フリーランスになった当初は、とにかくまずは稼ぐことに目が行きがちですよね。
もちろん稼ぐことはとても大切なのですが、他にも自分でしなくてはいけない作業が山のようにあります。
その1つが経理(記帳)です。
駆け出しフリーランスには、まずこの仕組みがわかりません…。
同じような仲間からは「経費にしたほうがいいよ!」など声をかけられるのですが、まるでちんぷんかんぷん。
どうやら青色申告をしたほうがいいし、その前に開業届も出さなければいけないようです!
今ではインターネットや書籍で気軽に調べられますが、何も知らない状態から文章を読んだだけではしっかり身に付きませんよね。
そう思った僕は、地域の自営業者を支える団体「商工会」へ相談しに行くことを選択しました。
商工会はどんな感じだったのか、ちゃんと教えてくれたのかなど体験談を紹介しますね。
住んでいる地域の商工会を探そう
僕は今岡山県岡山市に住んでいます。
岡山市の中心部には『岡山商工会議所』という建物があり、まず頭に浮かんだのはここでした。
てっきり、この岡山商工会議所が地域の管轄と思いましたが、調べていくうちに岡山市周辺が5ブロックにわかれていることを知ったんです。
▼5ブロックとは以下のとおりです。
- 岡山、西大寺
- 妹尾、興除、藤田、灘崎
- 足守、高松、吉備
- 建部、御津、津高、一宮
- 瀬戸、上道
今自分が住んでいるところが、どこのブロックに入るのかを調べて、その地域にある『商工会』に行きましょう。
商工会とは
商工会とは一体どんな組織なのか気になりませんか?
フリーランスになるとかしないと、絶対関わらない組織ですよね。
商工会は、地域の商工業者(個人事業主など)を会員として設立された地域組織です。
会員相互の利益と地域経済の向上発展を目的としています。
▼各会で差はありますが、僕が住んでいる地域の商工会は以下の5つの事柄を相談できますよ。
- 創業相談
- 経営相談業務
- 金融相談業務
- 記帳・税務相談
- 労働保険相談
こんなに相談ができるだなんて、すごく心強いですよね!
今回は『開業届』と『青色申告』のことだったので『記帳・税務相談』を受けてきました。
気になる各種料金
気軽に相談ができるといっても、料金のことが気になりますよね。
僕が今回行った相談は、「もう何もわからず、何をどうしていいのやら…」ということだったので、相談自体は無料でした。
ただし商工会も慈善団体ではありませんので、入会した場合は各種料金が必要です。
▼僕が聞いたなかでは以下の3つがありました。
項目 | 料金 |
---|---|
入会金 | 10,000円(非課税) |
年会費 | 10,000円(非課税) |
申告代行 | 3,300円(税込) |
担当者さんからのお話しを聞いていた僕が、知った顔で「これらも経費にできますか?」と聞いたところ『もちろんですよ』と優しく教えてくれましたよ。
開業届や青色申告について相談の流れ
市役所や銀行などにあるような受付番号札の自動発券機はないので、口頭で相談内容を伝える必要がありますよ。
▼以下のような流れで進みました。
- 受付で「開業届や青色申告について、どんな流れでやるのか、どうすればいいのか相談したい」と伝える
- これまでの経緯と今の状況を伝える
- 開業する場合が管轄の地域なのかの確認(僕の場合は住所や名前を伝えた)
- 開業届や青色申告について軽く説明を受ける
- 開業届と青色申告の税務署提出用書類をもらう
- よかったら入会してね、と勧誘される
この順序で、約1時間担当者さんとお話しをしましたよ。
最後に「入会の勧誘」とありますが、まったくしつこくはなく「よかったらでいいですからね」と軽いものでした。
フリーランスになり開業したばかりで、何もわからない状態であれば入会してみてもいいかもしれませんよね。
開業届や青色申告の軽い説明って、どんなことを聞いた?
開業届も提出していない駆け出しフリーランスにも、丁寧に教えてくれましたよ。
例えば、僕の妻が専業主婦であることを伝えると『専従者給与』のことを教えてくれました。
▼専従者給与などについては、以下のような説明が国税庁のサイトに載っています。
生計を一にしている配偶者その他の親族が納税者の経営する事業に従事している場合、納税者がこれらの人に給与を支払うことがあります。これらの給与は原則として必要経費にはなりませんが、次のような特別の取扱いが認められています。
(1)青色申告者の場合
一定の要件の下に実際に支払った給与の額を必要経費とする青色事業専従者給与の特例
(2)白色申告者の場合
事業に専ら従事する家族従業員の数、配偶者かその他の親族かの別、所得金額に応じて計算される金額を必要経費とみなす事業専従者控除の特例
(注)青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける人又は白色申告者の事業専従者である人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。
引用元:青色事業専従者給与と事業専従者控除の概要
『一定の要件の下に実際に支払った給与の額を必要経費とする青色事業専従者給与の特例』を、よ~く説明してくれたんです!
最初の1年間くらいは、様子見をしていたほうがいいと思いますよ。
例えば、月々30,000円の給与(人件費)を奥様に支払ったとして、1年間で360,000円ですよね。
配偶者控除は380,000円ですので、専従者給与にしていたとしても意味がありません。
その辺りを、よ~く考えたほうがいいです。
そうなのであれば、月々の給与設定を100,000円と多めに設定したいですよね。
でも万が一、月の収入が激減してしまい払えなくなったとしても、払い続けなければなりません。
また、収入が50,000円しかないのに、専従者給与を100,000円に設定している場合もおかしいですよね。
もちろん最初から届出をしても問題はないのですが、開業したばかりは控えめに行動し、事態がよくわかってきてから導入してもよいとのことでした。
めちゃくちゃ勉強になりました。
開業前に購入したノートパソコンは経費にできないのか?
僕は1つ、開業する前に間違った行動をしました。
2018年1月1日付で開業届を出そうと思っているのですが、2017年の年末に新しくノートパソコンを購入したんです。
あ!と気づいたのであれば、記帳に慣れていますね。
そうです、購入時期が開業より前になってしまい、ノートパソコン代を経費として計上できないんです!
困りました…。
そこで、担当者さんに相談したところ以下の回答をもらいました。
開業費として、いろいろとひっくるめた料金を一律計上し、減価償却で処理すればいいですよ
減価償却とは、経費を複数年に分割する仕組みのこと。
相談時でもこのくらい教えてくれるので、入会し会員になった場合はもっとたくさん教えてくれそうです。
日々の記帳を代行してくれるサービスがある
各会によりさまざまな手法があるかと思うのですが、僕が相談に行った商工会では以下のような手順でした。
- 毎日の取引を日計表に記入し月に1度提出
- 商工会が会計ソフト(複式簿記)に入力
- 確定申告代行
これは、経理の知識がないひとや日々時間を捻出したい場合、大いに役立ちそうですよね。
僕もどうしようか悩みどころです。
開業届と青色申告の手順やアドバイス
商工会に相談したところ、開業届と青色申告の書類もいただけました。
▼正しい名称は以下のとおりです。
- 個人事業の開業届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
基本的な書き方は裏面に載っていますが、わからない場合は相談にのってくれるとのことです。
どこまでも力強いですよね!
届出書の提出に関してアドバイスももらいましたよ。
届出書自体に控えがないため、記入したものをコピーします。そして、コピーしたものにも『税務署受付印』を押してもらいましょう。
これをすることにより、いつ届出をしたのかなどがわかるとのことです。
一生懸命に書いた届出書なので内容を覚えているかと思いきや、たった1枚のことなので多くのひとは忘れてしまうそうです。
このアドバイスは、商工会を使わないとしても覚えておきたいものですね。
さいごに
開業届や青色申告の届け出に関しては、自分で行わなければなりません。
でもそのまでの過程や、いざ開業したあとにわからなことがたくさんありますよね。
フリーランス仲間に聞いたり、インターネットで調べて自力で手続きをするのも手です。
そして今回の僕のように、商工会を頼ってもいいですよね。
ひとりで悩まず、まずは自分で行動できる範囲からスタートしてみてはいかがでしょうか。
きっと誰かが助けてくれますよ。