その上下に標準偏差のラインが表示されますが、それぞれに呼び名があります。

  • ミッドバンド = 20日移動平均線
  • シグマ = 20日間の終値から算出した標準偏差

つまり、中心のラインがミッドバンドで、帯となる複数のラインがシグマです。

また、シグマそれぞれのラインにも名前があって、ミッドバンドよりも上にあるラインを「+1シグマ」、さらにその上にあるラインを「+2シグマ」と呼びます。

そして、ミッドバンドよりも下にあるラインが「-1シグマ」、その下が「-2シグマ」です。

 Bollinger band_ Basis

今回は4本のラインを表示させたボリンジャーバンドを紹介していきますが、6本にする場合は「+3シグマ・-3シグマ」が追加されます。

ミッドバンドについても21日移動平均線で設定するパターンもあるので、ボリンジャーバンドに慣れてきたらいろいろなパターンを試してみましょう。

ボリンジャーバンドでは値動きの反転が判断できる

ボリンジャーバンドでは、値動きのトレンドや反転のタイミングを判断することができ、基本的な手法は2つとなります。

逆張り手法

ロウソク足がシグマを超えたタイミングや、ミッドバンドの上下など、タイミングの計り方もいろいろありますが、最も初歩的なサインは以下です。

  • +2シグマを超えた場合は買われすぎ=売りサイン
  • -2シグマを超えた場合は売られすぎ=買いサイン

要は、+2シグマと-2シグマだけで売買のタイミングを判断するという方法なので、ボリンジャーバンドさえ設定してしまえば誰でも簡単に判断ができますよね!

 Bollinger band_ Buying and selling

ちなみに、この+2シグマ・-2シグマからの反転を狙う方法のことを逆張りといいます。

逆張りでは、「1シグマ内で反転する確率が約68%、2シグマ内で反転する確率が約95%」という統計学的な数値を基にした手法です。

そのため、±2シグマを超える価格は異常であり、いずれ修正されるという考え方となります。

順張り手法

ボリンジャーバンドでは、値動の収縮が続くとバンドの幅が狭くなり横ばいの状態となります。

順張り手法とは、バンド幅が横ばいになった状態から次第にバンド幅が広がりはじめた時に売買を行う方法です。

  • +2シグマを超えて終値となり、反転したタイミングで買う
  • -2シグマを超えて終値となり、反転したタイミングで売る

順張りの売買タイミングを見て「え、ここで買って(売って)大丈夫なの?!」と思うかもしれませんが、このタイミングではエクスパンション(帯が広がった状態)が続いている限り、高い確率でトレンドが継続します。

▼そのため、逆張り手法よりも大きな利益が狙えることになるんですね。

Bollinger band_ jyunbari

ボリンジャーバンドの設定方法

ボリンジャーバンドの見方がわかったところで、次は設定方法を見ていきますね。

ボリンジャーバンドは、テクニカル指標としてボリンジャーバンドが標準搭載されているFX口座であればどこでも使用することができます。

もし搭載されていない場合でも、テクニカル指標を外部からダウンロードできる業者であれば、ボリンジャーバンドをダウンロードすればOK。

しかし、中には標準搭載無し・外部からのダウンロードも不可という業者もありますので、これから口座開設をするのであれば事前に確認しておくとよいでしょう。

ここでは、MT4での設定方法を紹介していきますが、移動平均線の日数やシグマの設定はどこのFX業者も同じような手順となりますので、覚えておくと便利です。

▼(1)  画面左上の「挿入」をクリックする。

Bollinger band_ How-to-make1

▼(2) サブメニューが表示されるので「インディケータ」「トレンド」「Bollinger Band」と選択しましょう。

Bollinger band_ How-to-make2
▼(3) するとボリンジャーバンドの設定画面が表示されるので、「期間:20」「偏差:1」「スタイル:好きな色」をそれぞれ入力し、最後に「OK」をクリックします。

Bollinger band_ How-to-make3

▼(4) ここまでで±1シグマの設定が完了です。

Bollinger band_ How-to-make4

(5) 次に、±2シグマの設定をするので、再び「挿入」から「インディケータ」「トレンド」「Bollinger Band」と選択していきましょう。

▼(6) 今度は「期間:20」「偏差:2」「スタイル:好きな色」をそれぞれ入力し、最後に「OK」をクリックします。

Bollinger band_ How-to-make5

▼(7) これで4本のボリンジャーバンドがきれいに表示されます。

Bollinger band_ How-to-make6

*ボリンジャーバンドを6本表示させたい場合は、さらに(1)・(2)・(3)の操作を行います。
*±1シグマと±2シグマは違う色を設定すると見やすくなりますよ。

ボリンジャーバンドを利用する際の注意点とリスク

 Bollinger band_ Note

ボリンジャーバンドは移動平均線や標準偏差の統計学がもととなっているテクニカル指標ですので、高確率で値動きを予測することができます。

また、反転のタイミングが目に見えてわかるため、初心者でも扱いやすいというのが魅力です。

ただ、ボリンジャーバンドにはデメリットもありますので、事前にしっかりと理解しておきましょう。

高確率 = 100%ではない

ボリンジャーバンドでは高確率で反転・トレンドのタイミングが予測できますが、100%ではありません

あくまでも統計をもとにした指標ですので、信用し過ぎると大きな損失を出してしまう可能性があるので気を付けましょう。

エクスパンション形状には要注意

エクスパンション形状とは、簡単にいうとボリンジャーバンドのバンドが広がっている状態のことをいいます。

順張り手法ではエクスパンションを狙って売買を行いますが、エクスパンションが起こるとバンドの形状が変わり、どこで決済をするべきかがわかりにくくなるので注意が必要です。

タイミングを逃すと利益が少なくなったり、逆にマイナスになってしまう場合も。

そのため、エクスパンションが続いている際は、こまめにチャートを確認するのが安心といえるでしょう。

さいごに:ボリンジャーバンドをつくって反転のタイミングを見てみよう!

ボリンジャーバンドは移動平均線と標準偏差で構成されたテクニカル指標で、価格変動のトレンドや反転のタイミングを判断することができます。

一般的には「20日移動平均線」で設定を行いますが、21日で設定する人や±3シグマを設定する人も多いです。

そのため、最初は20日・4本で設定をして、慣れてきたらいろいろな設定を試してみるのがいいと思いますよ。

また、今回は基本的な「逆張り手法」と「順張り手法」を紹介しましたが、これらのサインは決して100%ではありません。

サインが出たからといって安易に売買せず、価格やバンドの動きをじっくり観察しながら取引するようにしましょう!

ノマド的節約術の裏話

ブログでは公開していない情報をメールやLINEで受け取れます。無料で登録可能ですので、下記のボタンよりお気軽にご登録ください!

この記事を書いた人

千葉県在住のWebライター。普段はヨガやジョギングでメンタルを整えています!ヨガについての執筆も行なっていますが、メインとしているのは仮想通貨などの金融系や人工知能(AI)関連です。ここでは、自ら運用を行なっているFXについてわかりやすく紹介していけらたと思っています!