ホームベーカリーでコスパよく美味しいパンを焼く方法

森山愛美夏の画像

ホームベーカリー、お持ちですか?

「めんどくさいから」「市販のパンを買ったほうが安いから」という理由で、「家にはあるけれど、今は使っていないよ」という方も多いかもしれません。

わかります。わたしもそういう時期がありました。

とはいえ、ホームベーカリーには「炊飯器でごはんを炊くように簡単にパンを焼ける」「パンが焼ける匂いの中、朝、幸せに目覚められる」「具の量も思った通りに、好きなだけ入れられる」など、いい面もたくさんあります。

市販のパンとは違って、「何が入っているか」が目に見える分、安心な材料でつくれますし、何しろ焼きたての味は格別です。

今回はそんなホームベーカリーの魅力に迫りつつ、なるべく安く美味しくつくることについて書きたいと思います。

市販のパンより安く、安心安全な材料で作るには?

市販のパンはいくらで購入されていますか? 都内23区内在住のわたしの近所では、食パン1斤128円が最安でした。

もっと安いところもあるかもしれませんが、この数字を基準としてよりコスパよく、安心安全なパンを焼く方法をご紹介します。

パンの材料について

まず、美味しさと安さを両立するために、材料を厳選してシンプルにします。入れるものは以下のもののみ。

  • 強力粉
  • 砂糖
  • イースト

牛乳や卵やバターを使わないことで、毎日食べても身体に負担にならないパンが焼けますし、大幅にコストダウンすることができます。

うちは子どもたちに卵と乳製品アレルギーがあるため、ずっとこのつくり方です。発酵の具合をしっかり見ることができれば、とてもふわふわなパンができあがります。

日によって気分によって、いろいろな形にしたり具を入れられるので飽きることもありません。写真は「とうもろこし」「おさかな」「ブラシ」「りんご」の形をしたパンです。

いろんな形のパン

家パンをつくる上で、一番お金がかかるのは小麦粉です。正確には小麦粉だけではなく、様々な種類をつくりたいパンによって、使い分けます。

  • フランスパンやカンパーニュのようなハード系パンを作るには『準強力粉』
  • 地産地消を目指して、もっちりとしたパンを作るには『地粉』(『地粉』は『中力粉』の分類に入るものが多いです)
  • 普通のパンは『強力粉』
  • よくふくらむソフト系パンは『最強力粉』
  • 外皮ごとまるごと挽いて、ミネラル分が多いパンを焼きたいなら『全粒粉』
  • ドイツパンを焼くには『ライ麦粉』

一般的なホームベーカリーで焼く食パンは強力粉が使われていることがほとんどです。今回はまず、この強力粉の価格を考えてみましょう。

「趣味のパン」「コスパのパン」それぞれの特徴と価格を比べよう

個人的な趣味でパンを焼くときは、粉の味が美味しいものを選ぶだけでパンの味も食感もかなり変わります。

たとえば、以下のような種類があります。

  • なめらかで、もっちりとしたパンが焼き上がる北海道産小麦『はるゆたか100%』2.5kg 1,242円
  • 『はるゆたか』の後継種と言われている、安定したもっちり感あるパンが焼ける『春よ恋』2.5kg 892円
  • 断面が少しだけ黄色味を帯びていて、味は甘くて香ばしく、味わい深いパンが焼ける『キタノカオリ』2.5kg 961円
  • よく釜伸びして、ふわふわなパンが焼ける外国産小麦『スーパーキング』2.5kg 885円
  • バケットだけでなく、チャパタやフォカッチャにもよく使われるフランスパン専用粉『リスドオル』2.5kg 766円

(※すべて「富澤商店」の価格を参考にしています。2018年5月17日現在)

これらが一般的ですが、殺菌剤や防かび剤など余計なものが使用されていない粉を探してみました。かつ、さらに安くて美味しい粉がいいですね。

  • 内層がきれいに仕上がると言われている北海道産小麦粉『煉瓦』2.5kg 699円
  • カナダ産の1CWという粉を贅沢に100%使用した強力粉『スーパーノヴァ 1CW』2.5kg 680円

(※両方とも富澤商店では販売されておらず、「mamapan」で販売されているものです)

今回はこのふたつの小麦粉を使ってみました。

『煉瓦』と『スーパーノヴァ』、同じ条件で焼いてみた

mamapanから『煉瓦』と『スーパーノヴァ』、2種類の強力粉を取り寄せました。

同条件で比較したかったので、2日にわたって「ほぼ同じ気温」「ほぼ同じ時間帯」「ほぼ同じ湿度」の頃合いを見計らって焼いています。

本来なら国産小麦と外国産小麦の水分量は変えたほうがよいのですが、今回は比較しやすいように同じ配合で焼いてみました。

材料

  • 水 170ml
  • 甜菜糖 25g
  • 塩 3g
  • 油 10g
  • 『煉瓦』か『スーパーノヴァ』 250g
  • ドライイースト 3g

つくり方

  1. 水、塩、甜菜糖、油、強力粉、の順番で材料を入れていき、イースト容器にドライイーストをセットします
  2. これらをホームベーカリーに入れて焼き上げスイッチを押します

上記の材料は強力粉2.5kgをおよそ690円として計算すると、一斤分で250g使うので69円になります。

そこに甜菜糖、塩、油、イーストを含めても100円以内で収まるでしょう。

煉瓦で焼いたパン

『煉瓦』で焼いたパンはこんな感じに焼けました。高さは17cm。

そして軽い! ホームベーカリーから引き上げたときの軽さに驚き、切ったときのサクッと感にも驚きました。

食感も軽く、ふんわりした印象です。子どもたちは「バター(うちは豆乳マーガリンを使っています)に合う」と言っていました。トーストするとさらに食感が軽くなりますよ。

スーパーノヴァで焼いたパン

お次は『スーパーノヴァ』で焼いたパン。高さは15cmくらい。

今回、どちらかというとずんぐりむっくりな形で焼けました。粉の品質的には『煉瓦』よりふくらむだろうと予想していたので、意外でした。

味はクセがなく、どんなフィリングにもペーストにも合いそうです。

ホームベーカリーをニーダー(こね機)として使い、一次発酵まで使う

ホームベーカリーを粉量300gまでの小型ニーダーとして使い、一次発酵までお任せしたら、自分で好きな形にして焼けるパンもまた楽しいです。

具を巻き込んだり、クリームを入れたり、お惣菜を入れたりと、さまざまなバリエーションがあります。

△白丸パン
△白丸パン

写真はプレーンな白丸パンです。温度を10度下げてじっくりふんわり焼き上げました。

△豆乳クリームパン
△豆乳クリームパン

こちらは外からはまったく見えませんが、豆乳クリームを中に詰めて焼いたパンです。

△ハンバーガー
△ハンバーガー

これは普通の丸パンを上下に割って、ハンバーグと野菜を挟んだハンバーガーです。子ども用なので小さめにつくりました。

トップには、楊枝にマスキングテープを巻きつけてつくった旗を刺しています。

こうすることで可愛いだけでなく、持って食べるときにパンがずれにくくなります。

△バジルペーストを入れた丸パン
△バジルペーストを入れた丸パン

これはつくり置きのバジルペーストを「ちょっと多いかな」と思うくらい入れた丸パン。最後に岩塩のかたまりをパラリと振って焼きました。

△ベーグル
△ベーグル

これはベーグル。ベーグルは、形成後に茹でて焼き上げます。

2次発酵がないぶん、慣れれば70分くらいで焼き上がるので子どもとのお出かけの日に焼いてもよいかと思います。

噛み応えがあるので、歯固め代わりやアゴを鍛えるためのおやつにもよさそうですね。

△カンパーニュ
△カンパーニュ

全粒粉を混ぜた生地をひとまとめに丸め直してカゴで発酵させ、クープ(切れ目)を入れて焼き上げたカンパーニュです。

野菜多めのサンドイッチにとてもよく合います。

安心材料でコスパ良く、美味しいパンを焼く方法 まとめ

味を追求すると、やはりもう少し高い粉を選んだほうが幸せになれるでしょう。

個人的には、市販のパンと同じくらいの価格になっても、わたしは『キタノカオリ』が一番好きかなと思います。
ハードパン好きなので、フランスパン専用粉の「リスドオル」も美味しいですよ。

とはいえ、『煉瓦』は具入りパンや味を付けたパンに向いています。何度か焼くうちに釜伸びの良さを感じられた『スーパーノヴァ』も好きになりました。

子どもたちは一番やわらかく釜伸びする『スーパーキング』が好きなようなので、この『スーパーノヴァ』のやわらかさも好みだったようです。

日常的にいろいろなパンを焼くには『煉瓦』。食パンなど釜伸びしてほしいときは『スーパーノヴァ』が向いていそうです。

そして、材料を絞ることでコスパは大幅によくなりますよ。

バター、卵、牛乳を使わないこと。これだけでより粉そのものの味がよくわかる、低カロリーで日常的にごはんのように食べていけるパンになります。

このシンプルな配合のパンは、発酵の見立てや生地の扱いによってふくらみが変わることもあります。だからこそ試行錯誤していくうちに感覚が研ぎ澄まされていって、パンを焼くのがとても楽しくなります。

時間がないときは、ホームベーカリーに材料を入れてスイッチを押すだけでも焼けるのもいい点だと思います。

ホームベーカリーがご自宅にある方やご興味がある方は、ぜひ自分の生活にフィットした使い方でパン生活を楽しんでみてください。

わたしもパン仲間が増えると、とても嬉しいです!

この記事を書いた人

CM音楽、作詞作曲、歌手、翻訳、ライター、料理講師。 卵乳アレルギーの8歳と1歳の母。出産を機に自分も同じアレルギーを持っていたと知り、卵乳製品を使わない料理やマクロビオティックを実践。中医学(薬膳)も学ぶほぼベジタリアン。作詞作曲業、執筆業のかたわら、さまざまな自然酵母のパンと焼き菓子、妊娠出産授乳期の食事、菜食と肉食ごはんの同時レシピ、アレルギー対応食などを専門としている。