北海道下川町に移住するなら知りたい5つの事業補助金

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こんにちは、「灯台もと暮らし」編集部の立花です。

わたしが北海道下川町という地域へ移住して、もう半年が過ぎようとしています。

毎日楽しくて忙しくて本当にあっという間ですが、本格的に訪れる厳冬を今か今かと(ファイティングポーズを取りながら)待ち構えています。

マイナス30度まで下がるっていうんですから、一体その寒さたるや、どんなものなのでしょうね。

そんな感じですので生活環境で言えば、決してゆるふわなだけの田舎暮らしができるわけではないのが下川町です。

が、最近本当に移住希望の問い合わせや実際に移住して来る方々が増えているなと感じます。

わたし自身、そうした地域での暮らしや仕事に興味がある人向けの部署で仕事をしているので「移住したいんですが・・・」というお問い合わせを、よく受け付けるのです。

その中に何名か「手に職を持っているので下川でも、その生業を築きたい。もっと言えばその事業を展開していきたい」という方もいらっしゃいます。

もちろんいろいろな魅力を感じたり環境に惹かれて下川を選んだという方もいたりと、暮らす場所を選ぶ基準はそれぞれです。

けれどその中でも、上記に該当するような方にとっては「いいな」と思う下川ならではの制度を見つけたので、ご紹介したいと思います。

様々な補助制度がある下川町

手に職を持っていると言っても、その職種は様々です。

インターネットを駆使したデザイナーやエンジニアはもちろん、マッサージ師や美容師、農家、医者、それこそライター、編集者などなど挙げればキリがなく、かなり幅広いんですよね。

個人的には、何かに特化したスペシャリストは自分で働く場所を選べるという印象があります。

では、数ある地域の中から生業を築く場所として、下川町をステージに選んだ場合、どんなメリットがあるのか?

それは、個人事業主であったり法人格を持っていたりすると、新規事業立ち上げに際する補助制度が充実しているという点です。

中小企業支援制度とは

その中でも今回は「中小企業支援制度」というものをご紹介したいと思います。

これは、ざっくり言えば「中小企業が何か新しいことやるなら手助けしますよ! ただし、すでに存在する事業はナシね」というもの。

この制度に該当する中小企業というのは、事業所の住所が町内にある業者に限ります。

支店や支社が下川町内にある、という企業でもOK。個人事業主も、該当します。

もちろん補助金ですので申請するときに審査はありますが、法律や条例にふれなければ基本的になんでも良いとのこと。

この「中小企業支援制度」ですが、大きく分けて4つのタイプに分かれます。

  1. 経営革新事業
  2. 商店街活性化事業
  3. 起業家促進事業
  4. 経営基盤強化事業

4つの事業からさらに細かく分かれるのですが、それぞれからわたしが「魅力的だわ」と感じるものや、これから地域に入ろうとしている人にとっては必要だと思われる補助金をいくつかピックアップしたいと思います。

(1) 事業承継/経営革新事業

下川町に限ったことではありませんが、地域に根付いた企業の後継者がいないのは日本各地の課題です。

本当に良いもの、質の高いものを作っていたり提供していたりする企業が、お店をたたんでしまうのはもったい。

こうした事態を防ぐため、地域の企業や事業に魅力を見出し「これは無くしちゃいけない」と本腰入れて次期経営者を目指す人は、補助金を申請することができます。

申請ができる人として、当てはまるのはこの4タイプです。

  1. 技術指導者(法人を除く)
  2. 承継予定者(法人を除く)
  3. 承継予定者(同一世帯、法人を除く)
  4. 事業承継者(同一世帯、法人を除く)

同一世帯というのは、血縁などは関係なく、経営者と生活を一にする人たちのことを指します。

また、この場合の「法人を除く」というのは、同一法人を除く、ということ。

同じ会社内で社長(役員)を交代する場合は除く、という意味です。

では、それぞれの人がどういった補助金を申請できるか、詳しく見ていきます。

技術指導者(法人除く)

例えば、新しい社長に事業を譲渡し、承継することにしたとします。

その際、もともといた社長に仕事の手順や特殊な技術を教えたりする、継承のための指導に必要な経費を支援するのが、この補助金です。

事業承継のために、そして次期社長が一人立ちして仕事ができるように環境を整えるための補助、というイメージですね。

このケースの場合、補助額は日額3,000円で最大180日間、旧社長に支給されます。

金額は、どんな事業であっても変わりません。

限度額は54万円です。

承継予定者(法人を除く)

これは文字通り、事業を承継する予定の人が受け取れる補助金です。

事業を承継する人が受け取れる補助金の額面は2種類あり、用途によって金額が変わります。

  • 技術を習得するための研修費用や販路開拓のための経費:必要な額面の2/3まで補助が出る。最大50万円まで
  • 設備導入、工事請負費:必要な額面の1/2まで補助が出る。最大250万円まで

承継予定者(同一世帯、法人を除く)

世襲の事業を、他所から人を受け入れ継いでもらうという場合、その次期経営者へも補助金がおります。

この場合は、事業を引き継ぐ時の必要経費に対して補助金が降りるのですが、お金ではなく月額10万円相当の商品券として交付されるというもの。

この商品券は、町内でのみ利用が可能です。

交付される期間は承継が終わるまでの最大12ヶ月間。約1年です。

事業承継者(同一世帯、法人を除く)

こちらの場合は、親族などではない人が事業を承継し、業務を始めてからおりる補助金です。

事業の承継自体は、法務局で登記変更を行った後、「履歴事項全部証明書」の写しを役場に提出して完了です。

月額10万円相当の商品券を最大12ヶ月間受け取れるというルールは変わりませんが、その商品券の交付が始まるタイミングが事業承継後となります。

いざ事業を継いで始めてみると、慣れないことばかりでてんてこ舞い・・・とならないように予防線として申請するにはピッタリです。

(2) 特産品の販路開拓・高付加価値化・生産拡大/経営基盤強化事業

これは中小企業者(もしくは中小企業団体、中小企業任意団体)が、販路開拓のために町外でイベントを打ったり、営業をしたりするための旅費や消耗品代が出る補助金です。

例えば、下川町は森林面積が町面積の9割を占めるので木材を使ったものづくりが盛んです。

その作品の販路を広げるために東京の展示会に出展したり、イベント用の特別なフライヤーや宣伝のための備品を作ったり・・・。

こうした目的も、この補助金を申請できる項目に入ります。

補助率は、金額の3/2で最大限度額は50万円です。

(3) 店舗小規模改修/経営基盤強化事業

こちらは下川町内で、よく使われている補助金だそう。

「ポンと出せる額ではないけれど、すぐになんとかしたい」という事業者さんの要望に合った、一番使い勝手が良い補助金のようです。

お店の建物や設備の修繕に役立てられている補助金です。

ただし、“店舗”小規模改修という補助金ですので、その建物にお客さんが来る場合のみ補助金を使うことができます。

飲食店や物販を行なっているお店、来客のある事務所などが対象で、倉庫などの改修は該当しません。

補助額は全体の2/3、限度額は100万円です。

(4) 就労環境整備/経営基盤強化事業

こちらも(3)と同じく、よく町内の方々が使う補助金です。

従業員がよりよく仕事ができるように、その環境を整えるための補助金であれば申請可能です。

暖房器具の設置や、ゆっくりできる休憩室の確保などに、この補助金が使われています。

こちらの補助額も全体の1/2、限度額は50万円です。

(5) 起業化促進/起業化促進事業

他の補助金と毛色が違うのが、こちらの起業化促進事業の補助金です。

事業計画書を作り、ゼロから企業を立ち上げるための補助金で、その中にも2タイプあります。

  • 事業に必要な技術の習得や研修、販路開拓のための旅費:必要な金額の2/3、限度額50万円
  • 起業に必要な設備の導入、施設の工事・改修費用:必要な金額の1/2、限度額250万円

計画書では、5年先までのビジネスプランを考える必要があります。

その計画書を以て、町内外の人で構成された審査委員会によって審議されます。

ただし、この起業家促進の補助金を申請する際は他の補助金と併用することができません(新年度になれば可能)。

お金の計算をしつつ、自分のやりたいことを具体的な書面とデータに落としていく作業は、ワクワクしつつも気が遠くなりそうですが、これを乗り越えないことには補助金申請できませんし、補助金以前に自分の事業の輪郭が見えません。

こうした計画書は一人で作るのは難しい上に、初めて事業を立ち上げるとなると何から手をつけていいのか分からないですよね。

新しい取り組みに対する補助制度は下川町に限らず、いろいろな入口がありますし、金額の幅はありますが、暮らしている地域の補助金を申請する方が顔が見えているため話が早く、気軽に相談もでき、スピード感を持って申請を進められるメリットもあります。

新規起業の補助制度がある町は、自分のやりたいことを具現化したい人にとってありがたい環境なのでは、と個人的には思います。

補助金の注意点

補助金の申請時期は年度で区切られており、起業化促進以外の補助金であれば併用が可能です。

また、仕組みだけを見ると、今年度使った補助金を来年度もう一度申請して使うということもできます。

ただし、補助金は役場や町内の事業者さん、商工会の動きで内容が変更されることがありますので、年度が変わるごとにどういった補助金がおりるのか詳細を確認をするのが良さそうです。

補助金には、小さく始められる良さがある

北海道下川町

わたしも下川町に来て半年ほど経ちましたが、ここで新しくやりたいことができました。

その思いや内容を話せば、多くの町内の方が「いいね、やってみな」と言ってくれます。

町自体が新しい人たちを受け入れてくれる雰囲気ですので、ありがたく動きやすいのですが、その動きやすさは雰囲気だけではなくこうした補助事業にも後押しされている部分があります。

「やりたい」という思いを汲み取り、まずは小さく身の丈にあった事業規模から始められる手段の一つが、補助金でもあるからです。

どこで暮らしていてもこうした補助事業はあると思うのですが、町の仕組みや姿勢が制度に現れているなと感じたので、他の自治体の補助事業を調べてみるのもおもしろいかもしれません。

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この記事を書いた人

立花 実咲

1991年生まれ、静岡県出身の編集者。これからの暮らしを考えるメディア「灯台もと暮らし」の執筆、編集を担当。いつか書道教室をひらくのが夢。

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