保険会社で働いていたこともある、webライターのなつみとです!
生命保険って、必要な気はしているけど、実はよく分からないという人がとても多いんです。なんとなく加入を決めたり、加入しないままになったりしているんですよね。
でも、それだと保険料の払い過ぎで無駄になっていたり、逆に保障が足りなくて万が一のときに生活に困ってしまうことになります。
そこでこのページでは、保険会社出身で、生命保険に関する記事も多数書いてきたわたしが、生命保険の基本について解説します。
最低限知っておいてもらいたい知識を凝縮しましたよ!
生命保険は最低限の仕組みだけ知っておけばいい
生命保険について詳しくならなくても、基本的な仕組みだけわかっていれば大丈夫です。
生命保険はネット契約と似ています。
スマホの契約を思い浮かべてください。
- 基本料金+通信プラン料金+通話料+オプションという料金体系が多い
- 通話やメール、インターネットができる
- アプリを入れることでゲームやスケジュール管理などいろいろ役立つ
これぐらいのことさえわかってれば、あとは自分で調べたり、ショップの店員さんに相談したりできますよね。
生命保険も同じなんですよ。
基本を知らないと「何を相談すればいいのか分からないからもういいや!」と先延ばしにしてしまいます。でも、基本だけわかっていればあとは何とかなるものです。
以下からは、生命保険がそもそも何なのか、最低限知っておきたい知識を紹介していきますね。
生命保険と社会保険・国民健康保険の違い
○○保険という言葉はたくさんありますよね。先に整理しておきましょう。
大きく分けると、保険というのは「公的保険」と「民間保険」に分けられます。
公的保険にはこんなものがあります。
- 健康保険
- 年金保険
- 労働保険(雇用保険+労災保険)
- 介護保険
いわゆる「社会保険」と呼ばれる保険のことを、公的保険と呼びます。
一方、民間保険にはこんなものがあります。
- 死亡保険
- 医療保険
- がん保険
- 個人年金保険
- 学資保険
- 養老保険
- 傷害保険
- 所得補償保険
- 自動車保険
- 火災保険
民間保険は種類が多く、上記のほかにもまだまだたくさんありますよ。
民間保険はさらに「生命保険」と「損害保険」に分けられます。
基本的には、こんな感じです。
- 生命保険……病気やケガ、死亡時の保障をする
- 損害保険……受けた損害を補償する
病気やケガ、死亡時などに備えるのは生命保険なので、ここでは損害保険の話は割愛しますね。
保険とは助け合い。相互扶助の仕組みです
保険は、イギリスの牧師さんたちが始めた積立制度がルーツだと言われています。
牧師さんが死亡した際には大々的にお葬式をおこなう慣習があったそうなのですが、大々的にとなるとお金もかかります。
「みんなで日ごろから少しずつお金を出し合って貯めておこう。そして、この中の誰かが死んだら貯めたお金でお葬式代を払おう」ということにしたんですね。
長生きすれば支払う金額も多くなってしまいますが、早くに死亡してしまったときにはみんなのお金が使えて助かります。
得する人もいれば損する人もいるけれど、お金が貯まる前に死亡してしまうリスクは誰にでもあるのだから、みんなのリスクを減らせていいだろうってこと。
「みんなでお金を出し合って、メンバーの誰かに万が一のことがあれば貯めたお金で助ける」
これは、今の保険制度と同じです。
保険について損得を考える人も多いのですが、損得でいえば損する人も多いのが保険です。
でも、保険の目的はお金をもらうことではなく、リスクを減らすこと。
お金が貯まる前に死亡してしまった、病気になってしまった、という人でもお金に困らないようにするのが保険の目的なんです。
つまり、お金が十分にあって、何があっても困らない人は保険に入る必要はありません。
実は、牧師さんたちが始めた積立制度も、「若い牧師ばかり負担が大きいから嫌だ!」と言い出す人がいてなくなってしまったのだそう。
近代に入ってからはそうした不公平感をなくすために統計学が利用されるようになり、今の保険制度にも活かされています。
生命保険の種類には4つの型がある
民間保険である生命保険には、いろんな商品があります。
でも、実は形としては4パターンしかないんですよ。それが、以下の4つです。
- 終身保険タイプ
- 養老保険タイプ
- 定期保険タイプ
- 年金保険タイプ
保険会社の商品によっては、複数の保険タイプを組み合わせたものもありますが、分解するとこれだけのタイプしかないんですね。
1つずつ見ていきましょう。
終身保険タイプは死ぬまで続く保険
終身保険の特徴は以下の通りです。
- 保障期間が一生続く
- 死亡保障の終身保険なら確実に保険金がもらえる
医療保険にも終身保障タイプがありますが、医療保険の場合は必ずしも病院にかかるとは限らないので、確実にお金がもらえるとは限りません。掛け捨てになることもあります。
養老保険タイプは確実にお金がもらえる保険
養老保険タイプの特徴は以下の通りです。
- 保障期間が限られている
- 保障期間内に死亡した場合は保険金が受け取れる
- 保障期間が終了しても保険金が受け取れる
養老保険は解約しない限りは確実に保険金が受け取れる保険ですが、その分保険料も高いです。
定期保険タイプは掛け捨てで一定期間だけの保険
定期保険の特徴は以下の通りです。
- 保障期間が限られている
- 保障期間内に死亡した場合は保険金が受け取れる
- 保障期間が終了したらお金は返ってこない
掛け捨ての保険ですがその分保険料はかなり安いです。一定期間だけ大きな欲しいという人にはぴったりの保険タイプですよ。
年金保険タイプは貯金に似ている保険
年金保険には、こんな特徴があります。
- 一定期間積み立てたのちに、年金を受け取れる
- 積立期間中に死亡した場合はそれまでに払ったお金相当分が返ってくる
個人年金保険の形ですね。ほかの保険タイプと違い、はじめのうちは大きな保障はありません。
生命保険の知っておきたい商品タイプとその保障内容
ここからは、さらに詳しく商品タイプを解説しますね。生命保険にもいろんな種類がありますが、ここでは基本として知っておきたいタイプを紹介します。
保障内容別に見ると、このような商品タイプがありますよ。
- 医療保障
- 死亡保障
- 介護保障
- 老後保障
医療保障~病気やケガに備える~
医療保障の保険には、おもに医療保険とがん保険が該当します。
入院や手術をしたときに給付金を受け取れるのが医療保険。
その中でもがんに特化しているのががん保険です。
死亡保障~遺族の生活やお葬式代として備える~
死亡保障の保険には、終身保険や定期保険といったタイプがあります。
終身保険だと確実に保険金を受け取れますが、その分保険料はかなり高くなりますよね。
定期保険の場合は保障期間の長さにもよりますが、基本的には掛け捨てなので保険料は安いですよ。
逓減(ていげん)定期保険、収入保障保険といった商品も、定期保険の一種です。
介護保障~要介護状態に備える~
公的保険にも介護保険はありますが、民間の介護保険もあります。
一番の違いは、若くても保障が受けられる点です。
公的保険の場合は40歳未満だと対象になりません。
40歳以上でも、65歳までは対象範囲が限られています。
公的介護保険でカバーしきれない点を補うのが目的で加入する人が多いですよ。
老後保障~老後に備える~
老後保障としては、個人年金保険が基本となります。
公的年金だけでは生活費が足りない・貯蓄が足りないという場合に、個人年金で備えることになります。
生命保険に入るかどうかを判断する方法
生命保険は誰もが入るべきものではなく、必要なとき・必要な分だけ加入すればいいものです。
生命保険に加入すべきかどうかは、簡単な算数で分かります。
今、万が一死亡した場合に、残された家族の生活費として7000万円必要だとします。そのうち、4000万円は遺族年金や貯蓄、会社の死亡退職金などでまかなえるとしましょう。
すると、3000万円足りないことになります。この3000万円分を、生命保険で備える。
保障額は多いほどうれしいですが、保障額が増えるほど保険料も高くなってしまいますから、必要最低限だけ加入しておくのが基本です。
必要保障額を計算するのが大変
計算の仕組み自体は簡単なのですが、実際には「遺族年金がいくらになるのか分からない」「遺族の生活費がいくらぐらいになるのか分からない」など、分からないことは多いです。
そこで頼りになるのが、FPです。
FPとはファイナンシャルプランニング技能士のことで、国家資格の1つです。
家族構成や資産状況などから、その人に必要な保障額・必要な保障期間を教えてくれますよ。
保険会社や保険代理店にもFPはいますし、もしくは独立開業しているFPに相談する方法もあります。
生命保険が分からない人ほどプロに相談すべき
保険会社で働いていたころの写真です
保険会社で働いていたときに思ったのが、「保険外交員って嫌われているな」ということ。
営業職でもあるので、中には強引に契約させようという人もいますし、嫌われる理由は分かります。それに、「病気になったら」とか「死亡したら」なんて話、あまり気持ちのいいものでもありませんよね。
ただ、だからと言って、生命保険の話を避け続けていてはいけません。
わたしが働いていたときでも、徹底的にコンタクトを避けるお客様の中には、実情に合っていない昔の契約をそのまま持っている方もいました。
いくら生命保険に入っていても、万が一のときに役立たないのでは困りますよね。
生命保険について詳しい人であれば誰にも相談せずネット経由で申し込める保険を利用してもいいですが、詳しくない方にはおすすめしません!
必ずプロに相談した上で判断してください。
プロに丸投げするのは危険
前述のとおり、保険会社や代理店のスタッフの中には、強引に契約を迫るなど、信用できない人がいるのもたしかです。
プロに相談するにしても、丸投げは絶対にやめましょう。
ではどうすればいいのか?
生命保険の基本知識を持っていればいいんです。
生命保険がどういう仕組みで、どんな商品があるのか?
このページで紹介してきたことです。
基本的な知識があれば、過剰な保険を勧められても断れますし、信頼できる担当者を見つけやすくなりますよ。
まとめ:生命保険の問題を先送りすると損をする!
本当は生命保険に入った方がいい人が加入しないまま放置していると、万が一のことが起こったときにお金が足りなくなってしまいます。
一方、本当は生命保険が不要な人が生命保険に入っていたり、本来必要な分よりも高い生命保険に入っていたりする場合は、お金の無駄になってしまいますね。
実際わたしが見てきた中でも、必要な保障が確保できていない・過剰な生命保険に入っているという人はたくさんいました。
生命保険はたしかに難しい部分もありますが、仕組みとしてはシンプルですし、基本を知っているだけで全然違います。
基本さえ知っていれば大きな間違いは起こりませんし、正しく知って、無駄なくぴったりの生命保険を備えましょう!
実際に生命保険に入るかどうか迷っているのであれば、無料相談を使うのもいいですよ。