年末調整の保険料控除とは何?控除の種類や手続き方法・紛失時の対処法まとめ

スポンサーリンク

こんにちは!
ライターをする前は、損害保険会社に8年勤めていた朝子です。

保険会社にいたとき、毎年10月は毎日のように「保険料控除」についてのお問い合わせがありました。

保険料控除は、年末調整や確定申告には欠かせない手続きで、ほとんどの場合支払う税金を減らせます。

今回は、年末調整で行う保険料控除の手続きを中心に、確定申告についても触れながら解説していきますね。

保険料控除申告書

年末調整の保険料控除とは?

支払った保険料を所得から控除するための手続き

年末調整とは、会社が社員に代わってその年の所得や税金を計算し、支払う税金に過不足がないようにする手続きです。

会社員であれば、毎年11~12月頃に年末調整があるので、そのときに保険料控除の手続きを会社にお願いします。

保険料控除とは、一年の間に支払った保険料に応じた額が、所得から控除されるという所得控除のひとつです。

仕事をして所得を得ている方は、その年の所得に応じて所得税や住民税などの税金を支払わなければなりません。
税金の負担は、所得が多ければ多いほど大きくなります。

そこで、保険料控除の手続きをすると、所得額から一定の金額を差し引けるため、税金の負担を軽くできるのです。

保険料控除の種類

保険料控除には、以下の4種類があります。

  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除

1つ1つ詳しく見ていきますね。

生命保険料控除

生命保険料控除とは、その年に支払った生命保険料に応じた額を所得から控除できる制度です。

現在、生命保険料控除には一般生命保険料控除と、介護医療保険料控除個人年金保険料控除の3種類があります。

  • 一般生命保険:死亡や入院などを保障する保険
  • 介護医療保険:介護が必要になったときの介護費用を保障する保険
  • 個人年金保険:老後の資金を積み立てておける保険

※ これらは、公的な介護保険・年金などではなく個人で加入する民間の保険のことです。

具体的な控除額は、下記の表にそって計算します。
保険を契約した日によって計算式が変わるのがポイント。

新制度(平成24年1月1日以降に契約された保険契約)では、一般生命保険・介護医療保険・個人年金保険の3つの控除額をそれぞれ計算します。

この3つを合計した全体の控除限度額は所得税が12万円、住民税が7万円です。

新制度(平成24年1月1日以降に締結した保険契約)[所得税]
年間の支払保険料控除額
20,000円以下年間支払保険料全額
20,000円超 40,000円以下年間支払保険料×1/2 + 10,000円
40,000円超 80,000円以下年間支払保険料×1/4 + 20,000円
80,000円超一律40,000円
新制度(平成24年1月1日以降に締結した保険契約)[住民税]
年間の支払保険料控除額
12,000円以下年間支払保険料全額
12,000円超 32,000円以下年間支払保険料×1/2 + 6,000円
32,000円超 56,000円以下年間支払保険料×1/4 + 14,000円
56,000円一律28,000円

旧制度(平成23年12月31日以前に契約された保険契約)では、一般生命保険と個人年金保険の2つの控除額をそれぞれ計算します。
この2つを合計し、全体の控除限度額は所得税が10万円、住民税が7万円です。

旧制度(平成23年12月31日以前に締結した保険契約)[所得税]
年間の支払保険料控除額
25,000円以下年間支払保険料全額
25,000円超 50,000円以下年間支払保険料×1/2 + 12,500円
50,000円超 100,000円以下年間支払保険料×1/4 + 25,000円
100,000円超一律50,000円
旧制度(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)[住民税]
年間の支払保険料控除額
15,000円以下年間支払保険料全額
15,000円超 40,000円以下年間支払保険料×1/2 + 7,500円
40,000円超 70,000円以下年間支払保険料×1/4 + 17,500円
70,000円超一律35,000円

新制度と旧制度の生命保険契約が両方ある場合の控除額

生命保険契約が複数あって、新制度と旧制度が両方ある場合は新制度と旧制度の2つを併用することも可能です。

新制度と旧制度、それぞれの制度に基づいて計算した控除額を合算できますが、限度額は所得税4万円、住民税2万8千円となります。

また、全体の控除限度額は以下の通りになりますよ。

  • 所得税:12万円
  • 住民税:7万円

ただし、旧制度だけで申告したときと比べると控除額が減ってしまう場合がありますので、必ずしも新制度と併用しなければならないわけではありません。

たとえば、旧制度の生命保険契約の年間支払保険料が10万円を超えるときは、新制度と併用しないほうが控除額は大きくなります。

新制度と旧制度の契約が複数ある場合は、金額の大きなものから計算し、旧制度だけで申告したときと新制度と併用したときの控除額を比較して、より大きく控除が受けられるほうで申告すればいいでしょう。

もし詳しく知りたいときは加入している保険会社に問い合わせをすれば、どのように申告するのがいいのか案内を受けることができますよ。

地震保険料控除

地震保険料控除とは、地震への備えとして地震保険に加入することを国がサポートするという名目のもとで始まった損害保険料控除です。

一年の間に支払った地震保険料に応じた額が控除額となりますが、算出方法は生命保険料控除よりもシンプルですよ。

所得税の地震保険料控除額
控除対象保険料控除額
50,000円以下支払保険料全額
50,000円超50,000円

住民税の控除額は、所得税の控除額の1/2の金額です。

また、現在は廃止されており、当てはまる方はほとんどいないと思われますが、平成18年12月31日以前に保険期間10年以上の満期返戻金がある積立系の損害保険契約も保険料控除の対象ですよ。

平成19年1月以降に、保険料の変更を伴う契約内容変更がないことが条件ですが、もし該当する場合は10月頃に控除証明書が送付されてきますので、忘れずに手続きしましょう。

社会保険料控除

社会保険料控除とは、国民年金や国民健康保険などの保険料に対する所得控除です。
支払った社会保険料全額が控除対象となりますよ。

基本的に会社員の方は社会保険料控除の手続きする必要はありませんが、その年に中途入社し、それまで国民年金や国民健康保険料を自分で支払っていた場合は手続きが必要です。

また、家族の分の国民年金や国民健康保険料を支払っているときも、社会保険料控除の手続きをするようにしましょう。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除、あまり聞きなれない言葉ですよね。

おもに個人事業主が加入する、小規模企業共済の掛金の控除手続きができます。
(年末調整は会社員がする手続きなので、年末調整でこの控除手続きをするのはまれです。)

また、近年加入者が増えている個人型確定拠出年金の掛金は全額小規模企業共済等掛金控除の手続きで所得控除が受けられます。

保険料控除の手続き方法

会社員の方は、毎年10~11月頃になると会社から年末調整の手続きをする旨の案内があります。

保険料控除の手続きは自分の分だけでなく、生計をともにする家族の手続きも可能です。

年末調整で保険料控除の手続きをするためには、まずこちらの給与所得者の保険料控除申告書に必要事項を記入していきます。

年末調整の控除申告書②

生命保険料控除は、赤色で囲ったところに、保険会社名や支払った保険料などを順番に記入していきます。

必要事項は生命保険料控除証明書にすべて載っていますので、記載通りに該当の箇所を埋めていけば問題ありません。

地震保険料控除は青色で囲った部分、年金などの社会保険料控除はオレンジ色で囲った部分に控除証明書の内容を記入していきます。

ちなみに、国民年金は控除証明書が発行されますが、国民健康保険料は控除証明書が発行されないことが多い(自治体によっても異なります)ので、領収証などでご自身で支払った保険料を確認してくださいね。

小規模企業共済や個人型確定拠出年金の控除手続きをするときは、緑色で囲った部分に金額などを記入します。

必要事項を記入した申告書に、保険会社から送られてきた控除証明書を添付して会社へ提出すれば、年末調整の保険料控除の手続きは完了です。

控除証明書は毎年10月ころにシーリングタイプのハガキで送られてきますが、契約1年目のみ、契約したタイミングによってはこちらの画像のようなタイプの書面が証券と同時に発行されることもあります。

地震保険料控除証明書

控除証明書を紛失した!再発行はできるの?

通常、10月から11月にかけて各社から送られてくる控除証明書ですが、ついうっかり紛失してしまう…なんてこともありますよね。でも、心配ありませんよ。

控除証明書は再発行が可能です。加入先の保険会社へ連絡すれば再発行の手続きをしてくれます。

問合せ先ですが、契約した代理店や保険会社のHPに載っている契約者専用のフリーダイヤルへ連絡してくださいね。

控除証明書が会社の提出期限に間に合わないかも…というときは、会社によって対応方法が異なりますので、人事や総務などの担当部署にその旨伝えましょう。

また、ほとんどの会社は1月末までを期限に、年末調整の修正・訂正対応をしています。
追加で保険料控除の手続きをしたいときは早めに担当部署へ申し出てくださいね。

もし、1月末まで間に合わなかったり、所属している会社で年末調整の修正・訂正が難しいという場合は、2~3月に行われる確定申告でも保険料控除の手続きができますよ。

個人事業主の方など、確定申告が必要な方も、保険料控除の手続きは確定申告の際に行ってください。

確定申告書と給与所得者の保険料控除申告書の書式が少し変わるだけで、基本の手続は年末調整の保険料控除手続きと変わりません。

さいごに

保険料控除の手続きはもしかすると面倒に感じることもあるかもしれませんが、やることは申告書に必要事項を記入して控除証明書を添付するだけです。

それだけで節税できますので、自分に何か該当する保険料控除の項目はないか、ぜひ確認してみてくださいね。

スポンサーリンク

このページをシェアする!

この記事を書いた人

朝子

北海道に住む、Webライターで一児の母。ライターを始める前は損害保険会社に約8年勤務しており、損保関連の記事執筆を中心に活動しています。個人ブログ「あさこのゆ」もゆったり更新中。

執筆メンバの一覧を見る