チケット代を抑えて良質な舞台芸術が観られる日本のアートイベント5選

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こんにちは、「灯台もと暮らし」編集部の立花です。

わたしは2017年の3月にイギリスへ行き、1ヶ月ほど滞在する予定なのですが、その理由が「イギリスの町の一つであるマンチェスターで、SICK!Festivalという演劇祭が開催されるから生で見てみたい!」というものです。

ノマド的節約術でも何度かアート関連の記事を書かせていただいていますが、アートの中でもダンスや演劇などの舞台芸術がわたしは特に好きです。

ですので、多くの方が作品を見てもらえたらいいなーと思ってこうして記事を書いています。

と、この話をすると決まって「舞台芸術ってチケット代が高そう」という声が聞こえてきますし、実際そういうイメージが根強くあるんですよね・・・。

ですが、それって本当でしょうか?

今回はチケット代がそこまで高くなく、かつアートとして新しい取り組みをしていたり作品自体がおもしろかったりするイベントをいくつかご紹介したいと思います。

チケット代を抑えて良質な舞台芸術が観られる日本のアートイベント

舞台芸術のチケットが高い理由

そもそも、なぜ一般的に舞台芸術のチケット代が高いのでしょうか。

理由をとても単純に言えば、たくさんのキャストや裏方が必要で人件費がかかり、その上舞台装置や小道具などを使うためです。

また、有名な芸能人や役者、タレントが起用されている舞台はキャスティング料が高いため、自然とチケット代も高額になるのです。

演出家や劇団の知名度によって、チケット代がピンキリで設定されているという現実もあります。

けれど、有名な芸能人が出ていても実はチケット代が安かったり、新進気鋭のアーティストたちのおもしろい作品を観られたりする舞台はたくさんあります。

ただそういった作品は、いわゆるハコモノと呼ばれる劇場等の施設を使わず町中で行う作品だったり、実験的な内容(ストーリー)だったりするため、普段演劇を観に行ったことがない人やアートに対して情報収集していない人には馴染みが薄く、どうしても知る人ぞ知る感が出てしまうのです。

そのため、どんなにアートに対する敷居を下げようとチケット代を安く設定しても、作品自体の認知度が高まらずにあまり話題にならないという現象が起きています。

すべての演劇に当てはまる話ではないと思いますが、なんとなくこういう背景があってチケット代が高いというイメージがあるということを分かっていただけたら嬉しいです。

いろいろなバックグラウンドがある中で、一番問題なのは「舞台芸術はチケット代が高い」ということを、舞台芸術好きな人が言ってしまうことだと、個人的には思っています。

冒頭で申し上げたことと、矛盾してしまいますけれどね。

「こんなに素敵な作品がこの価格で!?」というのは、実際たくさんあるんです。

ですので、今日は少しでもその事実に説得力を持たせられる演目をご紹介したいと思います。

良質な作品を観られる舞台

2017年2月現在、日本を中心に開催された演劇・舞台芸術関連のイベントや演目のうち、わたしが今回ご紹介したいのは以下の通りです。

開催時期は直近のものを参考にしています。

上から順番に詳細をご紹介します。

(1)舞台芸術ミーティングin横浜

tpam

横浜で舞台芸術のみならず、アートに関わる専門家と直接話したり議論をしたりできるトークイベントやレクチャーなどもプログラムに盛り込まれているのが舞台芸術ミーティングin横浜。通称TPAM(ティーパム)です。

専門的なトピックについてディスカッションするプログラムもあるため、一般参加者は行きづらいと思われがちですが、そんなことはありません。

TPAMには「プロフェッショナル」と「オーディエンス」という2種類のチケットがあります。

「プロフェッショナル」は業界人向けのチケットですが、一般観客向けの「オーディエンス」のチケット価格は、1,000から3,000円で全席自由です。

プログラムの多くは、日本以外の欧米やアジアで高い評価を受けた作品たち。中にはTPAMが世界初公演という演目もあります。

こうしたクオリティの高い舞台を横浜で、しかも3,000円以内で観ることができるというのは貴重なチャンスです。

内容は確かに分かりづらかったり、共感しにくいものだったりするかもしれません。

でも「つまらないかもしれない」「難しいかもしれない」という冒険を、TPAMならばそこまで高価格ではないため気軽にできるできるのです。

横浜という立地も、観劇だけではなく周辺を観光したり買い物したりできるエリアです。

週末のお出かけプランに組み込んでみてはいかがでしょうか。

(2)ふじのくに⇄せかい演劇祭2017

ふじのくにせかい演劇祭

ゴールデンウィークに開催される「ふじのくに⇄せかい演劇祭」。

イベント自体の名前は何度か変わり、現在の演劇祭の形になってから今年で開催7回目を迎えます。

メイン会場となる静岡芸術劇場は、JR東海道線の東静岡駅から徒歩3分ほどでとても分かりやすい立地です。

電車もローカル線を乗り継いで来られるアクセスの良さで、東京からも近いため遠方からのお客さんも多いのが特徴と言えます。

チケット代は一般が14,000円で、SPACの会会員になると12,000円です。

一演目ずつだと一般が4,100円、SPACの会会員は3,400円になります。

全部で10作品ほど上演されるのですが、これがSPAC会員だと12,000円ですべて観られるというのは、破格の安値です。

ちなみに東京ですと1公演で10,000円するチケットなんかもありますので、その安さが分かっていただけるかと思います。

この安さの理由は、SPACが公立事業団として活動しているから。税金を使った文化事業として舞台芸術作品を作り、上演しているのです。

関東圏に住んでいる方は電車でも行けるため、ゴールデンウィークの渋滞など気にせず足を運べるのも魅力の一つです。

(3)豊岡アートシーズン

豊岡アートシーズン

豊岡アートシーズンは、2016年から本格的に始まった芸術祭で、実はまだわたしは行ったことがありません。

でもずっとずっと気になっていて、もし今年もやるなら行きたいなと思っている芸術祭の一つです。

兵庫県豊岡市が主催となり、演劇のみならずコンサートや狂言もプログラムに組み込まれていて、様々な舞台が好きな観客が集まるイベントになっています。

演目ごとにチケット料金が設定されており、無料のワークショップなども開催されています。

まだ始まって間もないフェスティバルなので、施設や美術館などの連携が今後もっと取れてきたら、セットチケットなど割引が効くものが出て来るかもしれません。

また、子どもたちが一緒に楽しめる演目が多く、託児サービスもしっかりしているようです。ほとんどが子どもは無料か500円ほどで観劇、もしくは参加できるので、家族で舞台を楽しみたい人にとってはとても行きやすい、優しい環境かもしれません。

(4)SCOT Summer Season

scot

日本の各地の特色や地の利を活かしたアートフェスティバルは今や数えきれないほどありますが、SCOTはその先進事例といっても過言ではないお祭りです。

鈴木忠志さんという日本を代表する演出家が、富山県南砺市の利賀村という過疎地帯に拠点を構えており、夏になるとそこを舞台に展開される演劇祭がSCOTです。

会期中は、利賀村内にあるキャンプ場か旅館に宿泊をして、10日間ほどのプログラムを楽しむというスタイルが一般的かと思います。

そして実は、SCOTは公式ではチケット料金が設定されていません。

見にいきたい人は事前にインターネットで席を予約をする必要があり、チケット料金は当日、ドネーション(寄付)という形で集めます。

ですから、「この舞台、あんまり好きじゃない」とか「素晴らしかった!」という自分の感想に応じてチケット料金を決められるのです。

これはお客さんと主催側の信頼関係がないと成り立たない演劇祭だと思います。

今のところ、都内の舞台芸術関連のイベントで完全にドネーション形式で演目を行なっているものは、わたしは知りません。

当日は「お志」と書かれた箱にお金を入れます。1万円払う人もいれば、1,000円の人もいます。

「安いから」という理由だけでSCOTを見に来る人は皆無だとは思いますが(なにせ利賀村自体がかなり遠いところにあり、行くのが大変なので)、利賀村はキャンプ場としても利用する方が多い場所です。

ですので、キャンプを楽しみつつ「ちょっと演劇を見てみようかしら」という方にオススメしたいフェスティバルです。

演目自体の質はもちろん、各国から集まって来る客層の広さを体感し、かなり刺激的な時間を過ごせると思います。

(5)東京芸術祭

東京芸術祭

東京芸術祭は、豊島区を中心に展開する舞台芸術祭です。

2016年より、規模と名前を変えてプログラムが組まれ、チケットや公演内容はかなりピンキリ。有名な芸能人が出ている舞台もあれば、そうでないアバンギャルドなものも混在しています。

会期中の中でも特にオススメしたいのは、フェスティバル・トーキョーという舞台芸術祭です。

海外の有名アーティストを招聘して公演される場合は、若干チケットの値段が張りますが、日本の若手の演劇を2,000円前後で観られるのは本当に滅多にない機会なんですよね。

もともと演劇好きであれば、自分で注目のパフォーマーや劇団を探して来る、なんてこともあるかもしれません。

ですが、普段から親しみがない人にとってはこうしたフェスティバル形式のイベントに参加することで、どんな演目が行われているか分かります。

フェスティバルの性質上、劇場の外でも公演が行われたりして開けた雰囲気があるため、新しい世界に触れられる良いチャンスなんじゃないかと思うんです。

劇場前の広場を使った盆踊りや、劇場に座って見るだけではないプログラムも多彩に揃っていますから、2017年版の開催時には是非足を運んでいただきたいです。

舞台芸術祭のチケット代は高くない

おそらく「チケット代が高い」というイメージは「舞台にそこまでお金をかける価値がわからない」からなんじゃないかと、個人的には思っています。

確かに、思い切ってお金を払って観ても、大して面白くないかもしれません。

どんなに「いい舞台だよ」と言われても、2時間くらい拘束されるのなら友達と遊びに行きたいと思うかもしれません。

ですが、新しいもの、異質な世界は、今までの自分になかった扉を開けてくれる可能性があります。

もしかしたらそうした新しい世界への入り口が、舞台にあるかもしれないのです。

舞台芸術に親しみがない方は、「内容がわからない」「難しい」と決めつけずに、まずは知っている役者さんが出ているものや、舞台に詳しい人に連れて行ってもらうことから始めていただけたら嬉しいです。

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この記事を書いた人

立花 実咲

1991年生まれ、静岡県出身の編集者。これからの暮らしを考えるメディア「灯台もと暮らし」の執筆、編集を担当。いつか書道教室をひらくのが夢。

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