ぼくは昔の小説や哲学書を読むのが好きです。
昔から今まで、数百年にわたって読み継がれてきた本には、人の心を動かす大切なことが書かれていると思います。
例えば、夏目漱石の作品「こころ」は、朝日新聞の連載から始まりましたが、今では高校生の国語の教科書にも載っているくらいに読まれています。
こうした歴史に残るような作品が、「青空文庫」というネットの電子図書館で無料で読めるようになっていることを知っていますか?
今回は、小説の名作を合法的に読めるサイト、青空文庫を紹介します。

青空文庫とは
引用:青空文庫
「本を電子化して、誰でも読めるようにしておくとおもしろい」
このように考えた本好きの数人の手によって、1997年7月に青空文庫は生まれました。
2015年現在、青空文庫には約13,000点の作品が収録。
公開されている本の多くは、著作者の死後から50年が経ち、著作権が切れています。
紙の本を電子化して公開する活動は、とても大変ですから、入力、校正、ファイル作成などの作業は、すべてボランティアの手によって行われています。
このように電子本を集めていく活動を、ネット上でオープンに行っているのは青空文庫の特徴ですね。
活動自体に興味をもった方は、ぜひ「青空文庫のしくみ」と「青空文庫の提案」を読んでみてください。
青空文庫でおもしろい本を見つけよう
早速、青空文庫で本を探して読んでみましょう!
作家・作品別に探す
読みたい作家、作品が決まっている場合は、「総合インデックス」から本を探しましょう。
夏目漱石の「こころ」を探すなら、作家を「な」で探して、夏目漱石の作品一覧から「こころ」を見つければよいです。
すると、作家や作品のデータが載った「図書カード」のページが見つかりますね。
引用:青空文庫
このページの「いますぐXHTML版で読む」をクリックすると、作品を読むことができますよ。
分野別に探す
哲学の本を読みたいけれど、どんな人がどんな作品を書いているのかあまりわからない。
そんなときは、「分野別リスト」で探しましょう!
引用:青空文庫
例えば哲学には、「哲学、倫理学.道徳、哲学各論、宗教、東洋思想、神道、西洋哲学、仏教、心理学、キリスト教」といった分野が含まれています。
あらゆる学問の基礎となったギリシャ哲学の作品は、「1 哲学 > 13 西洋哲学 > 131 古代哲学」と分類されていますね。
このように非常に細かく分野ごとに整理されている青空文庫では、興味のあるジャンルが決まっている場合は、「分野別リスト」からお気に入りの本を見つけるのが手間がかからずおすすめです。
ランキングで読まれている本を探す
読みたい作家も分野も決まっていないけれど、おもしろい本に出会いたいなら、「アクセスランキング」を見てみましょう。
引用:青空文庫
2014年通年のランキングを見ると、「雪の女王」が18位と上位に入っていますね。もしかしたら、流行した映画「アナと雪の女王」の影響でしょうか?
映画に関連する本でいえば、2013年に公開された映画「風立ちぬ」の原作となった堀辰雄の「風立ちぬ」も、青空文庫で読むことができますよ。
アクセスランキングは1ヶ月毎に集計され、500作品が紹介されています。
アクセス数の多い作品はいわゆる名作が多く、誰が読んでも基本的におもしろいと思います。
さまざまな環境で青空文庫の作品を楽しもう
青空文庫の作品は、本家の青空文庫のページ以外の場所でも読めるようになっています。
これは青空文庫が「青空文庫収録ファイルの取り扱い規準」を明確にしているおかげですね。
縦書きでも読める
例えば縦書きに対応した電子書籍リーダー「えあ草紙」を使えば、青空文庫の作品を縦書きで読むことができます。紙の質感もすばらしく再現されていますよ。
引用:えあ草紙工房
普段から文芸作品を文庫本で読んでいると、やはり縦書きの方が読み慣れているのではないでしょうか。
青空文庫の作品紹介のページ「図書カード」からもアクセスできますよ。
スマートフォンでも読める
青空文庫の作品をスマートフォンで読むなら、ブラウザよりも、スマートフォン用に最適化されたアプリがおすすめです。
iPhoneなら「i読書 – 青空文庫リーダー」、アンドロイドなら「青空文庫ビューア Ad」というアプリがあります。
電車の移動中をはじめ、スキマ時間に青空文庫を楽しむことができますよ。
朗読音声を聴ける
文芸作品などの物語は、朗読音声を聞くとより楽しめます。
引用:青空朗読
「青空朗読」は、青空文庫の本を読み上げた音声が集まっている、いわば青空文庫の音声版サイトです。
2008年に、プロのアナウンサーの協力を得てスタートしました。
現在では、朗読を学んだ経験のあるアマチュアの方々の作品も掲載しています。
読み上げ方や声にこだわりがあるなら、「朗読担当者別検索」でお気に入りの人を見つけてみましょう。
MP3ファイルを保存してスマートフォンで聞けば、オーディオブックのように利用できますね。
オーディオブックについては以下の記事でお話しています。
約13,000冊の作品を無料で楽しめる
新しい作品が毎日のように生まれる世の中ですが、ときには過去の物語を楽しんでみては?
約13,000冊の作品を無料で読める青空文庫には、時間が経っても読み継がれる作品が、たくさん集まっているのだから。
物語を音声で楽しみたい方には、オーディオブックがおすすめです。青空文庫に収録されている作品も公開されているので、試してみてはいかがでしょうか。