配偶者控除等申告書の書き方と計算方法。元給与課担当者が画像つきで徹底解説

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年末調整では、何やら難しそうな書類に記入して提出しますよね。

会社側が詳しい書き方を教えてくれたり、資料が配布さればわかりやすいと思います。

でも、丁寧に教えてくれるばかりではないし資料があったとしても、どうしていいのかわからないことがありますよね。

僕は前職の給与課で、全従業員約250名分の年末調整の処理を1人でしていました。

「提出されてくる書類の間違いが、ひとつでも減るように!」という思いで、とても詳しい資料を作った経験もあります。

このページでは、「配偶者控除等申告書」の書き方や記入例、計算方法について紹介していきますね。

年末調整書類の資料作りの経験を活かし、徹底的に細かくしていますよ!

なお独身の場合、そもそも配偶者がいないので、配偶者控除等申告書は提出不要です。

【配偶者控除等申告書】書き方・計算方法を画像付きで徹底解説

配偶者控除等申告書の書き方

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書

年末調整書類の書き方は、各家庭によってさまざまなパターンがあります。
配偶者控除等申告書も、そうです。

▼国税庁には全部で6つのパターンが紹介されています。

  1. 所得者本人の合計所得金額の見積額が900万円以下で、配偶者の合計所得金額の見積額が38万円以下(収入がない場合)かつ年齢70歳未満の場合
  2. 所得者本人の合計所得金額の見積額が900万円以下で、配偶者の合計所得金額の見積額が38万円以下かつ年齢70歳未満の場合
  3. 所得者本人の合計所得金額の見積額が900万円以下で、配偶者の合計所得金額の見積額が38万円超85万円以下の場合
  4. 所得者本人の合計所得金額の見積額が900万円以下で、配偶者の合計所得金額の見積額が85万円超123万円以下の場合
  5. 所得者本人の合計所得金額の見積額が900万円超950万円以下で、配偶者の合計所得金額の見積額が85万円超123万円以下の場合
  6. 所得者本人の合計所得金額の見積額が950万円超1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額の見積額が38万円以下かつ年齢70歳未満の場合

この中から代表として1番目の書き方を、ノマド的節約術で細かく紹介しますね。

なお、以下に当てはまる場合、配偶者控除・配偶者特別控除を受けることができません。

  • 自分の合計所得金額(見積額)が1,000万円(給与所得だけの場合は、給与の収入金額が1,220万円)を超える場合
  • 配偶者の合計所得金額(見積額)が123万円(給与所得だけの場合は、給与の収入金額が2,015,999円)を超える場合
  • 配偶者が、自分以外の所得者の扶養親族とされる場合
  • 青色事業専従者として給与の支払を受ける場合
  • 白色事業専従者に該当する場合

また、夫婦の双方がお互いに配偶者特別控除の適用を受けることはできません。

配偶者控除等申告書の上部の書き方

▼配偶者控除等申告書の、上の部分から紹介します。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書

▼まずは左側。
記入するところは、以下のとおりです。

  1. 給与の支払者(会社)の所在地等の所轄税務署の名称
  2. 勤務している(在籍している)会社の名前
  3. 会社の法人番号(マイナンバー)は会社が記入するので、書かなくてもよい
  4. 会社の登記住所

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の上部の左側

▼右側です。
記入するところは、以下のとおりです。

  1. 氏名とフリガナ
  2. 住所

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の上部の右側

印鑑を忘れないようにしましょう。
シャチハタはNGですよ。

あなたの本年中の合計所得金額の見積額欄の書き方

▼『あなたの本年中の合計所得金額の見積額』です。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書のあたなの本年中の合計所得金額の見積額

▼左から、合計所得金額の見積額を記入する欄。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書のあたなの本年中の合計所得金額の見積額

▼判定欄。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書のあたなの本年中の合計所得金額の見積額:3区分

▼区分1の欄、という構成になっています。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書のあたなの本年中の合計所得金額の見積額:区分1

順番に紹介していきますね。

左側「合計所得金額の見積額」欄の書き方と計算方法

注意しなければならいのは、収入金額を記入するのではなく所得金額を記入するということ。

でも、たとえば年収が817万円だとしても、所得金額がいくらなのかパッとわかりませよね。

▼配偶者控除等申告書に、合計所得金額の見積額を計算する欄があります。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書のあたなの本年中の合計所得金額の見積額の計算表

▼以下のように記入しましょう。

  1. 給与所得:収入金額等
  2. 給与所得:所得金額
  3. 合計金額

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書のあたなの本年中の合計所得金額の見積額の計算表の記入例

▼所得金額を求めるためには、配偶者控除等申告書の裏面に載っている表を確認します。

記入例の場合、8,170,000円だったので以下の計算式です。

(8,170,000円 × 90%) – 1,200,000円 = 6,153,000円

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の裏面にある給与所得の金額の計算方法

▼求めた合計所得金額の見積額を、上部の欄へ記入します。

【年末調整書類の書き方】あたなの本年中の合計所得金額の見積額を転記する

真ん中の「判定」欄の書き方

▼合計所得金額の見積額を求めたあとは、金額に見合った判定欄にチェックを入れましょう。

  • 900万円以下
  • 900万円超950万円以下
  • 950万円超1,000万円以下

▼6,153,000円だったので、900万円以下にチェックですね。

【年末調整書類の書き方】あたなの本年中の合計所得金額の見積額を転記したもので、区分を判定する

右側の「区分1」欄の書き方

▼さきほど、900万円以下にチェックしました。
この場合は「A」の区分になるので、区分1には「A」と書きましょう。

【年末調整書類の書き方】あたなの本年中の合計所得金額の見積額を転記したもので、区分を判定する

配偶者欄の書き方

▼配偶者欄の書き方です。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の配偶者欄

▼左から、配偶者情報を記入する欄。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の配偶者欄

▼配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の欄。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の配偶者欄

▼区分2の欄、という構成になっています。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の配偶者欄

順番に紹介していきますね。

左側「配偶者情報を記入する」欄の書き方

▼記入するところは、以下のとおりです。

  1. 配偶者の氏名とフリガナ
  2. 配偶者の個人番(マイナンバー)
  3. 配偶者の住所
  4. 配偶者の生年月日
  5. 老人控除対象配偶者の場合、丸印
  6. 配偶者が非居住者である場合、丸印
  7. 配偶者が非居住者である場合、送金金額等を記入(送金関係書類の添付が必要)

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の配偶者欄の記入例

真ん中の「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」欄の書き方と計算方法

▼以下の4つの区分のどれになるのか、判定をしなくてはいけません。

  • 38万円以下かつ年齢70歳以上
  • 38万円以下かつ年齢70歳未満
  • 38万円超85万円以下
  • 85万円超123万円以下

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の配偶者欄の記入例

▼配偶者控除等申告書に、配偶者の合計所得金額の見積額を計算する欄があります。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の配偶者の合計所得金額計算表

▼以下のように記入しましょう。

  1. 配偶者の給与所得:収入金額等
  2. 配偶者の給与所得:所得金額
  3. 合計金額

もし何も仕事をしていない場合は、合計金額に「0」とだけ記入すればOKです。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の配偶者の合計所得金額計算表

▼収入がある場合は、本人の合計所得金額を求めたときと同じく、配偶者控除等申告書の裏面に載っている表を確認し計算します。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の裏面にある給与所得の金額の計算方法

▼配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の欄に反映させましょう。

【年末調整書類の書き方】配偶者の合計所得金額見積額を判定欄に転記する

右側の「区分2」欄の書き方

記入例として、配偶者は『38万円以下かつ年齢70歳未満』なので、該当箇所にチェックをします。

そして、区分2へ区分番号である「2」を記入します。

【年末調整書類の書き方】配偶者の合計所得金額見積額で区分を判定する

控除額の計算欄の書き方

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の控除額の計算

最後に、控除額の計算欄の書き方の紹介です。
先ほどまでの作業は大変でしたが、そのおかげでこの欄は簡単にできます。

▼本人と配偶者の、合計所得金額見積額の区分は以下のとおりでした。

対象者区分
本人A
配偶者2

▼2つの要素が重なったところが、配偶者控除の額です。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の控除額の計算

▼配偶者控除額は380,000円ですね。
この数字を右側の配偶者控除の額欄へ記入します。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書:配偶者控除の額

給与所得者の配偶者控除等申告書の記入例

給与所得者の配偶者控除等申告書への記入は、家庭によってさまざまなパターンがあります。

▼記入例の1つとして、見てくださいね。

【年末調整書類の書き方】給与所得者の配偶者控除等申告書の記入例

▼国税庁には全部で6つのパターンが紹介されています。
基本的に、配偶者控除(配偶者特別控除)の額を求める方法は同じなので、当てはまるものを参考にしてください。

年末調整で記入する書類一覧

年末調整には、記入して提出する書類がたくさんあります。

なお、従業員全員が以下の全てを提出するわけではなく、控除が必要な書類に限りますよ。

▼記入する書類は、以下のとおりです。

▼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除を行いたい場合は、以下の書類も記入して提出します。

  • 住宅借入金等特別控除申告書

「ふるさと納税もやっている!」という場合、年末調整で何か書類を提出して、控除をうけないければならないと思うかもしれません。

でも、ふるさと納税の場合は確定申告で控除手続きをするので、年末調整のときは気にしなくて大丈夫です。

ワンストップ特例制度も利用してみましょう。

おまけ:年末調整をなぜするの?

会社員をしていると、毎月会社から給料をもらいます。
給料からは、所得税がひかれていますよね。

実は毎月の給料からひかれる所得税は、ざっくりとした計算(基準)で行われています。
そのため、1年で考えると多く引かれている場合もあったり、逆に少ない場合もあるんですよ。

また毎月の給料からは、たとえば「生命保険料控除」などを考えて所得税をひいているわけでもありません。

1年の終わりにまとめて各種保険料の控除や、扶養控除などを加味し、納付すべき所得税を導き出します。

年末調整をするからこそ、キチンとした所得税が計算されるんですよ。

年末調整をしない場合は、翌年の2月16日から3月15日までの間に、確定申告を自分でやらなくてはいけませんよ!

さいごに

年末調整事務をしている担当部署の担当者は、数多くの書類を見ているので、書き方について詳しいと思います。

わからないときは、聞いてみるのが一番いいですよ。

参考:給与取得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方
参考:給与所得者の保険料控除申告書の書き方

この記事を書いた人

岡山県在住の主夫Webライター。お金の使い方は「ドケチ」、一方で奥様が「散財系」なので、困っています…。それでも僕としては「お金に愛されている」と思っていますよ。社会保険系・給与系でのお金のこと、福祉的なことをわかりやすく丁寧にお伝えします。あらゆる「手順系」も得意です!

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