ライターの森山です。
格安SIMは気になってはいても情報が多すぎて比較しづらく、「なんかお得っぽいけど調べるのめんどくさい」と諦めてしまうサービスでした。
我が家もソフトバンクの契約更新時期がやってきて、ようやく重い腰を上げて調べてみました。

ソフトバンクから格安SIMに移行するには?
世の中の格安SIMのほとんどは、docomoとauの回線を使っています。
しかし私たちはソフトバンク組です。
ソフトバンクの回線を使った格安SIMはY!mobileしかありません。
Y!mobileで検討した結果、あまり割安感がないことも分かってしまいました。
それでは一体どこへ行けばいいの?ということを、夫婦で真剣に話し合って考えてみることにしました。
同じような条件で検討したい方は、ぜひ参考になさってみてください。
最初に:現状把握をする
私たちの現状の契約は、ソフトバンクでiPhoneを24回払いの割賦契約をしています。
もうすでに、端末の分割払い自体は終了目前という感じです。
また、家のインターネット回線をソフトバンク光(現在でちょうど1年経過)にしているので、現在のスマホの料金にインターネットとのセットの割引が効いています。
この現状を踏まえ、現在契約しているソフトバンクの月額を基準にiPhone6を割賦が終わったあとも今のまま使い続けた場合、iPhone7(夫)、iPhone7 Plus(私)に買い替えた場合の2つのケースで比較&検討してみました。
現状の月額使用料と割引は?
2016年11月のiPhone6の月額は、機種代込みで7,375円、iPhone6 Plusは機種代込みで7,943円、合計15,318円でした。
この合計額は「月月割」という割引きと「タダで機種変更キャンペーン割引」(スマホ下取り割引)、さらにソフトバンク光に加入していることによる割引(−1,410円x2)がされた場合の月額です。
先ほどの合計の15,318円が、いろいろなサービスを比較する際のベースの金額だと覚えておいてください。
ケース(1)端末を買い換えず、ソフトバンクを使い続けた場合
次に、現在の割賦が終了後、このままiPhone6、iPhone6 Plusを使い続けた場合を見てみます。
iPhone6と6Plusを使い続けた場合、「月月割」と「タダで機種変更キャンペーン」の割引は効かなくなります。
そのためそれぞれの月額はiPhone6が7,093円、iPhone6 Plusも7,093円、合計14,186円になりました。
つまりiPhone7シリーズに機種変更するよりも、1,132円(15,318-14,186=1,132)安くなります。
もともとソフトバンクは機種代に大きく割引きを設定しているので、割賦が終わっても大きく値段が下がらないことがわかりました。
ケース(2)iPhone7シリーズに機種変更し、ソフトバンクを使い続けた場合
夫が「あまり金額が変わらないならiPhone7でモバイルSuicaが使いたい」ということで、ソフトバンクでiPhone7とiPhone7 Plusに機種変更するのも比較してみましょう。
ソフトバンクの公式サイトにあるシミュレータを使って計算します。
iPhone7、iPhone7 Plusともに128GBを選んだ場合、ソフトバンク光の割引も入れるとiPhone7は7,353円、iPhone7 Plusは7,938円になり、月額基本料の合計は15,291円になりました。
ただし、ソフトバンク光の割引は割引開始から2年経つと、500円ずつ割引き額が減ってしまいます。
現在、既に1年経過しているので、あと1年経過するとiPhone7の月額使用料は7,853円、iPhone7 Plusが8,438円で合計16,291円になります。
iPhone7シリーズに機種変更した場合、我が家の月額基本料は1年間は15,291円、あとの1年は16,291円になることが分かりました。
次に:格安SIMに求める条件を明確にする
私たち夫婦はお互いにAppleのパソコンをずっと使用していますので、スマートフォンもiPhone一択です。
また、格安SIMに求めるスペックとしては、以下の通りです。
- テザリングができること
- 夫婦で2回線、通話ができるプランで、MNP(ナンバーポータビリティ)を利用できること
- データ容量が2人で5GB前後
- 通話に関して、普段は1回3分くらいでも月1回程度30分くらい通話することがある
- 留守電サービスがある
- 価格の面からシェアプランがあると嬉しい
私たちの現在使用しているiPhone6と6Plusは、SIMロックを解除することができません(iPhone6sからSIMロック解除可能になっています)。
そのままSIMカードだけを変えて使うことはできないため、今回はAppleでSIMフリーのiPhone7(128GB)、iPhone7 Plus(128GB)を購入して格安SIMに移行する方向で検討しました。
端末料金は、iPhone7は24回払いで月額3,700円、iPhone7 Plusも24回払いで月額4,300円、合計で月に8,000円かかることになります。
これは、どの格安SIMに移行しても必要な固定の月額料金です。
また、テザリングは頻繁には使用しないのですが夫の仕事上、最優先したい条件なのですが、調べてみるとiPhone7でテザリングができるのは現状docomo回線の会社のみということが分りました。
さて、それでは一体私たちはどの格安SIMに移行すべきなのか!?
必須条件に則して、docomoの回線を使っているSIMを優先的に調べてみました。
(1)DMMモバイル
DMMモバイルはdocomo回線で、テザリングが使える格安SIMです。
魅力的だと思ったのは、シェアコースというサービスでした。
「通話SIM2枚+データSIM最大1枚の8GBプラン」が我が家に適合するプランで、月額がなんと2台で3,380円! 安い!
留守番電話のオプションを2人分追加すると、月額でプラス290円×2ですが、それでも2台で月額3,960円。
かけ放題オプションや割引は無いようですが、この金額はとても魅力的です。
ですのでDMMモバイルの格安SIMにする場合は、月額11,960円(3,960+8,000)になります。
現在のiPhone6の状態との差額は月額3,358円、2年間で80,592円お得になるという計算です。
通話が30秒につき20円かかるようですので、月に1回30分話すと1,200円ですが、まあ1回程度なら許容できる範囲だと思います。
「いきなり本命の格安SIMに出会えた!」と感動したのですが、MNPにちょっと惜しいところがありました。
シェアコースでは、MNPが使えるのが1契約につき1回線のみとのこと。そのため2回線目は新規の番号でないとダメなようです。
私たちは夫婦とも自営業ですので、MNPが2回線出来ないと移行がちょっと大変になります。
うーん、惜しい!
(2)IIJmio(みおふぉん)
IIJmioはdocomo回線とau回線、両方あるようですが、テザリングができるのはdocomo回線のみです。
我が家が適合するプランは、「タイプDのライトスタートプラン(月額2,220円)」になります。
ライトスタートプランは、データ量が6GBのプランで音声通話SIMを1枚月額1,100円、手数料2,000円で追加(主回線と合計2枚まで)することが出来ます。
ここまでで、月額は3,320円(手数料は除く)。DMMより60円安いです!
通話の割引は「みおふぉんダイアル」というアプリを使うことにより、30秒10円で電話できます。
さらに月額600円を追加すれば、どこにかけても3分通話が無制限になるオプションがありますので、私たちの場合はこれも選択したいところです。
留守番電話のオプションがプラス300円になりますので、これらを2台分合算すると2人で月額5,120円(3,320円+900円×2)になります。
というわけで、IIJmioに移行した場合の月額使用料は13,120円(5,120+8,000)。現在のiPhone6との差額は月2,198円で2年間の差額は総額で52,752円です。
IIJmioは2回線ともMNPが使えるとのこと!
その際、まず1回線目契約をして、そのあとSIMを追加しMNPを利用して2回線目を作ることが必要だそうです(2017/1/16まで追加SIM分の月額400円x3ヶ月+追加手数料2,000円が無料のキャンペーン中です)。
(3)BIGLOBE SIM
BIGLOBE SIMもdocomo回線です。
テザリングに関して、BIGLOBEに問い合わせたところ「対応機種であれば使えると思うが動作保証はできない」とのことでした。
iPhone7はテザリングできると思いますが、明確な答えをいただけなかったのがちょっと残念。ですが、サポートの方の対応は迅速で良かったです。
BIGLOBEでも「シェアSIM」というプランがあり、SIMを追加することができます。
我が家の条件に適合するプランは、6GBのデータ容量の「ライトSプラン」で月額2,150円のもの。
これにシェアSIMで通話SIMを1枚、月額900円と手数料3,000円を追加することで2回線確保できます。
ここまでで、月額は3,050円です。
通話は「BIGLOBE でんわ」というアプリを使うことにより、30秒10円で電話ができます。
さらにBIGLOBE自体でも、アプリ不要で月額650円で3分かけ放題のオプションを付けることも可能です。
留守番電話のオプションは月額300円なので、これも選択して先ほどの月額3,050円と2台分オプションを合算すると4,950円(3,050+950×2)になります。
そのためBIGLOBEモバイルを使った場合の月額は夫婦で12,950円(4,950+8,000)で、現在のiPhone6との差額は月2,368円、2年間では56,832円になりました。
今のところ1番条件に合っているかもしれません!
BIGLOBEでもMNPは2回線とも使えますがIIJmioと同様に一度1回線目の契約をした後に、SIMを追加しMNPを利用した後なら2回線目を作ることができます(2017/1/31まで、1回線目が6ヶ月間600円割引きになるキャンペーン中です)。
(4)楽天モバイル
楽天モバイルもdocomo回線で、iPhone7でのテザリングも問い合わせたところ、問題ないとのことでした。
こちらで私たちが適合するプランは、通話SIM 3.1GBプラン(月額1,600円)です。
楽天モバイルでは、DMMモバイルのような複数回線使うことで割引になるプランが存在しないので、2回線必要な私たちの月額基本料は3,200円(1,600×2)になります。
通話は「楽天でんわ」というアプリを利用すると30秒10円で利用でき、さらに月額850円で「楽天でんわ5分かけ放題」のオプションを追加できます。
留守電は「スマート留守電」という、留守電の内容を文字に起こして表示してくれるオプションが月額290円かかります。
基本料と、先ほどの「楽天でんわ5分かけ放題」「スマート留守電」を2回線分合わせると月額5,480円(3,200+1,140×2)になります。
ですので、夫婦の月額使用料は13,480円(5,480+8,000)です。現在のiPhone6との差額は月1,838円になり、2年間では44,112円お得という計算でした。
MNPも利用可能で、2回線それぞれで手続きをすれば大丈夫そうです。
楽天を利用されている方は、楽天カードで支払いをすることで楽天ポイントが貯まりますし、ポイントでの支払いも可能なので、かなりお得になる可能性があります。
(5)mineo
mineoはdocomo回線とau回線を選択できますが、テザリングを利用する場合は、docomo回線を選択しましょう。
mineoの中で私たちに適合するプランは、音声通話も出来る「Dプランデュアルタイプ3GB」(月額1,600円)になります。
このDプラン3GBにした場合は、基本料金は2回線分の月額3,200円(1,600×2)です。
しかし、mineoでは「家族割」という割引きがあり、家族で契約した場合は契約された回線すべてに50円の割引が適応されるので、先ほどの基本料3,200円から100円(50×2)を引いた3,100円が月額基本料になります。
通話に関してはアプリなどは今のところまだありませんが、月に最大30分間通話が出来る定額サービスが月額840円で、追加できるようです。
月に最大60分のサービスもありますが、今回は他社との比較のためにも30分の方で計算しますね。
この通話の定額サービスに留守番電話(月額300円)のオプションを追加すると、夫婦の月額は5,380円(3,100+1,140×2)になりました。
結果、月額は夫婦で13,380円(5,380+8,000)です。
現在のiPhone6との差額は月1,938円になり、2年間では46,512円お得になります。
MNPの利用も可能で、2回線それぞれで手続きをすれば大丈夫です。
また、2017/3/1から専用アプリを使って30秒10円での通話と、5分かけ放題のサービスが月額850円で始まるようです。楽しみですね。
(6)FREETEL(フリーテル)
FREETELもdocomo回線で、iPhone7のテザリングも問題ない格安SIMです。
FREETELは、通常の月データ量を決めて契約する定額プランの他に、従量制プラン(使った分だけの料金を支払う)もある会社です。
データ量が月によって変動する人には使いやすいかもしれません。
また、定額制プランを使っているユーザーのみですが、SNSや特定のアプリのデータ通信は月の使用データ量にカウントされない無料サービスが充実しています。
今回は比較のため、定額制の料金を検討したいと思います。
FREETELの中で私たちに適合するプランは「for iPhoneの音声付きの3GB」になり、月額基本料が3,200円(1,600×2)になります。
シェアプランや複数回線の割引は無いとのことでした。
通話には「FREETELでんわ」というアプリを使うと30秒10円で通話でき、さらに「5分間かけ放題」のオプションを月額840円で追加することができます。
かけ放題に関しては他社には無い「1分間かけ放題」月額399円もありますが、今回は電話をよく使う場合を考えたいので「5分間かけ放題」の方で比較してみみます。
留守番電話のオプションは月額300円ですので2人で5,480円(3,200+1140×2)になりました。iPhone2台分(8,000円)を足すと、月額13,480円です。
現在のiPhone6との差額は月1,838円になり、2年間では44,112円になります。
MNPは2回線とも利用可能で2回線それぞれで手続きをすれば大丈夫ですが、同時にMNP2回線の開通は出来ないそうなので、まず主回線を契約して、その後2回線目を契約する必要があります。
今回は他社との比較のため取り上げませんでしたが、私たちは月データの使用量が大きく変わる傾向があるので、従量制の「使ったぶんだけ安心プラン」が魅力的に見えました。
ちなみに定額制と従量制のプランは、後から双方への切り替えも可能です。
まとめ:サービスの比較・検討は大変!横連携があると尚よし
ここまで、私たちに適合しそうな各社のプランを探して書き出してみました。
今回比較したのは、月額のランニングコストですが、各社とも初月は2,000~3,000円の事務手数料がかかります。
ソフトバンクでの現在の料金と比べると安くなりますが、格安SIMのプランを比較してみると、割安感はどれにしてもだいたい同じくらいかなと思えてきます。
価格としてはDMMが安くて魅力的ですが、通話アプリの割引がなく、かけ放題のオプションもない状態での計算になっています。
また、シェアSIMというプランではMNPが1回線しかできないという、とても惜しい仕様。
それらの点を考えると、私たちが求めるスペックで一番安いのはBIGLOBEではないかという結論になりました。
iPhone7でのテザリングの動作保証がないのですが、おそらく大丈夫であろうと踏んでいます。
あと不安が残ることといえば、各社のかけ放題時間を超えた場合の通話料金です。
それだけでなく、通話の音質、実際のサービス内容などもまだまだ気になります。
現状BIGLOBEが一番良さそうなプランですが、今後LINEやSkype、Googleハングアウト、050プラスなどの音声通話サービスも比較してみてから「ソフトバンク継続か、それとも格安SIMか」の結論を出すべきかもしれません。
というわけで、次回は「音声通話サービスについて」を調べてみたいと思います。
契約した後になってから「やっぱり戻りたい」となってはいけませんからね。
最後に今回の比較についてですが、各社のwebページを比較するのはとても骨の折れる作業でした。
街角にある保険の相談窓口のような、「自分に最適な会社とプランを教えてくれるサービスがあったら、もっとラクなのに」と何度思ったことか。今後に期待したいと思います。